聖女の娘なのに結界も張れないお前は必要ないと追放され婚約破棄されました。私は最強聖女になり元家族元婚約者は私に助けを求めてきますがもう遅い

１話 妹は自分を中心に世界が回っていると思っているようです

　「お姉様って、ヘルトル男爵家に必要ないんじゃないかしら」
　言われても仕方のない事です。
本当の事なのですから。
　「必要ないわね」
　本当に私はヘルトル男爵家に必要ありません。
認めるしかありません。一切否定できません。
　「お姉様のような無駄飯ぐらい、ヘルトル家から追放しても困らないわよ」
そうですね。私も追放された方がいいような気がしてきました。
　「困らないでしょうし、私は無駄飯ぐらいよ」
　本当に私は無駄飯ぐらいなのです。
私はいつまで無駄飯ぐらいなのでしょう。
　「お姉様ったら、ヘルトル男爵家長女なのに結界もまともに張れないなんて恥ずかしくないのかしら」
　恥ずかしいです。情けないです。
結界を張りたくていつも努力しているのですが、結界もまともに張れません。
今も結界の訓練をしているのですが、妹は邪魔してきます。
　「今日も結界の訓練をしてるふりをしてたのでしょう」
　ふりではありません。訓練しているのです。邪魔しないで下さい。
　「そう、そう見えるのならそう思ってくれて構わないわ」
　こんな馬鹿にどう思われても構いません。
　こんな馬鹿と話す事が時間の無駄なのです。
私は結界もまともに張れませんが馬鹿ではないので、努力を続けます。
　「何よ、本当の事でしょう」
　いいえ、違います。貴女は間違っています。
貴女みたいな馬鹿な妹の姉として生まれた事が間違いであって欲しい事実です。
私のように結界もまともに張れない姉を持った事も貴女にとって間違いであって欲しい事実なのでしょうけれど、
どう思っても事実は変わりません。
事実からいくら逃げても願望通りには変わりませんよ。
　「はぁー。そうやって我儘を言えば、事実も貴女の願望通りになろうと思っているのね。事実は貴女の願望通りにはならなないわよ
。甘やかされて育ったから甘々甘子ちゃんに育ったのかしら」
　「うるさいっ！黙りなさい」
　やれやれ、妹は事実を指摘されて逆ぎれですか。
　「いいえ、黙らないわ。黙りなさいと言えば皆が黙ってくれるとでも思ってるのかしら。世界は貴女を中心に回っているわけじゃないわ」
　本当に、この馬鹿は自分を中心に世界が回っていると思っているのでしょうね。
恥ずかしいです。これが私の妹ですか。
チェンジリングして下さい。