52 / 110
常盤聡史という少年は、悪に渇望する(1)
しおりを挟む
常盤聡史は、裕福な家庭に生まれた三人兄弟の末っ子だった。幼くして通信教育や家庭教師、有名な塾やピアノ教室に通う優秀な末っ子として両親に可愛がられて育った。
十歳近く離れた兄たちは弁護士と税理士、父は病院の院長で、母は大企業である富豪の父を持つ娘というエリート一家だ。十年前県の要請を受けて病院が移転し、常盤は両親と共に茉莉海市にやってきた。
自分の意思もない縛られた生活に、常盤は常々不快感を抱いていた。
もともと勉強やピアノにも興味はなかった。同じ年頃の子供たちが遊ぶのを羨ましく思った気持ちは、成長するにしたがって次第に冷めていき、何に対しても関心を示さなくなった。
どうして生きているのだろうと、小学校高学年から、常盤は疑問を覚え始めた。楽しみも苦しみも与えられない満たされた生活は、彼の感覚を麻痺させていた。
そんな彼が自身の人間性を取り戻したのは、中学生を卒業する頃だった。
講演などで出張が増えた父の留守の日、突然塾の講義がなくなった常盤は、そのまま帰路についた。
家の前に見慣れない高級車が停まっているのを見たとき、ひどい胸騒ぎを覚えた。そっと鍵を開けて家に入ると、玄関には男性用革靴が並べて置かれていた。いつもなら食事を作る音が聞こえるはずの家は、怖いほど静まり返っている。
まるで泥棒にでもなった気分で、常盤は鞄を胸に抱えて家へと上がった。
電気は一つもついておらず、カーテンもすべて閉め切られていたので、夕刻の室内は恐怖を感じるほど暗かった。鼓動が身体中を波打ち、彼は心臓が震えているではと錯覚する胸中の痛みを感じた。
常盤は浅い呼吸を繰り返しながら、二階へと続く階段を慎重に上がっていった。途中、正面にある両親の寝室の扉下から、暗がりでは眩しく感じる光りを見て足を止めた。
母さん、どうして寝室に?
心臓が大きく高鳴り、耳元で煩いぐらい不規則な音が続いた。
常盤は内臓が軋む思いで階段の最上段まで登ったが、寝室から聞こえてきた小さな二つの声に身体を強張らせた。寝室にいる母が何をしているか悟った彼は、一瞬呼吸すら忘れて聴覚を研ぎ澄ませた。そして二秒半の時間を要して、相手をする若い男の声が、父の病院に勤める医者であることに気付いたのだ。
胃の底から強烈な嫌悪感が込み上げ、常盤は急く思いで家を飛び出した。死んでいたと思っていた彼の心は、一気に命を取り戻したように激しく震えていた。
汚らわしい、汚らわしいッ、汚らわしい!
そう何度も心の中で罵りながら、公園のトイレに駆けこんで常盤は激しく嘔吐した。全身の毛穴が総毛立つほどの嫌悪感に、呼吸もままならなかった。暴れ狂う感情は収拾がつかず、髪をかきむしってあたりかまわず乱暴に殴り付けた。
あんな女の腹から、俺は生まれたのか。
常盤の父は、大柄でいかつい顔立ちをしていた。歳が離れた兄弟は凛々しい目元だけが母親譲りで、顔立ちは父の生き写しだった。
歳が離れすぎた末っ子だけが誰にも似ていない。両親兄弟共に癖毛がありながら常盤にはそれがなく、細く小さな顔立ちは彼らと全く違っていた。父と兄たちよりも細い骨格、焼けてもすぐに戻る白い肌は、母のものですらなかった。
考え出すと想像は一気に膨れ上がった。「俺が本当は父の子でないことを知っているのではないか」と勘ぐり、家族に強い嫌悪感を抱いた。
父や兄たちにこれまでの尊敬も持てなくなった常盤は、その元凶である母を憎んだ。英才教育を強いている母が、愛人となっている男の子供として自分を育てていることを考え、何もかもが許せなくなった。
ぶち壊してやる。お前の望み通りになってたまるか。
常盤は母が敷いたレールを歩いている振りをして、そこから大きくはずれてやろうと企んだ。強い復讐心に駆られたた彼は、塾が早く終わる日を利用して、これまで行ったこともなかったゲームセンターで時間を潰すようになった。
金なら自分の通帳にいくらでも入って来るのだ。常盤はゲーム機に怒りをぶちまけたが、その心が満たされない虚しさを感じていた。
そんな矢先、一人の男が常盤に声を掛けた。明らかに柄の悪そうな男だった。
敷かれたレールをぶち壊してくれるならと会うようになったが、そこで常盤は初めて、自分が悪に恋焦がれていることに気付いた。男に教えられた煙草と酒は、怒りしかなかった彼の心に人間性を刻みこんだ。
常盤が出会った男は「シマ」と名乗った。小さな組織である「藤村組(ふじむらくみ)」の人間であり、仕事で茉莉海市を訪れているとのことだった。
