愛されなかった君と愛したい僕

プロローグ

僕の名前はリアム・ルイ。
前世は日本の大学に通う大学生だった。大学からの帰り道酔っ払ったトラックの運転手に轢かれたところで記憶が途絶えた。次に目を覚ましたのは赤ちゃんになって綺麗な男性な腕の中で抱かれているところだった。
透明感のある白い肌に陽の光に当たりキラキラと輝く綺麗な白い髪。ぱっちりとした目には白い綺麗なまつ毛と吸い込まれてしまいそうな程の赤い綺麗な瞳。少しふっくらとしたほんのり赤い口元には貴やかな微笑みを浮かべながら僕を見つめている。
「リア、僕の可愛い息子」
そう慈愛のこもった声音で呟いて頬に触れるだけのキスをした。と同時に部屋の扉が開く音が聞こえた。視界に入るのはまた綺麗な男性だった。
「リアはどうだ？いい子にしてたか？」
「あら、貴方おかえりなさい」
そう声をかけられた男性は綺麗であったが格好良さもあった。
健康そうな少し焼けた肌色にきらきらと光る黒の髪。黒色の綺麗なまつ毛にぱっちりとキリッとした少し鋭い瞳。だがその瞳には確かに慈愛の色が見えた。そして薄く色付いた細い口元。きっと僕の容姿も綺麗なんだろうと断言出来るほど2人は綺麗だった。

それから数十年、社交界デビューを果たし公爵家の令息として王子殿下を親睦を深めた。また公爵家として剣術、魔法その他色々を教わってきた。そして来年15歳からは王立学園へ通う。この世界で生きてきて気づいたことがある。それはここが男しかおらず、dom/subユニバースの世界線であることだ。僕自身domではあるがこれはきっと両親からの遺伝だろう。父と母はdomとdomよりのswitchだったのだから。