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28 鳴く毛玉
しおりを挟む私は三度、薔薇園の裏の茂みに来ている。
木の葉の隙間から日の光が差し込み、ジリジリと私の体を灼いてくるが、暑さに負ける訳にはいかない。
夏の盛りになれば、学園は長期の休みに入ってしまう。それまでに、ヒロインをなんとかしておきたい。
しかし、今回は良い毒薬を用意出来なかった。私が、なんとかくすね……用意出来たのは、お腹の音が、五分に一回三三七拍子の音頭で鳴り響くという、軽い呪いの薬のみである。これはこれで、人前には出づらくなる恥ずかしい呪いではあると思うのだが……。
お嬢様が、研究途中にお作りになられた物で、言うまでもなく失敗作なのだが、ひと舐めするだけで、お腹の音はドラム音ばりに大きく鳴り響くというほど、効き目はかなり高い。この薬を飲み、ビックリ人間コンテストに出れば優勝を狙えるだろう。さすがお嬢様。
だが、その効果の持続時間は一週間ほどと短い。さて、どうしたものか……。
今頃お嬢様は、水棲馬に乗り、水上を移動する訓練をなさっているだろう。そのことにより、私は時間が空いたので、ここへ来てみたのだが……。
ポツンと置かれたベンチの周りには、三毛の野良猫が一匹うろうろしているだけで、人影はない。
仕掛けるのならば、今がチャンスである。この薬でも、なにも仕掛けないよりかはマシかと思うが……。
しかし、どうせ仕掛けるのならば、もっと持続時間の長い毒薬の方が良いだろう。いくらドジっ娘ヒロインとは言え、一度草笛を吹いて恥ずかしい呪いにかかれば、それ以降は用心し、その後草笛を吹くことは躊躇してしまうようになるだろうし。
うーむ……やはり、今回はやめておくべきか。
踵を返して、とぼとぼと来た道を戻る。
すると、前方からふよふよと黄色い半透明の物体が、こちらに向かって来た。
また現れたな、妖精!
私は、ゆらりと尻尾を構える。
妖精の方も、私の姿を認めると、ゆらりと手の平を体の前に突き出し、魔法を打ち出すような構えを取る。
一触即発の空気の中、横合いから間延びした声がかけられた。
「喧嘩はダメだよー」
長い銀髪を風に揺らしながら、中性的な顔つきの少年が、茂みの奥からひょっこりと顔を出す。
やはり、フランも一緒にいたか……。こやつ、また授業をサボりおったな。
「仲良くねー」
と、言うフランの手には、分厚い本が持たれていたので、もしや自習でもするのかと思いきや、フランは本を芝生の上に置くと、それを枕にゴロンと寝転んだ。
寝るんかいっ!
ダメだ、こやつ……。一体、なんの為に魔法学園に来ているのだ。
その人間離れした、神秘的で儚げな風貌で誤魔化されているが、やっていることは「かーっ、ダリーな……。授業フケちまうか」と言って、気分で授業をサボる不良となんら変わりないぞ。
呆れてフランを睨んでいると、
「ンニャー!?」
と、慌てたような猫の鳴き声が聞こえて来た。
何事かと、鳴き声がした方を見ると、茂みの中から三毛の野良猫が飛び出して来た。続いて、それを追うように、茶色い野良猫も勢いよく飛び出して来る。
猫同士の喧嘩だろうか。
三毛猫が、助けを求めるように、寝転んでいるフランの体に縋る。
「んー?なにー?」
フランは、目を擦りながら起き上がり、怯えている三毛猫と威嚇する茶トラ猫を交互に見る。
「喧嘩はダメだよー」
本日、二回目の適当な仲裁の言葉を発して、二匹の間に立つ。
茶トラ猫は、気がおさまらないようで、しばらく威嚇していたが、フランが三毛猫の前をどかないのを見て、やがて諦めて去って行った。三毛猫は、安心したかのように、フランの足元でへたり込む。
「大丈夫?」
フランがそう笑いかけると、ニャーと弱々しい鳴き声を返した。
それを見ていた妖精が、しきりに首を傾げて、フランになにやら耳打ちをする。
「えー?そうなの?うーん、不思議だねー……。ねえ……君って本当に猫?」
じいっとフランに覗き込まれて、三毛猫は目を丸くした。
むっ?そういえば、この猫は妙な魔力をしているな。魔族が化けているとかではなさそうだが……。
「ンニャニャ……ニャーッ!」
三毛猫は、しばし逡巡する仕草を見せたが、まるでついて来いとでも言うように、チラチラとこちらを振り返りながら歩き出す。
興味本位で、フランと共にそれについて行ってみると、三毛猫はベンチの裏に回り込み、そこに広げられた水色の布の上にちょこんと座った。その布は、よく見れば女性のドレスだった。
なぜ、こんな所にドレスが……?
そう疑問に思っていると、三毛猫がドレスのポケット部分をちょいちょいと引っ掻いて、一枚の葉を取り出した。
ん……?んんっ?
フランが、その葉を拾い上げ、わずかに眉を寄せながら眺め見る。
「ニャー!ニャニャー!」
三毛猫が、なにかを訴えるように鳴く。しかし、急に鳴き止むと、モゾモゾと落ち着きなく体を動かし始めた。
「フニャニャ……ッ!」
三毛猫の体が、徐々に大きくなり、それと共に体中を覆っていた毛が引っ込んでいく。金茶色の毛が……いや、髪がふわりと伸びて風に舞い、全裸のヒロインが瞼を開く。
「ニャッ……キャアッ!」
フィオナは、慌てて水色のドレスを手繰り寄せて体を隠した。
猫が……ヒロインになった、だと……。
私は、フランと顔を見合す。
「うっ……ううっ……」
フィオナが、堪りかねたように嗚咽を漏らし、ポロポロと涙を零し始めた。
「大丈夫?」
フランが、自分のポケットからハンカチを取り出して、フィオナに渡す。
「あ、ありがとう……グスッ」
「なにがあったの?」
「それが、わからないんです。ある日突然、猫になるようになっちゃって……。最初は、その葉っぱで草笛を吹いていた時でした。それ以降、何度も……。なりたくないのに、急に猫になっちゃうから……もう私どうしたらいいのか……ううっ」
わっと、フィオナはハンカチで顔を覆う。
私とフランは、再度顔を見合わせる。そして、フランの手の中の葉に視線を移す。
いや……いやいやいや!違うよな!?だって、私がフィオナに盛ろうとしたのは、ただの毛だらけになる薬だしっ!猫になる薬ではないしっ。
ど、どういうことだ……。フランが、中途半端に浄化の魔法など使ったから、なんらかの異常な魔法反応が起きて、薬の作用が変わってしまったのか……?
妖精が、私を責めるようにジト目で見てくるが、いや私のせいじゃないし!多分……。そう、フランが悪いのだ!私は関係ない。
そろり、そろりと後ろに下がり、さり気なくこの場から退散しようとしたが、フランにひょいっと体を持ち上げられ、ガッチリ小脇に抱えられてしまった。
くっ……なにをする!私は関係ないってば!
「落ち着いてー。とりあえず、服を着たらどうかな?」
そう言って、フランがフィオナに背を向け、後ろ向きに立つと、彼女はグスグスと鼻を鳴らしながら、ゴソゴソとドレスや靴を身につけ始めた。ドレスを一人で着るのは、結構時間がかかるので、その間もフランはフィオナに話しかける。
「大変だったねー。この葉っぱで草笛を吹いた時に猫になっちゃったのなら、これになにか毒か呪いでもかけられていたのかもね」
おやぁ……?この神官見習い、すっとぼける気ですかなぁ?
まさか、つい先日の出来事を本当に忘れているとは思えないし……。私が葉になにやら細工をして、フランがそれに練習中で未習得の浄化魔法をかけようとして失敗して、その結果フィオナが今こんな状態になっているであろうことを、フランは彼女に正直に打ち明けるつもりはないようだ。
それでいいのか、神官見習い君よ。
まあ、私としても、その方が都合が良いのだが。
「毒……呪い……」
フィオナが、怯えて声を震わせる。
「大丈夫、命に関わるようなものではないと思うし。学園の先生に相談してみると良いよ。治す方法を見つけてくれるかも」
「そ、そうですね……そうしてみます」
「この葉っぱも持って行って、見せると良いよ」
「はい、ありがとうございます」
ドレスを着終えたフィオナが、葉を受け取る。
急いで着たせいか、かなり不恰好だ。髪も、ほとんどまとめられていない。裸よりはマシだが、淑女がこの格好で人前に出るのは、かなり恥ずかしいのでは……。
「あの……私の格好、大丈夫でしょうか……」
「大丈夫ー」
いや、全然大丈夫ではないぞ。フランよ、適当に返事をするな。もっとよく見ろ。
フィオナは、ちょこちょこと髪や服を整えながら、フランを窺い見る。
「うん、バッチリだよ」
いやいや、貴様の目は節穴か。
もしかしたら、フランは他人の服装に頓着しないタイプなのかもしれない。というか、興味がないのかもしれない。そういえば、妖精も変な服装をしているし……。
ダメだ、こやつら。フィオナよ、フランの言葉を間に受けない方が良いぞ。
しかし、フィオナはホッと息を吐き出して、格好を整えるのをやめた。
「じゃあ……行ってきます」
心細そげに瞳を揺らしながら、歩き出そうとするフィオナに、フランがニコリと微笑みかける。
「もし、一人で行くのが不安なようなら、僕達もついて行ってあげようか?」
うん?僕“達”……?フランと妖精のことかな?きっとそうだろう。
「本当ですか!」
ぱあっとフィオナは表情を明るくし、お願いしますとペコリと頭を下げる。
「良いよー。じゃあ、行こうか」
ズンズンと歩き出すフラン。
ちょっと待て……。私を持ったままだぞ。下ろさぬかっ。私は関係ないのだ!授業ももう終わる頃合いだし、お嬢様の元へ戻らねばならぬのだ!
ジタバタと精一杯暴れるが、フランの腕はビクともせず抜け出せない。
「あの、そのトカゲ……」
暴れる私に気がつき、フィオナが恐々とこちらを見てくる。
「うん、僕の友達」
貴様と友達になった覚えはなーい!
貴様は敵である!と、フランを見上げて牙を剥いて威嚇していると、フィオナがさらに恐怖の表情を浮かべて、私から少し距離を取った。
「怖くないから大丈夫だよー」
フランが、フィオナを安心させるように、私の頭を親しげに撫でてくる。
いや、貴様こそもっと怖がれ!
私は、遠慮なくその手にガブリと噛みついた。
「きゃっ!大丈夫ですか!?」
「うん、痛くないから平気」
そう言いつつ、フランは手を引き抜いて、私を両腕で胸の前に抱え直す。そして、私の耳に顔を近づけ、
「連帯責任……」
と、ボソリと呟いた。
こ、こやつ……やはり忘れた訳ではなかったのか。
ぐっ……お嬢様、申し訳ございません……っ。私は、敵に捕らわれてしまいました。
性悪の神官見習いと妖精が、私を無理矢理巻き込もうとするのです。ですが、私は必ずこやつらを打ち倒し、お嬢様の元へ舞い戻ってみせます!少々お待ちを!
「あっ、大人しくなったみたいですね」
「うん、話せばわかってくれるからねー」
「なにを話したんですか?」
「うーん……果たすべき義務?責任……ケジメ?とか?」
「ふふっ、なんですか、それ」
冗談だと思ったのか、フィオナは可笑しそうに笑みをこぼしたが、私は全然笑えない。
お、お嬢様ー!私は必ず戻りますから、もう大分お待ちを!ううっ……もしも、戻れなかったその時は、骨は拾ってください……!
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