39 / 159
7章 それは、偽りの存在~『エル』の想い出、そして~(2)
しおりを挟む
「眠りこむつもりなんてなかったんだ」
「大丈夫だよ。支度している間は、寝ていてもらっても平気だからさ」
スウェンは愛想よく言った後、エルから早々に目を離した。
なんだか、近づいたと思ったら離れていく人だな。
エルは、そんな事を思った。血まみれの支柱を境に、スウェンが自分との距離を計りかねているような印象を抱いた。
きっと彼は、他人との距離を近づけてしまう事に、トラウマでもあるのだろう。それはエルも同じだったので、人の事は言えないよなぁと思いながら、エルはクロエを抱きしめた。
彼らとは、短い付き合いなのだ。
頭の良いスウェンが、エルを助けられないと考えている可能性については、エル自身が気付いていた。それは場合によっては仕方のない事で、エルとしても、自分の目的を邪魔するものではないから、強い恐れは覚えていない。
巻き込まれて、と腹が立つのが普通なのかもしれない。けれど、結果として、クロエとの残された時間が引き延ばされたと思えば、この結末も悪くはないと思えるのだ。欲を言えば、最後の大冒険の後に現実世界に戻り、最期の時まで、クロエとの旅を続けたいとは思うけれど。
覚悟は、旅を始める前から出来ていた。クロエに害がないのであれば、それでいいのだ。
仮想空間でエルが死んでしまったとしても、戦って、抗い続けた結果であるならば、エルは後悔しないだろう。それはエル自身の力が及ばなかっただけで、最後まで自分を貫き通して死ねるのなら、悔いはない。
クロエさえ、無事でいてくれれば。
もう現実世界で待ってくれている人も、いないのだから。
けれど、それによってスウェンが罪悪感を抱いてしまう事は、エルとしては避けたくもあった。彼らの任務には、エルを守る義務はないのだ。だから、出会った当初の頃のように、割り切って欲しいなとも思う。
彼らも、戦場では助けられなかった仲間がいただろうし、多くの犠牲者を見てきたとは思う。目的を念頭に置いて弱者を切り捨てなければ、くぐり抜けられない場面もあっただろう。
失いたくない人に出会い、大切な人を失った事があるのならば、関わり心を許せば別れが辛くなってしまう事は、エルもよく知っているつもりだった。だから、これまでの旅で親しい人間は一人も作らなかった。
強がりで負けず嫌いで、とことん損な性分で可愛げがない事は、エル自身も自覚している。
あの日、クロエを引き取ってくれると申し出てくれた、オジサンの遠い親戚の家族の優しさに甘える事が怖くて、エルは、クロエを連れて逃げ出したのだから。
※※※
支度を整えたあと、エル達はエレベーターに乗り込んだ。
一階の受付に降りると、そこには誰もいなかった。外は相変わらず夜の光景が広がっていたが、町明かりはなく伽藍としていた。
建物を出てすぐの場所にセイジがいて、彼はスウェンを見るや否や、首を左右に振って見せた。
「誰もいない。どの建物にも灯りさえついていなかった。まるで廃墟だ」
「この世界のセキュリティが働いたのか、世界設定でイベントが発生したのか――どちらなんだろうねぇ」
スウェンがそう言って、含み笑いを浮かべた。
風はピタリと凪いでいた。一つの街灯も灯っておらず、世界は夜の闇に包まれてしまっていて、街の全貌だけが薄暗く浮かび上がっているように見えた。
路肩に止められた車、まるで先程まで走っていたかのように路上に佇むタクシーと軽自動車、歩道に立てられているバイクには、キーがささったままだった。停まっている車やバイクは、どれも年代が少し古い。
先程とは違い、建物と乗り物の間に、時代差の違和感が生じているような気がした。
三人の軍人が話し合っている間に、エルは、ボストンバッグから顔を覗かせたクロエと共に、近場の路上に駐車されていた自動車を観察した。すぐそばの路肩に寄せられている軽自動車は、オジサンの車庫にあった、頭の丸い年代物の車に少し似ていた。
埃は被っておらず、錆びてもいないが、塗装が色褪せた印象はあった。先程まで都心を歩いていたエルにとって、都会の街並みにそういった乗り物がぽつりぽつりと取り残されている光景には、やはり違和感を覚えた。
街並みをそのままに、路上に置き捨てられた小道具だけが、一つの時代を戻ってしまったような印象を受けた。軽自動車の中を覗きこむと、内装もオジサンの動かなくなってしまっていた愛車に似ていた。
オジサンの車は鍵も壊れていて、エルはクロエと、よく忍び込んでは居眠りをした事があった。
「行くぞ」
ぶっきらぼうに声を掛けられ、エルは振り返った。そこには、相変わらず顰め面をした大男――ログがいた。
「目指す場所は一つだ。そういう設定なら、スタート地点まで問題なく進める」
