｢俺の親友がモテ男で俺はその親友で｣

第14話

「勝負だな。俺も混ぜてもらおう」
と俺は立ち上がった。面白そうだ。
「あん？」
と紅羽ちゃんは反応した。
って、女の子がそんな言葉使っちゃダメ！
「何を戯れたことを言っているのこの犬は？」
犬！
武道家はいつもよりも汚い言葉を使っている。なぜそこまで怒る？
「寝言は寝て言ってもらえると助かるんですけど～」
とギャルは言った。

何でみんなそんな攻撃的なの。
そんな暴言の嵐など気にしない。それが俺だから。

「なんだ、学人が俺に取られるのが怖いのか？」
「「「はあ！？」」」
と3人はほぼ同時に反応を示した。
これこそ火に油を注ぐと言うのだろう。
「だってそうだろう。二人三脚は普通男は男と組んで、女子は女子で組むもんだろう」
「いつの話をしているの？今はそんなの関係ないけど」
と反論がくるが無視して話を続ける。
「そうでなくても、学人の親友である俺が一緒に走るのは当然のことだろうしな」
「そんなわけないじゃん。親友よりも妹である私が一緒に走るのが当然だから」
と紅羽ちゃんは言った。
「いや、許嫁である私が」
と武道家。
「そんな妄想の話は無視して、大親友である私が一番に決まってるから」
とギャルは言った。
（いつからお前は大親友になったんだ？）

「妹！」
「親友！」
「許嫁！」
「大親友！」

と半分嘘混じりの論争が始まった。

それを見ていた田中先生は「やれやれ」
と言った表情を浮かべていた。だがいつもの光景のため何も言わずに奥の部屋に消えていった。