集団詐欺事件で出回っているとシマは語り、常盤は彼が別の名義人で借りている小さなアパートで話しを聞きながら、臆することもなく意見や助言を述べた。シマは犯罪に興味を持っている賢い常盤をひどく気に入り、茉莉海市を頻繁に訪れて交流を取るようになった。
酒と煙草から始まり、ビリヤードやパチンコ、麻雀や女などシマは常盤に様々なことを教えた。仕事回りが良いときは大麻を持ち、二人でそれを吸って楽しんだ。
シマは時々後輩を伴って現れ、「賢い小悪党だぞ」と常盤を自慢して小さくなった歯を見せて笑った。常盤の考えで「藤村組」の仕事が円滑に進むようになっていたこともあり、シマの仲間たちも常盤を気に入っていたのだ。
大きな転機が訪れたのは、常盤が高校二年生になった冬だった。「藤村組」の拠点を茉莉海市に移すことが決まったのである。そこで彼らは、八人で活動していたメンバーに常盤を迎えると歓迎した。
リーダーの藤村(ふじむら)は「大きな後ろ盾が欲しい」と考えていた。そして、常盤が高校三年生の四月、大きな話が舞い込んできたのだ。
『茉莉海市は絶好の立地です。お互い良いビジネスをしましょう』
突然掛かってきた電話は、東京からだった。大量のヘロインを入荷する卸し業者が欲しいと男は続けた。
ヘロインという言葉に、藤村は顔を強張らせたが、儲けの取り分と巨大な後ろ盾をすると約束した男に目の色を変えた。東洋の純粋ヘロインを受け取り横に流すことが仕事内容だったが、資金もない藤村たちに、相手の男は魅力的な条件を出して来たのである。
『初めの入荷分に関しては、すでに我々が代金を払っています。仕事を組んでくれたことへの、ほんの祝い金にすぎません。あなたたちはそれをタダで入荷し、相場価格で私たちに売ってくれれば良いのです』
ただし、と男は続けた。
『中国からやってくる業者は、若い人間を四十人近く所望しております。こちらで情報操作、証拠隠滅しますので、あなたたちは集めてくれるだけでいい。入荷したヘロインに関しては好きな分を使用してくださって構いませんが、業者に売り渡す学生に関しては、特別製の薬を用意しておりますので、これを業者から受け取って服用させるようにしてください』
東京から声を掛けてきた組織の力は、凄まじいものだった。どこに大量のヘロインを保管するのかも聞かされないまま、連絡を待って十日が経った五月の始めに『すべてが決まった』との電話が入った。その内容は驚くべきものだったが、日本でも例を見ない悪事に常盤は喜んだ。
十歳近く離れた兄たちは弁護士と税理士、父は病院の院長で、母は大企業である富豪の父を持つ娘というエリート一家だ。十年前県の要請を受けて病院が移転し、常盤は両親と共に茉莉海市にやってきた。
自分の意思もない縛られた生活に、常盤は常々不快感を抱いていた。
もともと勉強やピアノにも興味はなかった。同じ年頃の子供たちが遊ぶのを羨ましく思った気持ちは、成長するにしたがって次第に冷めていき、何に対しても関心を示さなくなった。
どうして生きているのだろうと、小学校高学年から、常盤は疑問を覚え始めた。楽しみも苦しみも与えられない満たされた生活は、彼の感覚を麻痺させていた。
そんな彼が自身の人間性を取り戻したのは、中学生を卒業する頃だった。
講演などで出張が増えた父の留守の日、突然塾の講義がなくなった常盤は、そのまま帰路についた。
家の前に見慣れない高級車が停まっているのを見たとき、ひどい胸騒ぎを覚えた。そっと鍵を開けて家に入ると、玄関には男性用革靴が並べて置かれていた。いつもなら食事を作る音が聞こえるはずの家は、怖いほど静まり返っている。
まるで泥棒にでもなった気分で、常盤は鞄を胸に抱えて家へと上がった。
電気は一つもついておらず、カーテンもすべて閉め切られていたので、夕刻の室内は恐怖を感じるほど暗かった。鼓動が身体中を波打ち、彼は心臓が震えているではと錯覚する胸中の痛みを感じた。
常盤は浅い呼吸を繰り返しながら、二階へと続く階段を慎重に上がっていった。途中、正面にある両親の寝室の扉下から、暗がりでは眩しく感じる光りを見て足を止めた。
母さん、どうして寝室に?
心臓が大きく高鳴り、耳元で煩いぐらい不規則な音が続いた。
常盤は内臓が軋む思いで階段の最上段まで登ったが、寝室から聞こえてきた小さな二つの声に身体を強張らせた。寝室にいる母が何をしているか悟った彼は、一瞬呼吸すら忘れて聴覚を研ぎ澄ませた。そして二秒半の時間を要して、相手をする若い男の声が、父の病院に勤める医者であることに気付いたのだ。
胃の底から強烈な嫌悪感が込み上げ、常盤は急く思いで家を飛び出した。死んでいたと思っていた彼の心は、一気に命を取り戻したように激しく震えていた。
汚らわしい、汚らわしいッ、汚らわしい!
