聖女の娘なのに結界も張れないお前は必要ないと追放され婚約破棄されました。私は最強聖女になり元家族元婚約者は私に助けを求めてきますがもう遅い

３話 「そう、そこまで言うのなら私を殺してみなさいよ。まさかそれだけ好き放題喚いておいて今更やっぱりなかった事になんて言わないわよね」

　「はぁー、そんな事も分からないのね馬鹿は」
　わざわざ本当の事を教えてあげる必要もありません。
ヘルトル男爵家領は私が一人で護ってるも同然なのですが、なんでそんな当然の事実がわからないのでしょうか。
　「はぁー！？何よお姉様！！イリスが馬鹿だって言うの！！」
　え？なんで怒ってるのでしょうこの馬鹿は。
馬鹿に馬鹿と言っただけなのに、それで怒るなんて。
馬鹿と言われたくなければ馬鹿と言われないようにすればいいのに。
そうやって馬鹿のままでも言われなければそれでいいのでしょうか。
でもそれって、用は馬鹿のままですよね。
イリスのような馬鹿は、それで良いのでしょう。
言われなければ、それで良いのでしょう。
心底見下しますそういう人間は。
　「ええ、言ったわよ。貴女は馬鹿なのだから馬鹿馬鹿馬鹿。
私嘘言ったかしら。言ってないわよね。事実しか言ってないわよね。
嘘を言ってたら罰を受けるわよ。
でも、言ってないわよね」
　私は事実しか喋っていません。
私は事実しか喋りません。
　「嘘よ！！イリス馬鹿じゃないもん！！容姿だってイリスは９８点だもん！！
“容姿６２点の女イリス”なんて称号嘘だもん！！
イリスは容姿９８点な上に賢くて優秀な聖女だもん！！
謝ってよ！！嘘でイリスを侮辱した罰で死んでよお姉様！！
お姉様なんてヘルトル男爵家に必要ないわ！！
死んで！！今すぐ死んで！！」
　はぁ、イリスはそこまで馬鹿なのですか。
悲しくなるほどに馬鹿ですね。
いいでしょう。そこまで言うのなら、もうその発言取り消せませんよ。
　「そう、そこまで言うのなら私を殺してみなさいよ。
まさかそれだけ好き放題喚いておいて今更やっぱりなかった事になんて言わないわよね。
貴女も一応はヘルトル男爵家令嬢なのですから、自身の発言の責任ぐらいとって下さいね」