【第2部完結】勇者参上!!~究極奥義を取得した俺は来た技全部跳ね返す!究極術式?十字剣?最強魔王?全部まとめてかかってこいや!!~

Bonzaebon

文字の大きさ
88 / 331
第2章 はぐれ梁山泊極端派【燃えよ、十字剣!!】

第88話 ある意味での運命共同体

しおりを挟む

「君さあ、名前なんていうの?」

「ひょっとして、勇者様の彼女とかだったりするの?」


 ゆーしゃ達が出て行ってから一時間くらいたった。ウチはまだ訓練場にいる。その間、訓練を見ながら、イケメンでもいないかなあ、と眺めていたけど、残念ながらいなかった。今は休憩時間になったから、ここの訓練生から質問攻めにあっている。いやー、モテる女はツラいよ!


「ウチはミヤコっていうの。インフルエンサーやってる。ゆーしゃはある意味、ウチの下僕だからね!」

「すげーっ! 勇者様を下僕扱いとか!」

「どおりでJrをコケに出来るはずだよ! アイツ何も反論できてなかったもんな!」

「そこにシビれる! アコガレるぅ!」


 なんか、こうやって自分と同年齢くらいの男と話すのって、以外と初めてだな。ソード・ランにはそういう友達いなかったし。でもなんかみんな、ガキ臭いな。男ってみんなこうなのか? 相対的にゆーしゃはまだマシなんだとか思えてくる。ほんのちょっとだけだけど。


「うぅ~。アニキを勝手に下僕扱いしてるでヤンスぅ~。言いつけてやるでヤンスぅ~。」


 突然化けて出た悪霊のような声が聞こえた。いつの間にかワンちゃんが復帰していた。柱の陰からのぞき見ている。


「だまれ、下僕二号! そこになおれ!」

「ぐ、ぐわぁ! つ、捕まったでヤンスぅ!」


 首の後ろをムンズと掴む。現場へと急行し、速攻で犯人を確保した。即刻、公衆の面前で晒してやった。


「ああ~、コボルト兄さん、復帰されたんですね?」

「いよっ! ミヤコちゃんの下僕二号様!」

「セルフでクリティカルヒットなんて高等技、誰にも真似出来ないッスよ!」

「はふぅ! 散々な言われようでヤンス! こんなことされたら、古傷がうずくでヤンスぅ!」


 ワンちゃんは股間を押さえながらクネクネしている。ホントにだらしがないんだから。訓練生の注目がワンちゃんに集まり始めたので、隙を見てそこから離れた。離れた所にいる、とあるターゲットに近付くためだ!


「チクショウ! 僕だってやれば出来るはずなんだ!」


 未だに赤毛のお坊ちゃん、ロッヒェンJrとか言ったっけ? コイツはまだ悔しがっているようだった。柱の陰にうずくまって、悪態をついてる。


「アンタさあ、いつまでそうやってる気? お仕事やんなくていいの?」


 ロッヒェンJrはウチの声にハッとして、ウチの顔を見る。なんだか、ずっと自分の中の世界に閉じこもってたみたいだ。


「お、お嬢さん! なんで貴女がここに? 勇者についていかなかったのか?」

「ついていく? そんなわけないじゃん。アンタでさえ足手纏い扱いされてんのに、ウチが戦闘で役に立つわけないじゃん。」

「貴女でさえ、そんな扱いなんですか! そんなバカな!」


 信じられないみたいなリアクションをとってる。コイツにとって仲間っていうのは、戦闘で役に立つということぐらいにしか思ってないんだろうな。ホントに世間知らずのお坊ちゃんだな!


「ウチは別に戦えるから、ゆーしゃ達と行動してるんじゃないよ。ゆーしゃとの旅は色々やることあるんだよ。怪我の治療とか、必要な物の買い出しとか、情報を集めたりとか。結構、ゆーしゃは戦闘と料理以外は割とポンコツだかんね。」

「そんなバカな! そんなことで勇者が務まるというのか?」

「だから、そのために、補うためにゆーしゃをサポートしてんの! あっちにいるワンちゃんも同じ。ある意味、ウチらパーティー全員でゆーしゃやってるようなもんなの、わかった?」

「そんな考え方も出来るのか!」


 ウチの発言に目をパチパチさせて聞き入っている。今まで相当、お堅い世界にいたから、そういう考え方は新鮮なんだろうな。


「あのさあ、今気付いたんだけど、アンタ、結構普通にウチとしゃべれるじゃん? なんで?」

「ハッ!?」


 急にジュニアの顔が真っ赤になり、鼻から赤いものが流れ出た。かと思ったら、次は後ろにそのままぶっ倒れた! ホントに世話の焼けるヤツだな、もう!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

処理中です...