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忘れていた頃に浮上する実家事情(2)
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蒼緋蔵家の人間はもともと一通りの護身術や武道を学ぶことを義務づけられていたが、スポーツは別物だった。尋ねた大人たちに「これからの体力と精神力を鍛えるためだ」と宣言した話は有名で、実際、その話を渡米したばかりの現地で聞いた雪弥は「あの人、一体何やってるんだ?」と驚いた。運動派ではなかった長男が、義務付けられてもいない事で自ら動いて汗を流す姿など、想像もつかなかったからである。
蒼慶は、父のクローンのような男でもあった。常に眉間に皺が寄った仏頂面に、有無を言わせない圧倒的な威厳と威圧感を漂わせていた。雪弥があの家から距離を置き始めた頃から、それが一層ひどくなったと嘆くのは母である亜希子ばかりではない。
時々彼から電話が来るたび、雪弥は厳しい口調で刺々しい言葉を浴びせられていた。蒼慶はいつも不機嫌そうな声色で一方的に話しをすると、雪弥の言葉も聞かずに勝手に電話を切るのだ。
嫌われているのかと考えるが、思い当る節もなく雪弥は悩んでいた。蒼慶は幼い頃から仏頂面ではあったが、彼らと過ごした短い時間の中で、嫌われるようなことをした覚えが一つもなかったのだ。
「父さん、蒼慶兄さんがどうかしたの?」
雪弥が咳払いのあとに尋ねると、父がひどく重々しそうに言葉を返した。
『…………蒼慶が来月中に、私のあとを継ぐ事に決まった』
「そっか、良かったじゃない。無事に決まったんだね」
雪弥は、心の底からほっとした。蒼慶が自分を嫌いに思っているのは、きっと跡取り問題があったからだろうと考えていたからだ。父もこの件で忙しく動いていたので、ようやく肩の荷が下りるだろうとも思った。
喜ぶ雪弥とは正反対で、父の声は重く沈んでいた。
『秘書の席には、緋菜が就くことになった。結婚するまではうちが持っている会社でも、十分に社会経験が詰めるだろうと蒼慶が意見してな』
「へぇ、兄さんが緋菜を?」
『大学を出て大手企業の秘書をやっているが、見合い話の多さに亜希子が心配してな。蒼慶も緋菜の器量の良さを認めていて、外で秘書をさせるより自分の元にいるほうが能力も伸びるだろうといっている。私たちも、十分にその役職が務まるだろうと判断して推薦した』
「うん、そうだね。緋菜はしっかりした良い子だから」
雪弥は、妹が蒼緋蔵家の役職に就く驚きよりも、正直な感想を述べて肯いた。
家名の「緋」の文字を与えられた一つ年下の妹、緋菜は小、中、高、大学をトップ成績で卒業した、兄に継ぐ優秀な頭脳を持った和風美人だった。
雪弥は成人式以来彼女に会っていなかったが、美しい黒髪を背中に流したその姿を容易に想像できた。「着物が良く似合うわね」と紗奈恵に言われてから、緋菜は癖のないロングヘアスタイルを変えた事がなかったのである。
今年彼女が大学を卒業した際は、蒼緋蔵家や別の財閥が会場に入っていたので、雪弥は祝いの言葉をつけた花束とプレゼントを送っただけで、顔を出す事はしなかった。毎年家族の誕生日やお祝い事には、欠かさず花やプレゼントを送っている。
最後に家族と顔を合わせたのは、二年前に仕事の途中抜け出して会いに行った、緋菜の成人式会場だ。
大手企業で緋菜は社長秘書をして三か月も経っていないが、雪弥に不安はなかった。厳しい蒼慶であっても、実の妹には優しい事を知っていたからである。亜希子や父の次に緋菜を良く知っている蒼慶は、うまく彼女の良さを伸ばせるだろうと雪弥は思った。
「ほんと良かったよ。あとは補佐をする副当主と……副当主って、確か蒼緋蔵グループの副社長の役職だったよね? で、各支店の代表と、それから兄さんの執事――はもう決まってたね、強烈な人が…………で、ええっと『選定』と『経理』と『記録』と……よく覚えてないけど、そういう役職を埋めるだけだね」
委員会とかいろいろと面倒なことも多いみたいだけど、と続けて雪弥は肩をすくめた。
「僕は蒼緋蔵のことはよく知らないけど、あとは兄さんが決めるんだから問題はないでしょう。父さんも気楽に構えていいと思うよ。副業でやっている小説家の方にさ、これからは力を入れてもいいんじゃないかな。ほら、ゆっくりそうやって暮らしたいって言っていたでしょう? 地下に大きな書斎室と図書室まで作ってあるんだしさ」
『確かにな』
鼻で笑うような口調だったが、強張った父の声色から力が抜けたような気がした。ほっと安堵の息をつくと、不思議な事にはっきりとした空腹を感じた。
雪弥は、柵に背を持たれて夜空を見上げた。話を終わらせようと言葉を切り出す。
「就任式とかやるんだったら、日取りが決まり次第連絡してよ。僕は立場上正式に参加することは出来ないけど、当日に間に合うように、匿名でメッセージを添えて花くらいは送るから」
『雪弥、それが少しまずいことになっていてな……』
緊張を含んだように、父の声色が低く沈んだ。一体何が父さんを困らせているんだろう、と雪弥は小首を傾げて尋ねる。
「経営はすごく順調だよね? 役職だって、いろいろとすごい人がいるって前に聞いたし……他に何かあったの?」
『実はな、蒼慶が右腕となる役職に、お前を置くといって聞かんのだよ……』
父の言葉を理解するのに、数十秒を要した。
一瞬止まり掛けた思考をフル回転させ、雪弥は事態を飲み込み絶句した。右腕の座とは、つまり当主の補佐役であり、または会社の副社長の地位なのである。
「父さん、ちょっと待って、僕を『当主の右腕』に? それってつまり副当主――というか、兄さんどうしちゃったのさ? そんなんじゃ反対されて、そこで話が止まって他の役職なんか決まるわけがないでしょう!」
『それがな、他の者も全員一致でそれに賛成で――』
「はっ? 皆兄さんに口で負けたってこと?」
雪弥は柵に頭をもたれたまま、左手で顔を覆った。
愛人の子供をそばに置くなんて、普通に考えても危険である。特に、蒼緋蔵家のような歴史を持つ大きな家にとってはそうだ。雪弥にその気がなくとも、周りは黙っていない。
そのはずなのに、今回は雪弥たちを毛嫌いしていた者たちもそれに賛成しているというのだ。もはや驚愕である。一体、本家の方で何が起こっているのだろうか?
雪弥は鈍痛と眩暈を覚えた。嫌な憶測が次々に脳裏を横切り、思わず「嘘だろ」とぼやく。その言葉が聞こえた父が、『まずは話を聞きなさい』といって続けた。
『雪弥、事情は少し複雑なのだ。皆、お前がその席に就くべきだろうという意見も上がりだして――』
「冗談じゃない、僕は兄さんたちの足を引っ張る存在になるなんて、真っ平ごめんだ!」
雪弥は本心からそう叫び、思わず父の言葉を遮った。
母が倒れてしばらく過ぎたあの日、自分は断腸の想いで形上彼らとの縁を切った。家族でありながら自由に会いにも行けず、気を遣って会いに行く事を遠慮していたら、すっかり足も遠のいてしまった。
それに面倒事に巻き込まれるのは嫌だった。複雑でねちねちとした蒼緋蔵のど真ん中は、彼にとって一番避けたい場所だったのだ。
蒼慶は、父のクローンのような男でもあった。常に眉間に皺が寄った仏頂面に、有無を言わせない圧倒的な威厳と威圧感を漂わせていた。雪弥があの家から距離を置き始めた頃から、それが一層ひどくなったと嘆くのは母である亜希子ばかりではない。
時々彼から電話が来るたび、雪弥は厳しい口調で刺々しい言葉を浴びせられていた。蒼慶はいつも不機嫌そうな声色で一方的に話しをすると、雪弥の言葉も聞かずに勝手に電話を切るのだ。
嫌われているのかと考えるが、思い当る節もなく雪弥は悩んでいた。蒼慶は幼い頃から仏頂面ではあったが、彼らと過ごした短い時間の中で、嫌われるようなことをした覚えが一つもなかったのだ。
「父さん、蒼慶兄さんがどうかしたの?」
雪弥が咳払いのあとに尋ねると、父がひどく重々しそうに言葉を返した。
『…………蒼慶が来月中に、私のあとを継ぐ事に決まった』
「そっか、良かったじゃない。無事に決まったんだね」
雪弥は、心の底からほっとした。蒼慶が自分を嫌いに思っているのは、きっと跡取り問題があったからだろうと考えていたからだ。父もこの件で忙しく動いていたので、ようやく肩の荷が下りるだろうとも思った。
喜ぶ雪弥とは正反対で、父の声は重く沈んでいた。
『秘書の席には、緋菜が就くことになった。結婚するまではうちが持っている会社でも、十分に社会経験が詰めるだろうと蒼慶が意見してな』
「へぇ、兄さんが緋菜を?」
『大学を出て大手企業の秘書をやっているが、見合い話の多さに亜希子が心配してな。蒼慶も緋菜の器量の良さを認めていて、外で秘書をさせるより自分の元にいるほうが能力も伸びるだろうといっている。私たちも、十分にその役職が務まるだろうと判断して推薦した』
「うん、そうだね。緋菜はしっかりした良い子だから」
雪弥は、妹が蒼緋蔵家の役職に就く驚きよりも、正直な感想を述べて肯いた。