「そういう設定って?」
「つまり」
スウェンがログの間から顔を出し、説明役を引き継いだ。
「ゲームでいう『ダンジョン』みたいなものだよ。この仮想空間そのものにはイベント性はないけれど、大事な核――つまり『支柱』だけれど――を守っている建物にだけは、そういった設定が組み込まれている感じかな」
「セキュリティが発動するような設定ってこと?」
「うん、そういう事。前回の遊園地では、僕らは迷路を抜けて『城』に辿り着かなくちゃならなくて、そこでは殺傷人形が動めいていただろう? 世界観に沿って、ゲームのように設定が設けられているって事なのさ」
恐らくだけれど、とスウェンが薄暗い道路の向こうへと目を向けながら、言葉を続けた。
「科学者の連中が、第四のセキュリティー・エリアに強い問題がないと判断したのは、ここが不完全さをカバーする為に、空間そのものが小さくなっているからだろう。僕が推測するに、ここの『設定』は一本道の先に『スタート地点』があって、僕らは守られている支柱に辿り着くために、セキュリティが起こす『イベント』に巻き込まれるんだろうねぇ」
ホテルでの黒服の男達の襲撃や、遊園地での人形の襲撃と同じ仕組みだ、とスウェンは語った。
エルは、半ば納得しつつも、それが全てスウェンの憶測である事を不思議に思った。
「どうして、そんな事が分かるの?」
「いったでしょ、この世界で僕は『歪み』を認識出来るし、解かってしまうものは解かってしまうのだから、しょうがないよ。――まぁ、僕がこの手のゲームをよく知っている事もあるけれど」
スウェンは、可笑しそうに言った。
「まぁ、僕が支柱の起こす世界について、ちょっとした法則性を見付けてしまったせいもあるかな。つまり、ここは『夢』であり、『記憶』が使われている。それは対象の人間が抱えていた悪夢と相性が良いような気がして、そうすると自ずと予測がついてしまうというか」
最後は言葉を濁すように、スウェンが視線をそらしながら言葉を切った。
エルは、スウェンが先程、自分達が少し特殊な人間なのだと語っていた事を思い出した。一種の飛び抜けた勘というか、謎を早々に解いて理解する才能も、極めれば特殊能力になるのだとすると、もしかしたらスウェンの場合は、少ない情報で全体像を掴み、すべてを正確に把握してしまう能力でもあるのかもしれない、とも思えた。
「大丈夫だよ。支度している間は、寝ていてもらっても平気だからさ」
スウェンは愛想よく言った後、エルから早々に目を離した。
なんだか、近づいたと思ったら離れていく人だな。
エルは、そんな事を思った。血まみれの支柱を境に、スウェンが自分との距離を計りかねているような印象を抱いた。
きっと彼は、他人との距離を近づけてしまう事に、トラウマでもあるのだろう。それはエルも同じだったので、人の事は言えないよなぁと思いながら、エルはクロエを抱きしめた。
彼らとは、短い付き合いなのだ。
頭の良いスウェンが、エルを助けられないと考えている可能性については、エル自身が気付いていた。それは場合によっては仕方のない事で、エルとしても、自分の目的を邪魔するものではないから、強い恐れは覚えていない。
巻き込まれて、と腹が立つのが普通なのかもしれない。けれど、結果として、クロエとの残された時間が引き延ばされたと思えば、この結末も悪くはないと思えるのだ。欲を言えば、最後の大冒険の後に現実世界に戻り、最期の時まで、クロエとの旅を続けたいとは思うけれど。
覚悟は、旅を始める前から出来ていた。クロエに害がないのであれば、それでいいのだ。
仮想空間でエルが死んでしまったとしても、戦って、抗い続けた結果であるならば、エルは後悔しないだろう。それはエル自身の力が及ばなかっただけで、最後まで自分を貫き通して死ねるのなら、悔いはない。
クロエさえ、無事でいてくれれば。
もう現実世界で待ってくれている人も、いないのだから。
けれど、それによってスウェンが罪悪感を抱いてしまう事は、エルとしては避けたくもあった。彼らの任務には、エルを守る義務はないのだ。だから、出会った当初の頃のように、割り切って欲しいなとも思う。
彼らも、戦場では助けられなかった仲間がいただろうし、多くの犠牲者を見てきたとは思う。目的を念頭に置いて弱者を切り捨てなければ、くぐり抜けられない場面もあっただろう。
失いたくない人に出会い、大切な人を失った事があるのならば、関わり心を許せば別れが辛くなってしまう事は、エルもよく知っているつもりだった。だから、これまでの旅で親しい人間は一人も作らなかった。
強がりで負けず嫌いで、とことん損な性分で可愛げがない事は、エル自身も自覚している。
