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15章 深い森(2)
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クロエが、置き忘れられたボストンバッグに素早く目を走らせた。間に合わないと悟ったように、小さな体でエルの元へ駆け出す。
持ち上がる木々の根から剥がれ落ちる岩の下を、どうにか障害物をギリギリ避けながら走るクロエの姿に気付き、エルは血の気が引いた。クロエの近くに誰かいないかと目を走らせた時、ホテルマンがに止まったので、周りの轟音に負けないよう叫んだ。
「ホテルマンッ、クロエをお願い!」
どちらとも付かない表情で、ひっそりと眉根を寄せたホテルマンが、一つ肯いて素早くクロエの元へ駆け寄った。彼は難なくクロエを確保すると、暴れる老猫を抱えて「無茶ですよ」と宥めるように告げた。
太い幹が更に活発になり、大蛇のように暴れ狂った。
木の根が振り落とした岩を避けたスウェンが、「出来るだけはぐれるな!」と叫んだそばから、ログが次の足場として着地して根が勢いよく大地を離れ、彼を十メートル向こうへと吹き飛ばした。
舌打ちしつつも、ログは冷静に空中で体制を整え、動く幹に着地して地面へと降り立った。
ログが戻って来る様子を確認し、スウェンは、エルのボストンバッグを拾い上げたセイジの腕を掴んだ。他のメンバーの現在位置を把握すべく、素早く目を走らせた彼は、エルとの間に何本もの幹が立ち塞がってしまっている事に気付いた。
木々は一つの意思を持っているかのように、エルの足元へと集い、巨大な幹が壁を作るように彼女の周りを固め始めていた。
ホテルマンが、クロエを抱いたまま咄嗟に駆け出し、エルに向かって手を伸ばしたが、――その手は僅かに届かなかった。
何十もの幹が空高く壁を形成し、エルの視界は、あっという間に暗闇に閉ざされてしまった。木々の檻は、腹の底に響く呻りを上げて完成されると、外界の音を一切断ってしまったのだった。
※※※
巨木群の中に閉ざされたエルは、視界の効かない闇の中で、思わず「どうしよう」とぼやいた。
押し潰されるような事態に至らなかった事を、まずは幸運に思うべきだろうか。
けれど、危機な状況である事に変わりはない。エルは、クロエの事を気掛かりに思いつつ、辺りの状況を確認するべく足で探った。足場も幹で覆われているのか、歩き進めた短い間に、暗闇の中で数回足を滑らせてしまった。
自分の手さえも見えない漆黒の闇が続いていた。
目を開けているのか、閉じているのかも分からなくなる。
足元からは、微かに外からの振動が伝わって来た。エルは、鳥が叩き落とされた様子を思い返して、外の皆は大丈夫だろうかと不安が込み上げた。
この森が肉食だとすると、自分は、このまま食べられてしまうのだろうか?
歩き回る危険について考えさせられたが、もし立ち止まっている間に、何者かが近づいて来て、みすみす喰われてしまうような事態になる方が怖い。またしても地面を覆う木の根の大きな凹凸に躓いてしまったが、エルは「立ち止まるもんかッ」と顔を上げた。
「~~~~ッというか、ホラー系とか断固拒否!」
急ぎ脱出方法を考えようとしたエルは――
不意に、何者かの意図で、自分がここに閉じ込められた可能性について思い至った。闇の中に立ち込めている肌に絡みつく空気や、湿った樹木と土の匂いには、どこか覚えがあるような気もする。
同時に、それは殺すためでも、捕食目的でもないと勘繰っている自分がいた。
忘れている記憶に関係している事だろうか……?
エルは訝しみつつも、どうやらココで死ぬ事はないらしいと、慎重に手足を動かせた。恐怖感や焦燥が薄れてくれたせいか、簡単に躓いて転ぶ事もなくなった。
先へ進むほど、懐かしい空気を覚えた。視覚以外の感覚を頼りに、エルは、その気配が強い方向へと進んだ。
不安定な足場は、しだいに幹かさえも分からないほど平らになっていった。エルは、自分が木々の中に出来た、ぽっかりと空いた暗闇の伽藍に立たされている様子を想像させられた。
何もない闇を見ながら、探るように歩く自分に既視感を覚えた。
「……『お姉ちゃん』?」
遠い昔、そう声を掛けながら闇の中を歩き、いつも同じ誰かの姿を探していたような気がする。上も下もない闇の中で、一緒に過ごしていた少女の面影が脳裏を過ぎった。
ああ、やはり俺は、この場所を知っている。
ここは、もう木々で閉ざされただけの場所ではないのだろう。思い出そうと深く考えると、失ってしまった遠い昔の記憶がそれを拒絶するように、頭の芯が鈍く痛んだ。とても、嫌な動悸も覚える。
その時、エルは、どこからか自分を呼ぶ声に気付いた。澄んだソプラノの声が暗闇に小さく響き渡っている。
――どこにいるの、ずっと探しているのに……
何者かのその声が、エルの脳裏に直接沁み込んだ瞬間、後頭部を押さえつけるような鈍い痛みと眩暈が、唐突に消え去った。明確になった思考で、「こっちよ」と近くから声を掛けられ、エルは反射的に振り返った。
――違うわ、こっちに来て。そっちは駄目よ……
同じ声が、先程とは逆方向から木霊した。気配を探ってみるが、生きた人間の意思はどこにも感じられなかった。
辺りを探りながら更に先へと進むと、次第に自分の手が見え始め、身体がはっきりと闇の中に鮮明に浮かび上がるようになった。一点の光さえもない空間で、自分の身体だけがはっきりと視認出来る現象は不思議でしかない。
その疑問について思案しようとしたエルは、ハッとして足を止めた。
まるで突如色でも加えられたように、二匹の人形が漆黒のベールを突き破って、エルのいる空間まで音もなく滑りこんで来た。それは栗色と白色の、二体のテディ・ベアだった。
二匹のテディ・ベアは闇の中を浮遊し、ふわふわと漂いながら、ギクリと硬直するエルの顔を覗きこんだ。
栗色のテディ・ベアには、瞳がなかった。その人形は穿った穴でじっとエルを凝視したかと思うと、途端に大粒の黒い涙をこぼし始めた。
『待っているのよ、ずっと……あなた、今、どこにいるの? 私を置いて行かないって、外に連れ出してくれるって、そう言ってくれたじゃない。あなたは、どうして、どこにもいないの?』
人形は黒い涙を流していたが、前触れもなく、壊れた玩具のように高笑いを始めた。
栗色のテディ・ベアの裂けた大きな口の向こうに、歪んだ禍々しい闇が蠢いていた。鼓膜の奥まで貫くような狂った笑い声は、こちらの声を理解する事も出来ないだろうと察するような狂気を発しながら、空間中に反響して。
理性のない甲高い笑い声が、恐ろしい象徴のように聞こえた。
出来る事なら耳を塞いで目も閉じてしまいたかったが、それが出来ないのは、きっと、エルが誰よりも声の主をよく知っているせいかもしれない。何も思い出せてはいないが、恐らく自分は、『彼女』がここまで狂ってしまった事が、ショックでならないのだとは魂で理解していた。
脳を激しく揺さぶる笑い声に、幼い頃失ってしまった多くの記憶をぐちゃぐちゃに引き出されるような感覚が込み上げ、吐き気が込み上げた。
ブルーの瞳を持った白いテディ・ベアが、自由にならない身体を懸命に動かすように身体を震わせ、エルの鼻先に滑り込んだ。狂ったように笑い続ける栗色のテディ・ベアがその人形の向こうに隠れてしまい、エルは、半ば助かったと思いながら見つめ返した。
持ち上がる木々の根から剥がれ落ちる岩の下を、どうにか障害物をギリギリ避けながら走るクロエの姿に気付き、エルは血の気が引いた。クロエの近くに誰かいないかと目を走らせた時、ホテルマンがに止まったので、周りの轟音に負けないよう叫んだ。
「ホテルマンッ、クロエをお願い!」
どちらとも付かない表情で、ひっそりと眉根を寄せたホテルマンが、一つ肯いて素早くクロエの元へ駆け寄った。彼は難なくクロエを確保すると、暴れる老猫を抱えて「無茶ですよ」と宥めるように告げた。
太い幹が更に活発になり、大蛇のように暴れ狂った。
木の根が振り落とした岩を避けたスウェンが、「出来るだけはぐれるな!」と叫んだそばから、ログが次の足場として着地して根が勢いよく大地を離れ、彼を十メートル向こうへと吹き飛ばした。
舌打ちしつつも、ログは冷静に空中で体制を整え、動く幹に着地して地面へと降り立った。
ログが戻って来る様子を確認し、スウェンは、エルのボストンバッグを拾い上げたセイジの腕を掴んだ。他のメンバーの現在位置を把握すべく、素早く目を走らせた彼は、エルとの間に何本もの幹が立ち塞がってしまっている事に気付いた。
木々は一つの意思を持っているかのように、エルの足元へと集い、巨大な幹が壁を作るように彼女の周りを固め始めていた。
ホテルマンが、クロエを抱いたまま咄嗟に駆け出し、エルに向かって手を伸ばしたが、――その手は僅かに届かなかった。
何十もの幹が空高く壁を形成し、エルの視界は、あっという間に暗闇に閉ざされてしまった。木々の檻は、腹の底に響く呻りを上げて完成されると、外界の音を一切断ってしまったのだった。
※※※
巨木群の中に閉ざされたエルは、視界の効かない闇の中で、思わず「どうしよう」とぼやいた。
押し潰されるような事態に至らなかった事を、まずは幸運に思うべきだろうか。
けれど、危機な状況である事に変わりはない。エルは、クロエの事を気掛かりに思いつつ、辺りの状況を確認するべく足で探った。足場も幹で覆われているのか、歩き進めた短い間に、暗闇の中で数回足を滑らせてしまった。
自分の手さえも見えない漆黒の闇が続いていた。
目を開けているのか、閉じているのかも分からなくなる。
足元からは、微かに外からの振動が伝わって来た。エルは、鳥が叩き落とされた様子を思い返して、外の皆は大丈夫だろうかと不安が込み上げた。
この森が肉食だとすると、自分は、このまま食べられてしまうのだろうか?
歩き回る危険について考えさせられたが、もし立ち止まっている間に、何者かが近づいて来て、みすみす喰われてしまうような事態になる方が怖い。またしても地面を覆う木の根の大きな凹凸に躓いてしまったが、エルは「立ち止まるもんかッ」と顔を上げた。
「~~~~ッというか、ホラー系とか断固拒否!」
急ぎ脱出方法を考えようとしたエルは――
不意に、何者かの意図で、自分がここに閉じ込められた可能性について思い至った。闇の中に立ち込めている肌に絡みつく空気や、湿った樹木と土の匂いには、どこか覚えがあるような気もする。
同時に、それは殺すためでも、捕食目的でもないと勘繰っている自分がいた。
忘れている記憶に関係している事だろうか……?
エルは訝しみつつも、どうやらココで死ぬ事はないらしいと、慎重に手足を動かせた。恐怖感や焦燥が薄れてくれたせいか、簡単に躓いて転ぶ事もなくなった。
先へ進むほど、懐かしい空気を覚えた。視覚以外の感覚を頼りに、エルは、その気配が強い方向へと進んだ。
不安定な足場は、しだいに幹かさえも分からないほど平らになっていった。エルは、自分が木々の中に出来た、ぽっかりと空いた暗闇の伽藍に立たされている様子を想像させられた。
何もない闇を見ながら、探るように歩く自分に既視感を覚えた。
「……『お姉ちゃん』?」
遠い昔、そう声を掛けながら闇の中を歩き、いつも同じ誰かの姿を探していたような気がする。上も下もない闇の中で、一緒に過ごしていた少女の面影が脳裏を過ぎった。
ああ、やはり俺は、この場所を知っている。
ここは、もう木々で閉ざされただけの場所ではないのだろう。思い出そうと深く考えると、失ってしまった遠い昔の記憶がそれを拒絶するように、頭の芯が鈍く痛んだ。とても、嫌な動悸も覚える。
その時、エルは、どこからか自分を呼ぶ声に気付いた。澄んだソプラノの声が暗闇に小さく響き渡っている。
――どこにいるの、ずっと探しているのに……
何者かのその声が、エルの脳裏に直接沁み込んだ瞬間、後頭部を押さえつけるような鈍い痛みと眩暈が、唐突に消え去った。明確になった思考で、「こっちよ」と近くから声を掛けられ、エルは反射的に振り返った。
――違うわ、こっちに来て。そっちは駄目よ……
同じ声が、先程とは逆方向から木霊した。気配を探ってみるが、生きた人間の意思はどこにも感じられなかった。
辺りを探りながら更に先へと進むと、次第に自分の手が見え始め、身体がはっきりと闇の中に鮮明に浮かび上がるようになった。一点の光さえもない空間で、自分の身体だけがはっきりと視認出来る現象は不思議でしかない。
その疑問について思案しようとしたエルは、ハッとして足を止めた。
まるで突如色でも加えられたように、二匹の人形が漆黒のベールを突き破って、エルのいる空間まで音もなく滑りこんで来た。それは栗色と白色の、二体のテディ・ベアだった。
二匹のテディ・ベアは闇の中を浮遊し、ふわふわと漂いながら、ギクリと硬直するエルの顔を覗きこんだ。
栗色のテディ・ベアには、瞳がなかった。その人形は穿った穴でじっとエルを凝視したかと思うと、途端に大粒の黒い涙をこぼし始めた。
『待っているのよ、ずっと……あなた、今、どこにいるの? 私を置いて行かないって、外に連れ出してくれるって、そう言ってくれたじゃない。あなたは、どうして、どこにもいないの?』
人形は黒い涙を流していたが、前触れもなく、壊れた玩具のように高笑いを始めた。
栗色のテディ・ベアの裂けた大きな口の向こうに、歪んだ禍々しい闇が蠢いていた。鼓膜の奥まで貫くような狂った笑い声は、こちらの声を理解する事も出来ないだろうと察するような狂気を発しながら、空間中に反響して。
理性のない甲高い笑い声が、恐ろしい象徴のように聞こえた。
出来る事なら耳を塞いで目も閉じてしまいたかったが、それが出来ないのは、きっと、エルが誰よりも声の主をよく知っているせいかもしれない。何も思い出せてはいないが、恐らく自分は、『彼女』がここまで狂ってしまった事が、ショックでならないのだとは魂で理解していた。
脳を激しく揺さぶる笑い声に、幼い頃失ってしまった多くの記憶をぐちゃぐちゃに引き出されるような感覚が込み上げ、吐き気が込み上げた。
ブルーの瞳を持った白いテディ・ベアが、自由にならない身体を懸命に動かすように身体を震わせ、エルの鼻先に滑り込んだ。狂ったように笑い続ける栗色のテディ・ベアがその人形の向こうに隠れてしまい、エルは、半ば助かったと思いながら見つめ返した。
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