家名の「緋」の文字を与えられた一つ年下の妹、緋菜は小、中、高、大学をトップ成績で卒業した、兄に継ぐ優秀な頭脳を持った和風美人だった。
雪弥は成人式以来彼女に会っていなかったが、美しい黒髪を背中に流したその姿を容易に想像できた。「着物が良く似合うわね」と紗奈恵に言われてから、緋菜は癖のないロングヘアスタイルを変えた事がなかったのである。
今年彼女が大学を卒業した際は、蒼緋蔵家や別の財閥が会場に入っていたので、雪弥は祝いの言葉をつけた花束とプレゼントを送っただけで、顔を出す事はしなかった。毎年家族の誕生日やお祝い事には、欠かさず花やプレゼントを送っている。
最後に家族と顔を合わせたのは、二年前に仕事の途中抜け出して会いに行った、緋菜の成人式会場だ。
大手企業で緋菜は社長秘書をして三か月も経っていないが、雪弥に不安はなかった。厳しい蒼慶であっても、実の妹には優しい事を知っていたからである。亜希子や父の次に緋菜を良く知っている蒼慶は、うまく彼女の良さを伸ばせるだろうと雪弥は思った。
「ほんと良かったよ。あとは補佐をする副当主と……副当主って、確か蒼緋蔵グループの副社長の役職だったよね? で、各支店の代表と、それから兄さんの執事――はもう決まってたね、強烈な人が…………で、ええっと『選定』と『経理』と『記録』と……よく覚えてないけど、そういう役職を埋めるだけだね」
委員会とかいろいろと面倒なことも多いみたいだけど、と続けて雪弥は肩をすくめた。
「僕は蒼緋蔵のことはよく知らないけど、あとは兄さんが決めるんだから問題はないでしょう。父さんも気楽に構えていいと思うよ。副業でやっている小説家の方にさ、これからは力を入れてもいいんじゃないかな。ほら、ゆっくりそうやって暮らしたいって言っていたでしょう? 地下に大きな書斎室と図書室まで作ってあるんだしさ」
『確かにな』
鼻で笑うような口調だったが、強張った父の声色から力が抜けたような気がした。ほっと安堵の息をつくと、不思議な事にはっきりとした空腹を感じた。
雪弥は、柵に背を持たれて夜空を見上げた。話を終わらせようと言葉を切り出す。
「就任式とかやるんだったら、日取りが決まり次第連絡してよ。僕は立場上正式に参加することは出来ないけど、当日に間に合うように、匿名でメッセージを添えて花くらいは送るから」
『雪弥、それが少しまずいことになっていてな……』
緊張を含んだように、父の声色が低く沈んだ。一体何が父さんを困らせているんだろう、と雪弥は小首を傾げて尋ねる。
「経営はすごく順調だよね? 役職だって、いろいろとすごい人がいるって前に聞いたし……他に何かあったの?」
『実はな、蒼慶が右腕となる役職に、お前を置くといって聞かんのだよ……』
父の言葉を理解するのに、数十秒を要した。
一瞬止まり掛けた思考をフル回転させ、雪弥は事態を飲み込み絶句した。右腕の座とは、つまり当主の補佐役であり、または会社の副社長の地位なのである。
「父さん、ちょっと待って、僕を『当主の右腕』に? それってつまり副当主――というか、兄さんどうしちゃったのさ? そんなんじゃ反対されて、そこで話が止まって他の役職なんか決まるわけがないでしょう!」
『それがな、他の者も全員一致でそれに賛成で――』
「はっ? 皆兄さんに口で負けたってこと?」
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愛人の子供をそばに置くなんて、普通に考えても危険である。特に、蒼緋蔵家のような歴史を持つ大きな家にとってはそうだ。雪弥にその気がなくとも、周りは黙っていない。
そのはずなのに、今回は雪弥たちを毛嫌いしていた者たちもそれに賛成しているというのだ。もはや驚愕である。一体、本家の方で何が起こっているのだろうか?
雪弥は鈍痛と眩暈を覚えた。嫌な憶測が次々に脳裏を横切り、思わず「嘘だろ」とぼやく。その言葉が聞こえた父が、『まずは話を聞きなさい』といって続けた。
『雪弥、事情は少し複雑なのだ。皆、お前がその席に就くべきだろうという意見も上がりだして――』
「冗談じゃない、僕は兄さんたちの足を引っ張る存在になるなんて、真っ平ごめんだ!」
雪弥は本心からそう叫び、思わず父の言葉を遮った。
母が倒れてしばらく過ぎたあの日、自分は断腸の想いで形上彼らとの縁を切った。家族でありながら自由に会いにも行けず、気を遣って会いに行く事を遠慮していたら、すっかり足も遠のいてしまった。
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