96 / 159
13章 冒険は五人と一匹で(5)
しおりを挟む
「映画館じゃなくてもさ、家でも結構盛り上がるんだ。うちにホーム・シアターがあるけど、ピザとコーラは必需品だね」
「その組み合わせで食べた事はないなぁ……」
エルは少し考え、腕の中のクロエに「コーラとピザって、合うと思う?」と尋ねてみた。
クロエが、困惑した表情を見せた。エルも、普段は取る事がない欧米食や文化について悩ましく思った。コーラやピザ、ポップコーンといったものは、あまり食べた経験もない。
「考えたら、食事も、ほとんどオジサンの手料理だったし」
「にゃにゃー」
「ピザ持って来た時とか、ポタロウが盗んだりソースが飛んだり大変だったから、あまり出なかったのかなぁとも思うんだよねぇ」
「にゃう?」
クロエは小首を傾げたが、そうかも、と肯定するように「にゃ」と肯いた。
スウェンは、猫と話すエルをしばし見守り、座り込んでから無言を貫いているログへ視線を移した。
ログは部屋の角に背中を預け、目を閉じて腕を組んで座っていた。彼が眠っている気配はないが、それだけでも十分休めた事だろうと考え、スウェンは「ねぇログ」と声を掛けた。
「ログがコーラ派なのは知ってるけど、ほら、僕っていつも途中で寝ちゃうから分からないんだよね。ログは、映画って最後まで見る派だっけ?」
「音が煩くて眠れないからな」
質問されてすぐ、ログが片目を開けてスウェンを見つめ返した。
「別に最後まで見ようと意識した事はねぇが、特に映画館だと大音量だろ。煩くて眠れないまま、結局、最後まで見ちまう派だよ、俺は」
「映画館って、煩いの?」
思わずエルが尋ねると、スウェンは思い返すように「どうだったかなぁ」と顎に手を当てた。
「そこまで煩くはないと思うよ? 映画館は音質が良くて、画面も大きいし、――あ。ホラー物は特に良いよ! 女の子達は大抵、僕の腕にしがみついて来てくれるし」
「それは女の方も計算してんだよ。そういう女が一番うぜぇ」
「それもそれで楽しいって話しだよ、ログ。僕的には、今やってるホラー映画も是非見たいんだよね。悪魔とかゾンビとか色々揃って出てくるし。――エル君は、ホラーとかどう?」
またしても前触れなく質問されて、エルは、思わず腕の中のクロエを抱き締めた。
「え、あの、お化けとかは、その……ちょっと遠慮したいかな、なんて…………」
「あはははっ、お化けとは違うよ~。悪魔やゾンビだってば」
その真意を問うように、エルはセイジへと目を向けた。セイジは、エルの視線を受け取めると、「スウェンの求めるホラーは、ちょっとスプラッタかな……」と遠慮がちに意見した。
エルは嫌な汗を背中に覚え、更にクロエを抱き寄せた。ログは話しに飽きたのか、頭の後ろに両手をやって目を閉じてしまっており、スウェンだけが、エルの返答を期待の眼差しで待っていた。
「あの、俺はそういうビックリ系は、いらない、かな……」
「え~、意外だなぁ。もしかして恐いの?」
「こッ」
エルは、思わず声が裏返り、一瞬言葉が詰まった。
「恐いとか、そ、そそんなのある訳ないじゃんッ。ただ、あまり見ないだけで、特に興味もないというか……」
エルは答えつつ、テレビ放送されていたホラー系、スプラッタ系の映画に怯える様子を、いつもオジサンにからかわれていた過去を思い返した。弱みは出来るだけ知られたくなかった。
スウェンが、いくつかの代表的なスプラッタ映画の題名を上げ、陽気に話し始めた。エルはテレビで見ている時、目や耳を塞いでいる事が多かったので内容はうろ覚えだったが、不審がられない程度に相槌を打った。
途中、エルがとうとう言葉を失ってしまうと、セイジが「人間がスライスされる場面の詳細まではいらないからッ」と青い顔で拒否の意を唱えたが、スウェンは、二人に詳しく話し聞かせる事を止めなかった。
話を聞いていたログの口許が、わずかに笑みを浮かべていた。
ホテルマンは話の最中に、「ホラー映画なんて怖くありませんよ、小さなお客様!」「私はジンジャーエール派ですね」と少しだけ話に参加したが、映画には基本的に興味がないのか横になってしまい、気だるい至福の時間に寝返りを打ち、腹を座敷ら押し付けて手足をだらしなく伸ばしたりした。
吹きこむ風が、少しだけ冷たさを帯び始めた。
話しに満足したスウェンが背伸びをし、マメなセイジが持ち物の確認に入った。エルは怖い事を忘れる為、クロエと窓の外を眺める事に専念した。
