287 / 401
第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第287話 そういえば聞いたことがある!
しおりを挟む「な、何が起きたんだ?」
激しい発光が収まり、徐々に闘技場中央の状況がわかってきた。一見変わっていないようにも見えるが……、侍とブドーの位置関係が入れ替わっている。左右入れ替わりになっていて、侍は刀を振り抜いたような体勢になっている。相手の魔術師は……、
「鎧と盾が真っ二つになってる!」
横一文字に切断されてしまっている。だが、本人達は無傷のようだ。綺麗に防具だけ斬られた形である。
「あ、あああ……!?」
「我が兄弟自慢の、鉄壁の守りを持つ盾と鎧が破壊されてしまった!?」
兄弟二人は茫然自失になっている。これでは、もう試合を続行できそうにない。
「試合を続行するか、否か?」
「む、無理です!降参します!」
兄弟二人は降参するや否や、その場にへたり込んでしまった。余程恐ろしい思いをしたのだろう。確かにあんなド派手な大技見せられたらたまったもんじゃない!
「またしても、一瞬で試合が終わってしまいましたぁ!チーム・地雷也、恐るべき実力です。彼らを止めることの出来る選手は、果たして存在するのでしょうか?」
止められるのか?いや、止めないといけない。俺には先に進む理由があるし、侍には勝ちたい。ここで怯んでいるわけにはいかないのだ。
「マグネット・エナジー……。やっかいなモノを持ち出してきやがった。アイツは本当に侍の域を超えてやがる!」
まーた出た。謎の専門用語!さっきは試合が気になってたから聞けなかったが、今度はちゃんと聞いておこう。
「ちょっと説明してくれるか?俺、訳わかんないだけど?」
「ああ?マグネット・エナジーのことか?あれは要するに羅針盤の針の原理を魔術で再現するようなモンだ。」
「は?」
ファルちゃんが見るからに面倒くさそうな顔をしている。だってよくわかんないんだもん。しょうがないじゃない。
「羅針盤の針の原理は雷の力と関係があることが、魔術師の研究で近年明らかになった。雷の力をうまく使えば、引力を発生させることが出来る。」
「ま、マジで!?」
引力を発生させるだと?昨日のエルちゃんの対戦相手も引力魔法を使ってたようだけど、関係はあるんだろうか?雷要素は何もなかったけど。
「言っておくが、昨日の魔次元なんとかっていう奴等が使っていたモノとは別系統の技術だ。雷で発生する引力は発生条件が限られているんだ。」
「その心は?」
「雷の力ってのは、金属を透過する性質がある。それどころか、金属を伝う限り、どこまでもその威力を伝達させることも出来る。ある程度減衰もするから限度はあるがね。」
金属を透過する?ああ、剣を持ってたり金属鎧を着てると雷が落ちる、って話が多いのはそのためなのか。ってことはヤバイじゃん。雷を防げないじゃないか。
「引力の話に戻るが、雷の力の性質が実証されて以降、伝達・強化する研究は頻繁に行われていた。その中で引力効果が発見された。金属線を螺旋状に巻いた物に雷を通せば引力が発生する。しかも金属線を巻いた回数を増やせば力も強くなるそうだ。」
「巻く?強くなる?」
だ、ダメだ。頭がこんがらがってきた。脳みそが爆発するぅ!脳みそ、バーンってなりそう!
「侍達が腕に巻いている鎖……あれを巻いた金属線の代わりにしているようだな。それに、巻く向きを互いに逆向きにすれば、それ同士を引き合わせることが出来る。応用できれば移動スピードやパワーを強化することも出来るだろうな。」
「でもさあ、相手のやつらの動きを封じてた原理がわかんないんだけど?あれ魔法の防具でしょ?金属製じゃないんでしょ?」
「アイツらは地属性魔法の使い手だ。鎧自体の強度を確保するために、金属で作ったんだろうよ。それが裏目に出たってワケだ。侍が雷魔法を使うなんて情報は俺らくらいしか知らない。運悪く相性最悪の相手に当たってしまったんだよ。アイツらもそこそこの使い手のはずなのにな。」
ファルはともかく、俺は金属製の剣を持っている。あの技を食らったらひとたまりもない。なにか対策をしないと大変なことになる。どうやって防ごうかな?
0
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜
ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。
アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった
騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。
今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。
しかし、この賭けは罠であった。
アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。
賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。
アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。
小説家になろうにも投稿しています。
なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる