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第4話 「運命の胎動」
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ギルバート「分からない...だと?」
ギルバート「いいや、俺には...」
ギルバート「解るッ!」
ジーク「ッ!!!!」
ジークはその迫真に迫るその顔を見て、一瞬で理解した。
ーこの男も、過去に"大切な人"を失っているー!
ギルバート「あんたの復讐を...止める気は無い。」
ギルバート「俺に口出しする権利はないからな...」
ギルバート「だが!俺にもその気持ちはよくわかる!」
ギルバート「だから!俺たち能力者がすべきことは!もうこれ以上、俺たちみたいな、"大切なものを失う人"を、作らないことじゃないのか!!?」
ジーク「...!」
なんてことだ。この男は、大切な人を失ったその感情を、復讐ではなく、「もうこれ以上自分の二の舞を作らない」ことに向けていた。余程その人から、"遺志"を伝えられたのか、ジークは驚きを隠せなかった。
暫しの静寂。張り詰めた空気の中、その空気を初めて緩めたのはジークの方からだった。
ジーク「......」
ジーク「....ああ。そうだな。あんたのいう通りだ。」
ジーク「なんか...すまない。熱くなっちまって。」
ギルバート「いや...いいんだ。俺もなんか、いろいろ、言っちゃって...ハハ...すまねえ。」
ジーク「...アンタの思いは確かに心に響いた。」
ギルバート「....ってことは...」
ジーク「...俺も、アンタについていくぜ。」
ギルバート「よっしゃあ!」
ジーク「改めて、よろしくな。ギル。」
ギルバート「ああ!よろしく!ジーク!」
意気投合する2人。ここから、ようやく、かの7人を集める旅が始まった。
夜が明けて、ジーク達は、これからどうするかについて話し合った。
ジーク「...で、能力者のアテなんてあるのか?」
ジーク「というか、たまたま街にいた俺と出会うなんて、運が良すぎないか?」
ギルバート「ま、これも"運命"の出会いなんじゃねーの?」
ギルバート「そうそう、能力者のアテだが、一つだけあるんだ。」
ジーク「それは?」
ギルバート「俺の故国....その近くにある研究所。そこに眠る"サイボーグ"だ。」
ジーク「そりゃまた話が飛躍したな。」
ギルバート「あったりまえだろ!俺たち、能力者だぞ!?既に人間として飛躍してるぞ!」
ジーク「あっ...そういや、ギルの能力ってどんななんだ?」
ギルバート「ああー、それか。まあ、戦闘中にならいやでも目に入るから楽しみにしておきな。」
ジークにとって違和感しかなかった。ギルバートは、「武装を全く所持していなかった」のだ。
ジーク「ま、その時に見せてもらうさ。」
ギルバート「話を戻すぜ。そのサイボーグだが、俺も一度だけ、接触を試みた事がある。
」
ジーク「そうなのか?」
ギルバート「昔の話だけどな。その時の俺は傭兵だったんだが、研究所の手前で、ロボットの守兵に壊滅寸前になるまで追い詰められたんだ。」
ジーク「そんな危ないところなのか?研究所なのに?」
ギルバート「そう。それがミソだ。そこまでして、そのサイボーグを守りたい理由、分かるな?」
ジーク「サイボーグに特別な"何か"があるー。」
ギルバート「そういうこと。つまり能力者である可能性が高い。」
ギルバート「その時の依頼人だったが...確か、「イージス」とかいう組織で...」
ジーク「おいおい!あの「A.E.G.I.S」が頼んだってのか?」
ジーク「あの組織、俺も所属してるんだ。」
ギルバート「そうなのか!?」
ジーク「ギルもまた折を見て、加入するといい。悪魔狩りの任務、ーーあれで結構食えるぞ。」
ギルバート「そ、そうなのか...」
ギルバート「んじゃあ、行くか!」
ジーク「ああ。」
ジーク達はギルバートの案内で、ギルバートの故国へと向かった。聖都の方は復興が始まったが、まだ飛行機も飛んでおらず、隣町の空港から行くしかなかった。
ギルバート「こーなることはわかってたけどよ...。」
ギルバート「本当に徒歩でこの森抜け出せるのか???もうクタクタなんだけど...」
ジーク「世界を救うって話はどこに行ったんだよ...」
その時だった。大勢の悪魔達が森の中で出現した。
ギルバート「ーー容赦無くお出まし、ってか?」
ジーク「...いくぞ。ギル。アンタの力、見せてもらうぜ。」
ギルバート「おうよ!いくぜ!!」
ギルバート「幻銃!!」
ギルバートがそう叫ぶと、ギルバートの両手に青い光が集う。その光はみるみるうちに、"銃"ーUZIと呼ばれるサブマシンガンーを二丁ずつ、両手に出現させた。
ジークは手品のようなその一連の動きに驚いた。
ジーク「それがギルの能力...」
ギルバート「ああ!ま、簡単に言えば、"物を生成する能力"かな。」
ギルバート「俺は銃しか"知らねえ"から、銃系統のものしか出ないんだけどよ。」
知る、とか知らない、とかなんの話だ?とジークが思った瞬間ーー。
しびれを切らした悪魔が襲いかかってきた。ーーが。
ギルバートが素早く両手のサブマシンガンを構え、発射した。その弾丸は悪魔の頭を見事撃ち抜いた。
ギルバート「よっし、今日も問題ナシ!」
ジーク「腕は確かみたいだな。」
ギルバート「おうよ、元軍人舐めんな!」
ギルバートが悪魔の群れに突撃し、弾丸をばらまく。その弾丸はまぐれではなく、悪魔一体一体に確実に当てていく。
ジーク「...俺も、負けてられないな!」
ジークも能力を発動する。
手に入れたばかりのその力。集中力を高め、全神経を左目に集中させる。
ジーク(やれるか...!?)
ーその瞬間、一つのイメージ、能力の名が頭をよぎった。
"奴"がーー確か、気を失う間際、こう言っていたような気がするーー。
その名はー。
ジーク「邪眼!!!」
to be continued...
ギルバート「いいや、俺には...」
ギルバート「解るッ!」
ジーク「ッ!!!!」
ジークはその迫真に迫るその顔を見て、一瞬で理解した。
ーこの男も、過去に"大切な人"を失っているー!
ギルバート「あんたの復讐を...止める気は無い。」
ギルバート「俺に口出しする権利はないからな...」
ギルバート「だが!俺にもその気持ちはよくわかる!」
ギルバート「だから!俺たち能力者がすべきことは!もうこれ以上、俺たちみたいな、"大切なものを失う人"を、作らないことじゃないのか!!?」
ジーク「...!」
なんてことだ。この男は、大切な人を失ったその感情を、復讐ではなく、「もうこれ以上自分の二の舞を作らない」ことに向けていた。余程その人から、"遺志"を伝えられたのか、ジークは驚きを隠せなかった。
暫しの静寂。張り詰めた空気の中、その空気を初めて緩めたのはジークの方からだった。
ジーク「......」
ジーク「....ああ。そうだな。あんたのいう通りだ。」
ジーク「なんか...すまない。熱くなっちまって。」
ギルバート「いや...いいんだ。俺もなんか、いろいろ、言っちゃって...ハハ...すまねえ。」
ジーク「...アンタの思いは確かに心に響いた。」
ギルバート「....ってことは...」
ジーク「...俺も、アンタについていくぜ。」
ギルバート「よっしゃあ!」
ジーク「改めて、よろしくな。ギル。」
ギルバート「ああ!よろしく!ジーク!」
意気投合する2人。ここから、ようやく、かの7人を集める旅が始まった。
夜が明けて、ジーク達は、これからどうするかについて話し合った。
ジーク「...で、能力者のアテなんてあるのか?」
ジーク「というか、たまたま街にいた俺と出会うなんて、運が良すぎないか?」
ギルバート「ま、これも"運命"の出会いなんじゃねーの?」
ギルバート「そうそう、能力者のアテだが、一つだけあるんだ。」
ジーク「それは?」
ギルバート「俺の故国....その近くにある研究所。そこに眠る"サイボーグ"だ。」
ジーク「そりゃまた話が飛躍したな。」
ギルバート「あったりまえだろ!俺たち、能力者だぞ!?既に人間として飛躍してるぞ!」
ジーク「あっ...そういや、ギルの能力ってどんななんだ?」
ギルバート「ああー、それか。まあ、戦闘中にならいやでも目に入るから楽しみにしておきな。」
ジークにとって違和感しかなかった。ギルバートは、「武装を全く所持していなかった」のだ。
ジーク「ま、その時に見せてもらうさ。」
ギルバート「話を戻すぜ。そのサイボーグだが、俺も一度だけ、接触を試みた事がある。
」
ジーク「そうなのか?」
ギルバート「昔の話だけどな。その時の俺は傭兵だったんだが、研究所の手前で、ロボットの守兵に壊滅寸前になるまで追い詰められたんだ。」
ジーク「そんな危ないところなのか?研究所なのに?」
ギルバート「そう。それがミソだ。そこまでして、そのサイボーグを守りたい理由、分かるな?」
ジーク「サイボーグに特別な"何か"があるー。」
ギルバート「そういうこと。つまり能力者である可能性が高い。」
ギルバート「その時の依頼人だったが...確か、「イージス」とかいう組織で...」
ジーク「おいおい!あの「A.E.G.I.S」が頼んだってのか?」
ジーク「あの組織、俺も所属してるんだ。」
ギルバート「そうなのか!?」
ジーク「ギルもまた折を見て、加入するといい。悪魔狩りの任務、ーーあれで結構食えるぞ。」
ギルバート「そ、そうなのか...」
ギルバート「んじゃあ、行くか!」
ジーク「ああ。」
ジーク達はギルバートの案内で、ギルバートの故国へと向かった。聖都の方は復興が始まったが、まだ飛行機も飛んでおらず、隣町の空港から行くしかなかった。
ギルバート「こーなることはわかってたけどよ...。」
ギルバート「本当に徒歩でこの森抜け出せるのか???もうクタクタなんだけど...」
ジーク「世界を救うって話はどこに行ったんだよ...」
その時だった。大勢の悪魔達が森の中で出現した。
ギルバート「ーー容赦無くお出まし、ってか?」
ジーク「...いくぞ。ギル。アンタの力、見せてもらうぜ。」
ギルバート「おうよ!いくぜ!!」
ギルバート「幻銃!!」
ギルバートがそう叫ぶと、ギルバートの両手に青い光が集う。その光はみるみるうちに、"銃"ーUZIと呼ばれるサブマシンガンーを二丁ずつ、両手に出現させた。
ジークは手品のようなその一連の動きに驚いた。
ジーク「それがギルの能力...」
ギルバート「ああ!ま、簡単に言えば、"物を生成する能力"かな。」
ギルバート「俺は銃しか"知らねえ"から、銃系統のものしか出ないんだけどよ。」
知る、とか知らない、とかなんの話だ?とジークが思った瞬間ーー。
しびれを切らした悪魔が襲いかかってきた。ーーが。
ギルバートが素早く両手のサブマシンガンを構え、発射した。その弾丸は悪魔の頭を見事撃ち抜いた。
ギルバート「よっし、今日も問題ナシ!」
ジーク「腕は確かみたいだな。」
ギルバート「おうよ、元軍人舐めんな!」
ギルバートが悪魔の群れに突撃し、弾丸をばらまく。その弾丸はまぐれではなく、悪魔一体一体に確実に当てていく。
ジーク「...俺も、負けてられないな!」
ジークも能力を発動する。
手に入れたばかりのその力。集中力を高め、全神経を左目に集中させる。
ジーク(やれるか...!?)
ーその瞬間、一つのイメージ、能力の名が頭をよぎった。
"奴"がーー確か、気を失う間際、こう言っていたような気がするーー。
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