穏やかな時間が暫く続いたあと、不意に、部屋の静寂をログの一声が破った。
「おい。そろそろ、しらばっくれるのは止めたらどうだ」
腕を組んで座っていたログが、寝そべるホテルマンを睨み付けた。
先程まで機嫌が良さそうだったが、何か考える所でもあったのだろうか。エルとクロエは、揃ってスウェンに目配せした。
スウェンは、ログに少々都合の悪いような表情を向けていた。もうちょっとタイミングを待てなかったのかと眼差しで訴えていたが、エルの視線に気付くと、諦めたように「少し大人同士で話し合わせて?」と唇に人差し指をあてる仕草を返した。
ねそべったままログへ顔を向けたホテルマンが、「はて」と首を傾げた。
「私、何か致しましたか?」
「腹を割って話していない事があるだろう。お前、どうも胡散臭いぜ」
「顔については度々言われますが、度量が狭いお方ですねぇ」
ホテルマンは、呆れた顔で上体を起こすと、ログの方を向いて正座した。
「私、ここでは大人しくしておりますよ?」
「俺はな、初めてお前をホテルで見た時から、妙な違和感が消えねぇんだよ。それにな、お前の戦い方が、そこのクソガキにそっくりなのは、どういう事だ?」
ログは立ち上がると、正座するホテルマンに詰め寄り、見降ろした。
「お前は何者だ? この仮想空間で、あちこちに出現するエキストラなんて、お前以外いないだろ」
ホテルマンが小さく眉根を寄せたが、――不意に角を引き上げ、その雰囲気が変わった。
「……今、言わなければなりませんかねぇ? 大変申し訳ございませんが、貴方の都合で、『こちら側』の予定を狂わせる訳にはいかないのですよ」
「なんの為に?」
スウェンが、すかさず口を挟んだ。
「実は僕も、ずっと考えていたんだよ。さっき、君とエル君が同時に闘う姿を見て変だなと思った。一見すると戦い方は違うようだったけど、基本となる動きが全く一致していたからね。まるで同一の戦闘訓練を受けたか、写しみたいだったよ」
「よく見ておられますねぇ」
ホテルマンが、取ってつけたような笑顔で言った。馬鹿にするような物言いがログの逆鱗に触れたが、すぐにスウェンが目で牽制し「ここで話すと決めたのなら、辛抱なさい」と珍しく上官らしい言葉を告げた。
立ち上がったホテルマンが、同じ高さから、ログとスウェンを見つめ返した。
「その組み合わせで食べた事はないなぁ……」
エルは少し考え、腕の中のクロエに「コーラとピザって、合うと思う?」と尋ねてみた。
クロエが、困惑した表情を見せた。エルも、普段は取る事がない欧米食や文化について悩ましく思った。コーラやピザ、ポップコーンといったものは、あまり食べた経験もない。
「考えたら、食事も、ほとんどオジサンの手料理だったし」
「にゃにゃー」
「ピザ持って来た時とか、ポタロウが盗んだりソースが飛んだり大変だったから、あまり出なかったのかなぁとも思うんだよねぇ」
「にゃう?」
クロエは小首を傾げたが、そうかも、と肯定するように「にゃ」と肯いた。
スウェンは、猫と話すエルをしばし見守り、座り込んでから無言を貫いているログへ視線を移した。
ログは部屋の角に背中を預け、目を閉じて腕を組んで座っていた。彼が眠っている気配はないが、それだけでも十分休めた事だろうと考え、スウェンは「ねぇログ」と声を掛けた。
「ログがコーラ派なのは知ってるけど、ほら、僕っていつも途中で寝ちゃうから分からないんだよね。ログは、映画って最後まで見る派だっけ?」
「音が煩くて眠れないからな」
質問されてすぐ、ログが片目を開けてスウェンを見つめ返した。
「別に最後まで見ようと意識した事はねぇが、特に映画館だと大音量だろ。煩くて眠れないまま、結局、最後まで見ちまう派だよ、俺は」
「映画館って、煩いの?」
思わずエルが尋ねると、スウェンは思い返すように「どうだったかなぁ」と顎に手を当てた。
「そこまで煩くはないと思うよ? 映画館は音質が良くて、画面も大きいし、――あ。ホラー物は特に良いよ! 女の子達は大抵、僕の腕にしがみついて来てくれるし」
「それは女の方も計算してんだよ。そういう女が一番うぜぇ」
「それもそれで楽しいって話しだよ、ログ。僕的には、今やってるホラー映画も是非見たいんだよね。悪魔とかゾンビとか色々揃って出てくるし。――エル君は、ホラーとかどう?」
またしても前触れなく質問されて、エルは、思わず腕の中のクロエを抱き締めた。
「え、あの、お化けとかは、その……ちょっと遠慮したいかな、なんて…………」
「あはははっ、お化けとは違うよ~。悪魔やゾンビだってば」
その真意を問うように、エルはセイジへと目を向けた。セイジは、エルの視線を受け取めると、「スウェンの求めるホラーは、ちょっとスプラッタかな……」と遠慮がちに意見した。
エルは嫌な汗を背中に覚え、更にクロエを抱き寄せた。ログは話しに飽きたのか、頭の後ろに両手をやって目を閉じてしまっており、スウェンだけが、エルの返答を期待の眼差しで待っていた。
「あの、俺はそういうビックリ系は、いらない、かな……」
「え~、意外だなぁ。もしかして恐いの?」
「こッ」
エルは、思わず声が裏返り、一瞬言葉が詰まった。
「恐いとか、そ、そそんなのある訳ないじゃんッ。ただ、あまり見ないだけで、特に興味もないというか……」
エルは答えつつ、テレビ放送されていたホラー系、スプラッタ系の映画に怯える様子を、いつもオジサンにからかわれていた過去を思い返した。弱みは出来るだけ知られたくなかった。
スウェンが、いくつかの代表的なスプラッタ映画の題名を上げ、陽気に話し始めた。エルはテレビで見ている時、目や耳を塞いでいる事が多かったので内容はうろ覚えだったが、不審がられない程度に相槌を打った。
途中、エルがとうとう言葉を失ってしまうと、セイジが「人間がスライスされる場面の詳細まではいらないからッ」と青い顔で拒否の意を唱えたが、スウェンは、二人に詳しく話し聞かせる事を止めなかった。
話を聞いていたログの口許が、わずかに笑みを浮かべていた。
ホテルマンは話の最中に、「ホラー映画なんて怖くありませんよ、小さなお客様!」「私はジンジャーエール派ですね」と少しだけ話に参加したが、映画には基本的に興味がないのか横になってしまい、気だるい至福の時間に寝返りを打ち、腹を座敷ら押し付けて手足をだらしなく伸ばしたりした。
吹きこむ風が、少しだけ冷たさを帯び始めた。
話しに満足したスウェンが背伸びをし、マメなセイジが持ち物の確認に入った。エルは怖い事を忘れる為、クロエと窓の外を眺める事に専念した。
穏やかな時間が暫く続いたあと、不意に、部屋の静寂をログの一声が破った。
「おい。そろそろ、しらばっくれるのは止めたらどうだ」
腕を組んで座っていたログが、寝そべるホテルマンを睨み付けた。
先程まで機嫌が良さそうだったが、何か考える所でもあったのだろうか。エルとクロエは、揃ってスウェンに目配せした。
スウェンは、ログに少々都合の悪いような表情を向けていた。もうちょっとタイミングを待てなかったのかと眼差しで訴えていたが、エルの視線に気付くと、諦めたように「少し大人同士で話し合わせて?」と唇に人差し指をあてる仕草を返した。
ねそべったままログへ顔を向けたホテルマンが、「はて」と首を傾げた。
「私、何か致しましたか?」
「腹を割って話していない事があるだろう。お前、どうも胡散臭いぜ」
「顔については度々言われますが、度量が狭いお方ですねぇ」
ホテルマンは、呆れた顔で上体を起こすと、ログの方を向いて正座した。
「私、ここでは大人しくしておりますよ?」
「俺はな、初めてお前をホテルで見た時から、妙な違和感が消えねぇんだよ。それにな、お前の戦い方が、そこのクソガキにそっくりなのは、どういう事だ?」
ログは立ち上がると、正座するホテルマンに詰め寄り、見降ろした。
「お前は何者だ? この仮想空間で、あちこちに出現するエキストラなんて、お前以外いないだろ」
ホテルマンが小さく眉根を寄せたが、――不意に角を引き上げ、その雰囲気が変わった。
「……今、言わなければなりませんかねぇ? 大変申し訳ございませんが、貴方の都合で、『こちら側』の予定を狂わせる訳にはいかないのですよ」
「なんの為に?」
スウェンが、すかさず口を挟んだ。
「実は僕も、ずっと考えていたんだよ。さっき、君とエル君が同時に闘う姿を見て変だなと思った。一見すると戦い方は違うようだったけど、基本となる動きが全く一致していたからね。まるで同一の戦闘訓練を受けたか、写しみたいだったよ」
「よく見ておられますねぇ」
ホテルマンが、取ってつけたような笑顔で言った。馬鹿にするような物言いがログの逆鱗に触れたが、すぐにスウェンが目で牽制し「ここで話すと決めたのなら、辛抱なさい」と珍しく上官らしい言葉を告げた。
立ち上がったホテルマンが、同じ高さから、ログとスウェンを見つめ返した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる