クールな経営者は不器用に溺愛する 〜ツンデレ社長とWワーク女子〜

瀬崎由美

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第三十話・Rシーン

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 無地のネイビーのカバーが付けられた掛け布団を足で退かして、ベッドの上に私の身体をぽすんと横たえる。軽々と私を運び込んだ後、柊人さんは私の上に覆い被さってくる。彼が移動する度、マットがギシギシと小さく鳴った。
 落ち着いた色合いで統一された家具や寝具。壁面の本棚には法律や経営に関するビジネス書が並んでいる。なんとなく彼らしい部屋だなと思った。無駄な装飾のない実用主義な空間なのに、なぜか落ち着く。

 柊人さんは何も言わず、ベッドの上で黙って私の身体をギュッと両腕で抱き締めてくる。言葉は無くてもそれだけで、彼が離したくないと考えてくれているのが伝わってきて、私も彼の背へ腕を回して応える。
 しばらく強く抱き締め合った後、彼の唇が額へと触れてくる。啄むような軽い口付けがさっきの涙の跡を労わりつつ優しく私の顔の上へ落とされていく。

 私は彼の背から離した手を伸ばし、柊人さんの前髪へと触れる。休日の今日は何の整髪剤も付けていないのか、癖のない真っ直ぐな髪がさらさらと指の間をすり抜けていく。

「こないだの、おでこを出した髪型も好きです」

 普段は無造作に下ろしているけれど、パーティーの時は後ろに流していたから彼の表情がまだ分かりやすかった気がする。でも普段の方が少し若く見えるかもしれない。そう言って揶揄うと、柊人さんは不服そうに顔を顰めた。年下から若く見えると言われても嬉しくないんだろうか。同じように私の前髪をぐいっと片手で持ち上げて、露わになった額を舌でぺろりと舐めてくる。

「――⁉」

 普段は前髪で半分隠れている部分まで見られるのは思った以上に恥ずかしい。私は慌てて両手を顔の前でぶんぶん振って抵抗する。彼を揶揄えば倍になって仕返しされることを身をもって気付かされた。笑いながら「許して」と謝る私に、柊人さんは呆れ笑いを浮かべながら耳元に顔を近付けて囁いてくる。耳に残る甘くて低い声。

「今日は我慢しないから」

 それには黙って頷き返し、私は両手を伸ばして彼の顔を捕まえる。そして、さっき甘い言葉を囁いてきた口へと自分の唇を近付けていく。重なり合う唇が二度三度離れたり触れ合ったりを繰り返す。柊人さんのわずかに開いた唇から熱い舌が出てきて、私の口の中へと入り込んでくる。それは口腔内を自在に動き回り、私の舌を見つけると容赦なく舐め回し絡み始める。直に感じる彼の体温と共に、熱い吐息が吹きかかる。

「はふぅ……」

 彼の唇が離れた隙に、私は大きく息を吐き出す。激しい口付けにあまりにも夢中になりすぎて、息をするのを忘れてしまっていたのか途中から意識が朦朧としかけていた。顔が離れた後も、恍惚とした表情のまま私は柊人さんの瞳を目で追う。きっとこの時の私はとても物欲しそうな顔をしていたのかもしれない。柊人さんは短く小さく笑った後、私の首筋に舌先を這わせてきた。

「んんっ……!」

 不意打ちで無防備な場所を攻めるように舐められて、私の身体がビクっと震える。彼の手はブラウスの裾を掴んで布地を胸まで捲り上げる。すでにリビングでホックを外されて下着の役割をまともに果たしてはいなかったブラジャーも一緒にたくし上げられると、二つの乳房は寝室の照明の下に晒されてしまった。私が恥ずかしさで身体を捻じって胸を隠そうとすれば、柊人さんの顔と手が胸に伸びてきてその動きを阻止する。左の胸を手で揉まれ、反対の胸は乳輪ごと咥えられ、口の中で舌先を使って先端を舐めて転がされる。荒くなった彼の息が乳房にかかり、乳首を唇で強く吸われると身体の奥深いところがじわっと熱を持ち始める。手の平からはみ出し、その弾力を持て余しながら揺れる左胸。その頂が指先でキュッと摘ままれると、思わず私の口から淫猥な声が漏れ出た。

「あぁんっ」

 ショーツの中がさらに熱くなり、滑り始めるのを感じた。柊人さんの肩に添えた手に力を入れて訴えてみせると、左の胸から手が離される。そしてその手は私のボトムへと差し入れられ、ショーツの中の脚の間を探索し始めた。そのじらすような手付きがまどろっこしくて、私は両脚を閉じて抵抗してみる。けれど易々と反対の手で邪魔をされた上、彼の足で開いた状態で固定されてしまった。
 彼の手はショーツの中を動き回り、私がすでに十分濡れているのを確かめた後、花蕾を指先でゆっくり揺らし始める。軽く圧しながらクネクネと左右に指を動かされる度、小さな刺激が私を襲った。無意識に短い喘ぎ声が口から出て、身体の奥深いところから蜜が溢れ出す。

「あ、あ、ああんっ」

 私の全ての意識が彼の指の動きに集中して、それが繰り出す快感に見悶えて啼き声を上げる。自然と腰が動き、時には抗うおうと身体を反り返す。私のその反応を柊人さんがどんな風に見ていたかなんて、確かめる余裕なんてなかった。熟して膨らんだ蕾が限界を迎え、全身を強い電流がビリビリと走る。「ふぅんっ!」と息を止めて激しく絶頂に達すると、私は柊人さんの手を掴みながら涙目で首を横に振って乞う。これ以上責められたら、自分が自分じゃなくなってしまいそうだった。
 ショーツから手を抜き出してくれた柊人さんは、私の身体を静かに抱き締めてくれる。私は彼の胸にしがみ付いたまま、官能の余韻が冷めるのを待った。
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