ネカフェ難民してたら鬼上司に拾われました

瀬崎由美

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第二十五話・Rシーン

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 穂香の下唇を川岸は食むように引っ張って、その口を強制的に開かせる。そして口腔へ忍び込ませた舌で穂香の舌を探し出して絡めてくる。捕らえられた舌が強めに吸い上げられるのを穂香は吐息を漏らしながら受け入れた。腕を回して彼の首にしがみつきながら、息をする隙がないほど求められていることにじんわりと嬉しさを感じる。傍にいるのに触れ合うことができなかった期間が長すぎて、互いに必死で相手を求め合う。背中に回された腕の強さに、彼も同じ思いでいてくれたんだと改めて知りホッとする。

「……んんっ」

 川岸が唇を離し、その舌で首筋をゆっくり沿うと穂香は思わず短い声を上げる。こんな風に濃密に触れ合うのは久しぶりで、彼が刺激してくる箇所全てが過剰なくらい反応していく。穂香の身体をソファーの上に押し倒すと、川岸はそのTシャツをぐいっと捲り上げる。いつもの彼ならもっとそっとするのにと驚いて顔を覗き込むと、川岸は照れたような表情で笑い返してくる。

「ごめん、我慢の限界。ずっと穂香不足だったから」

 背中へ回された手でブラジャーのホックが外されたと同時に、川岸の手の平が穂香の胸を包み込んで揺らし始める。左胸への優しい愛撫とは反対に、右の乳房へと川岸の口が強く吸い付いてくる。口の中で転がすように舌先で触れてくる乳首への刺激に穂香は腰をビクつかせた。肌にかかる川岸の荒い息遣い。少し急いているように穂香のことを求めてくる、こんな荒々しい手付きは初めてだ。仕事中はあまり感情を見せない彼が自分に触れながらこんなにも余裕のない姿をさらけ出してくれている。ただそれだけで穂香の下腹部がじわっと熱くなる。

「はぁんっ……隼人さんっ」

 乳輪を撫で回すように舌を動かし続ける川岸の頭を、穂香はさらにキュッと強く抱き抱える。整髪料を何もつけていない柔らかな髪から、彼の愛用するシャンプーの香りがふんわりと漂ってきた。シャワーを浴びたばかりだから強く感じるその香りは結構好きだ。

 左の胸から離れたと思った手が、穂香が部屋着にしているハーフパンツの中へするりと侵入してくる。下着の上を滑らせて足の付け根周辺を撫で始めた川岸が、足の間に触れてから小さく驚いた声を出し、穂香の顔を覗き込む。口の端を上げた少し意地悪な表情で、穂香が嫌がるのが分かっていてあえて聞いてくる。

「もう、こんなに?」
「だから、そういうことは言わないで……」
「ごめん、穂香の反応があまりにも可愛いくて」

 ぐっしょりと湿った感触に嬉しそうな笑みを浮かべながら、川岸はその指をショーツの股下から忍び込ませる。もうここまで濡れていては後で履き替えるしかないのは穂香も自覚していたがまだ脱がせてはもらえないらしい。さらに湿り気を増していく下着の感触に恥ずかしさを覚えずにはいられない。でも、彼に触れられる度に蜜が溢れていくのだから仕方ない。

 川岸はじらすように蜜口へと少しずつ指を這わせていく。無意識ながらも穂香の腰が求めるように自然と揺れる。もっと強く彼に触れて欲しいという穂香の願いが通じたのか、川岸はショーツごと穂香のボトムを引っぱり下ろして脱がせる。そして、指先で花弁の中にたっぷりとしみ出ている蜜をゆっくりかき混ぜる。ぐちゅぐちゅという淫猥な音が耳に届き、穂香は恥ずかしくて顔を赤らめた。
 しばらくは周辺を確かめるように動いていた指が、すでに熱を帯びて膨れ上がった花蕾を見つけ、それに集中して撫で始める。潰さないギリギリの強さで押して揺らされ、蕾から身体中に向けて強い快感が走る。

「あんっ……」

 過敏な場所を容赦なく攻められ続けて、穂香の口から思わず声が漏れた。驚くほど甘い喘ぎに、穂香は自分の手で口元を塞ぐ。今までよりも少し意地悪な川岸の愛撫。その激しい刺激にどうしても声が出てしまう。我慢しようと閉じていた唇の上に、わざと邪魔するように川岸の唇が重なってくる。川岸の舌が口腔に侵入してくると、穂香はそれを吸うように咥えてゆっくりと前後に唇を動かした。
 彼の舌を咥えながらも、花蕾に与えられる快感で嗚咽に似た声がつい喉から漏れてしまう。

 彼の指が花蕾の周辺をくるりと撫で、またその頂に戻って来た時、穂香はもう無理だと唇を離した。彼の愛撫の刺激に唇を重ねている余裕すらない。背をのけ反らせて耐えようとするが、身体中に走る鋭い刺激は穂香を捕らえて離さない。ずっと指先で円を描くように花蕾とその周りを弄っていた川岸が、二本の指でキュッと蕾の先端を摘まみ上げてくる。急に全く別の刺激に襲われて、穂香は身体を反射的にビクつかせた。

「んんっ……!」

 指先で擦るように触れられて、穂香は川岸の背中に腕を回し、その襲ってくる快感に耐えられないと足をピンと伸ばし、彼のシャツの背を強く握りしめる。彼の身体の熱を感じながらビクビクと痙攣させて達してしまった穂香を、川岸も抱き締め返してくる。そして、耳元へ愛おしいとでも伝えるかのように優しく口付けてきた。

「ぁん……」

 一度絶頂へと達したことで、まるで全身が性感帯になったかのように、過敏になっている。耳へのキスでソファーカバーへ浸み出てしまいそうなほど蜜がお尻へと垂れるのを感じ慌てて起き上がろうとするが、川岸に両足を抑え込まれる。穂香の脚を左右に大きく開いて間に入り込んで顔を埋めた彼は、溢れるように流れる蜜を舌先でゆっくり丁寧に舐め取っていく。まだ熱の冷めきらない蕾へと彼の舌が触れる度、穂香は身体を震わせた。
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