そう何度も心の中で罵りながら、公園のトイレに駆けこんで常盤は激しく嘔吐した。全身の毛穴が総毛立つほどの嫌悪感に、呼吸もままならなかった。暴れ狂う感情は収拾がつかず、髪をかきむしってあたりかまわず乱暴に殴り付けた。
あんな女の腹から、俺は生まれたのか。
常盤の父は、大柄でいかつい顔立ちをしていた。歳が離れた兄弟は凛々しい目元だけが母親譲りで、顔立ちは父の生き写しだった。
歳が離れすぎた末っ子だけが誰にも似ていない。両親兄弟共に癖毛がありながら常盤にはそれがなく、細く小さな顔立ちは彼らと全く違っていた。父と兄たちよりも細い骨格、焼けてもすぐに戻る白い肌は、母のものですらなかった。
考え出すと想像は一気に膨れ上がった。「俺が本当は父の子でないことを知っているのではないか」と勘ぐり、家族に強い嫌悪感を抱いた。
父や兄たちにこれまでの尊敬も持てなくなった常盤は、その元凶である母を憎んだ。英才教育を強いている母が、愛人となっている男の子供として自分を育てていることを考え、何もかもが許せなくなった。
ぶち壊してやる。お前の望み通りになってたまるか。
常盤は母が敷いたレールを歩いている振りをして、そこから大きくはずれてやろうと企んだ。強い復讐心に駆られたた彼は、塾が早く終わる日を利用して、これまで行ったこともなかったゲームセンターで時間を潰すようになった。
金なら自分の通帳にいくらでも入って来るのだ。常盤はゲーム機に怒りをぶちまけたが、その心が満たされない虚しさを感じていた。
そんな矢先、一人の男が常盤に声を掛けた。明らかに柄の悪そうな男だった。
敷かれたレールをぶち壊してくれるならと会うようになったが、そこで常盤は初めて、自分が悪に恋焦がれていることに気付いた。男に教えられた煙草と酒は、怒りしかなかった彼の心に人間性を刻みこんだ。
常盤が出会った男は「シマ」と名乗った。小さな組織である「藤村組(ふじむらくみ)」の人間であり、仕事で茉莉海市を訪れているとのことだった。
集団詐欺事件で出回っているとシマは語り、常盤は彼が別の名義人で借りている小さなアパートで話しを聞きながら、臆することもなく意見や助言を述べた。シマは犯罪に興味を持っている賢い常盤をひどく気に入り、茉莉海市を頻繁に訪れて交流を取るようになった。
酒と煙草から始まり、ビリヤードやパチンコ、麻雀や女などシマは常盤に様々なことを教えた。仕事回りが良いときは大麻を持ち、二人でそれを吸って楽しんだ。
シマは時々後輩を伴って現れ、「賢い小悪党だぞ」と常盤を自慢して小さくなった歯を見せて笑った。常盤の考えで「藤村組」の仕事が円滑に進むようになっていたこともあり、シマの仲間たちも常盤を気に入っていたのだ。
大きな転機が訪れたのは、常盤が高校二年生になった冬だった。「藤村組」の拠点を茉莉海市に移すことが決まったのである。そこで彼らは、八人で活動していたメンバーに常盤を迎えると歓迎した。
リーダーの藤村(ふじむら)は「大きな後ろ盾が欲しい」と考えていた。そして、常盤が高校三年生の四月、大きな話が舞い込んできたのだ。
『茉莉海市は絶好の立地です。お互い良いビジネスをしましょう』
突然掛かってきた電話は、東京からだった。大量のヘロインを入荷する卸し業者が欲しいと男は続けた。
ヘロインという言葉に、藤村は顔を強張らせたが、儲けの取り分と巨大な後ろ盾をすると約束した男に目の色を変えた。東洋の純粋ヘロインを受け取り横に流すことが仕事内容だったが、資金もない藤村たちに、相手の男は魅力的な条件を出して来たのである。
『初めの入荷分に関しては、すでに我々が代金を払っています。仕事を組んでくれたことへの、ほんの祝い金にすぎません。あなたたちはそれをタダで入荷し、相場価格で私たちに売ってくれれば良いのです』
ただし、と男は続けた。
『中国からやってくる業者は、若い人間を四十人近く所望しております。こちらで情報操作、証拠隠滅しますので、あなたたちは集めてくれるだけでいい。入荷したヘロインに関しては好きな分を使用してくださって構いませんが、業者に売り渡す学生に関しては、特別製の薬を用意しておりますので、これを業者から受け取って服用させるようにしてください』
東京から声を掛けてきた組織の力は、凄まじいものだった。どこに大量のヘロインを保管するのかも聞かされないまま、連絡を待って十日が経った五月の始めに『すべてが決まった』との電話が入った。その内容は驚くべきものだったが、日本でも例を見ない悪事に常盤は喜んだ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる