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第13話

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「体育祭よ!」
紅羽ちゃんは机を強く叩くと、皆に聞こえるように宣言した。
「そうだな。憂鬱だ」
と俺は小説を片手に答えた。
「めんどいよな~」
「そうですわね」
ギャルと武道家も俺に続いた。
全く誰も体育祭を楽しみにしていなかった。学校で数少ないイベント事なのに、どうも好きになれない。俺の恥をなぜ皆にわざわざ見せなければいけないのだろう。体育祭を作った奴はメンタルトレーニングのつもりだろうか。

「ちがーう!」

バシンバシンと机を強く叩く。
お前はドンキーコングかお前は?

「何が違うんだ?体育祭なんて楽しみにしてるやつなんていないだろう」
「だからそういう話をしているんじゃないから。体育祭!体育祭よ!」
だから何がだ。本題を言えよ。
「お兄ちゃんをメロメロにさせるイベントよ!」
と紅羽ちゃんは言った。
ガタ。
ギャルと武道家が動いた。
「「話を聞こう」」
2人の先ほどのやる気のない雰囲気は何処へやら。
学人が絡むとコイツらはおかしくなりすぎだ。

「ふふ、よく聞きなさい!」
「ふんふん」
「お兄ちゃんと二人三脚するのよ!お兄ちゃんを独り占めできる。最高だと思わない」
「「そんな方法があったなんて…」」
お前ら馬鹿だろ。
と俺は思った。
「いい考えだと思わない」
「そうね、全校生徒の前で学人様を私のものということを知らしめることができるわけね」
「学人と二人三脚…じゅるり」
ダメだ。コイツらアホすぎる。誰かどうにかしないと。
「お前ら馬鹿だろ。二人三脚は1人しか学人と走れないぞ」
「「1人…」」
俺は思った。
あまりいうべきではなかったと。

バチバチ。

3人の目からビームらしきものが出てぶつかり始めた。交差するところからは火花が散っていた。

あ、また無駄な戦いが始まろうとしている。
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