あの日、クロエを引き取ってくれると申し出てくれた、オジサンの遠い親戚の家族の優しさに甘える事が怖くて、エルは、クロエを連れて逃げ出したのだから。
※※※
支度を整えたあと、エル達はエレベーターに乗り込んだ。
一階の受付に降りると、そこには誰もいなかった。外は相変わらず夜の光景が広がっていたが、町明かりはなく伽藍としていた。
建物を出てすぐの場所にセイジがいて、彼はスウェンを見るや否や、首を左右に振って見せた。
「誰もいない。どの建物にも灯りさえついていなかった。まるで廃墟だ」
「この世界のセキュリティが働いたのか、世界設定でイベントが発生したのか――どちらなんだろうねぇ」
スウェンがそう言って、含み笑いを浮かべた。
風はピタリと凪いでいた。一つの街灯も灯っておらず、世界は夜の闇に包まれてしまっていて、街の全貌だけが薄暗く浮かび上がっているように見えた。
路肩に止められた車、まるで先程まで走っていたかのように路上に佇むタクシーと軽自動車、歩道に立てられているバイクには、キーがささったままだった。停まっている車やバイクは、どれも年代が少し古い。
先程とは違い、建物と乗り物の間に、時代差の違和感が生じているような気がした。
三人の軍人が話し合っている間に、エルは、ボストンバッグから顔を覗かせたクロエと共に、近場の路上に駐車されていた自動車を観察した。すぐそばの路肩に寄せられている軽自動車は、オジサンの車庫にあった、頭の丸い年代物の車に少し似ていた。
埃は被っておらず、錆びてもいないが、塗装が色褪せた印象はあった。先程まで都心を歩いていたエルにとって、都会の街並みにそういった乗り物がぽつりぽつりと取り残されている光景には、やはり違和感を覚えた。
街並みをそのままに、路上に置き捨てられた小道具だけが、一つの時代を戻ってしまったような印象を受けた。軽自動車の中を覗きこむと、内装もオジサンの動かなくなってしまっていた愛車に似ていた。
オジサンの車は鍵も壊れていて、エルはクロエと、よく忍び込んでは居眠りをした事があった。
「行くぞ」
ぶっきらぼうに声を掛けられ、エルは振り返った。そこには、相変わらず顰め面をした大男――ログがいた。
「目指す場所は一つだ。そういう設定なら、スタート地点まで問題なく進める」
「そういう設定って?」
「つまり」
スウェンがログの間から顔を出し、説明役を引き継いだ。
「ゲームでいう『ダンジョン』みたいなものだよ。この仮想空間そのものにはイベント性はないけれど、大事な核――つまり『支柱』だけれど――を守っている建物にだけは、そういった設定が組み込まれている感じかな」
「セキュリティが発動するような設定ってこと?」
「うん、そういう事。前回の遊園地では、僕らは迷路を抜けて『城』に辿り着かなくちゃならなくて、そこでは殺傷人形が動めいていただろう? 世界観に沿って、ゲームのように設定が設けられているって事なのさ」
恐らくだけれど、とスウェンが薄暗い道路の向こうへと目を向けながら、言葉を続けた。
「科学者の連中が、第四のセキュリティー・エリアに強い問題がないと判断したのは、ここが不完全さをカバーする為に、空間そのものが小さくなっているからだろう。僕が推測するに、ここの『設定』は一本道の先に『スタート地点』があって、僕らは守られている支柱に辿り着くために、セキュリティが起こす『イベント』に巻き込まれるんだろうねぇ」
ホテルでの黒服の男達の襲撃や、遊園地での人形の襲撃と同じ仕組みだ、とスウェンは語った。
エルは、半ば納得しつつも、それが全てスウェンの憶測である事を不思議に思った。
「どうして、そんな事が分かるの?」
「いったでしょ、この世界で僕は『歪み』を認識出来るし、解かってしまうものは解かってしまうのだから、しょうがないよ。――まぁ、僕がこの手のゲームをよく知っている事もあるけれど」
スウェンは、可笑しそうに言った。
「まぁ、僕が支柱の起こす世界について、ちょっとした法則性を見付けてしまったせいもあるかな。つまり、ここは『夢』であり、『記憶』が使われている。それは対象の人間が抱えていた悪夢と相性が良いような気がして、そうすると自ずと予測がついてしまうというか」
最後は言葉を濁すように、スウェンが視線をそらしながら言葉を切った。
エルは、スウェンが先程、自分達が少し特殊な人間なのだと語っていた事を思い出した。一種の飛び抜けた勘というか、謎を早々に解いて理解する才能も、極めれば特殊能力になるのだとすると、もしかしたらスウェンの場合は、少ない情報で全体像を掴み、すべてを正確に把握してしまう能力でもあるのかもしれない、とも思えた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる