ネカフェ難民してたら鬼上司に拾われました

瀬崎由美

文字の大きさ
38 / 47

第三十七話・Rシーン

しおりを挟む
 川岸の寝室に入ると穂香は彼の身体を押してベッドに横になるよう促し、彼の身体の上へと覆いかぶさる。何をするつもりなのかと驚きと期待に満ちた目をする川岸に、穂香はゆっくりと口付けていく。頬や耳たぶ、首筋へと順に唇を添わせた後、彼の顎にもキスする。そこまで濃くない顎髭も少し伸びていたのか、唇が触れたらチクりとした。
 されるがままの川岸は口元を緩めて笑みを浮かべながら、穂香の動作を静かに見守っている。穂香が彼のカットソーをたくし上げようとすると、自分からそっと脱いで続きを促してくる。

 明るい室内でさらけ出された川岸の上半身。穂香は彼の胸元にキスを落としてから、その胸の先を舌で舐める。小刻みに舌先を動かして刺激すると、「くすぐったい」と川岸が笑いながら穂香の頬に手で触れた。思っていたのとは違う反応に、穂香は少しがっかりしつつ彼の胸から顔を離し、彼の脚の間へと手を移動させる。
 すでに硬くなったそれに驚きを隠せず、穂香が顔を上げると川岸は黙って照れ笑いを浮かべていた。ゆっくりと形に添って撫でていく穂香の手の動きに、時折川岸は短い声を漏らす。ボトムの中でパンパンに膨れ上がったそれは、穂香が触れる度にどんどん硬さを増していく。

「んっ……穂香っ!」

 官能的な声で名前を呼ばれて、穂香の子宮がきゅんと反応してしまう。身体の奥から熱い蜜が溢れ出し始めているのを感じ、穂香は川岸のボトムへ手をかけてボタンとファスナーを下そうとする。

「それくらいは、自分で……」

 色気全開の吐息混じりに彼がそう言って服を脱ぎ始める横で、穂香も部屋着を脱ぎ捨てる。そして、電気を消そうとベッドから下りようとしたところを、川岸の腕に抱き寄せられて邪魔されてしまった。キュッと後ろから抱き締められて、耳元で囁かれる甘い声はどこか不安そうだ。

「穂香からしてくれるのは嬉しいけど、今日は俺にさせて。他の男が触れようとしたところ、全部上書きしたい」
「べ、別に直接触れられたわけじゃ……」
「それでも、穂香の全部が俺のものだって、ちゃんと確認したいから」

 川岸の子供じみた理屈を愛おしいと感じながら、穂香はベッドに横たわり、胸間に顔を埋めている彼の頭に手を伸ばし、その髪を撫でる。何か整髪剤をつけているのかゴワついた髪が穂香の乳房の上で揺れる。

「ああんっ……!」

 乳輪ごと口に含み舌先で先端をコロコロと転がされて、穂香の腰が無意識に動く。左胸は指先で頂をクネクネと弄ばれ、反対の乳房は口で吸われながら舌で翻弄されていた。左右で全く違う刺激を受けて、穂香は頭が混乱してしまいそうになる。

 乳房を弄んだ彼の口は優しいキスを繰り返しながら下腹部へと移動していく。脚の付け根に彼の唇を感じた後、穂香は両脚を広く開かれ、その間で彼の熱い息遣いを感じた。溢れ出す蜜を掬うように彼の舌が秘部を舐めとる度に、淫猥な声が漏れる。

「相変わらず、いくらでも湧き出てくるな」

 指でクチュクチュと蜜を掻き回して、川岸が呆れるように言う。その声があまりにも嬉しそうで、穂香にも聞かせるようにワザと水音を立てさせているのが分かった。その揶揄いに穂香はむぅっと頬を膨らませてみせるが、彼の指が蕾の先端に触れてきたことで一気に余裕が消え去ってしまう。

「はぁん」

 指の先でゆっくりと撫で回される花蕾に穂香は腰をビクつかせる。周辺を探るように撫で回された後、不意に訪れる蕾への強い刺激。けれど、穂香が感じて喘ぐ度に、川岸の指は違うところへ移動してしまう。蕾の周りにぐるりと指を添わせて蜜をたっぷり塗ってから、また先端へと快楽を与えに戻ってくる。もっとちゃんと触れて欲しいのにじらすような触り方だ。穂香は拗ねた声を上げる。

「もうっ、意地悪……」

 穂香のクレームに、川岸は目を細めて笑って返してくる。穂香がどこが一番感じるかが分かっているからこそ、ワザと外して触れているのだ。
 川岸は「ごめんごめん」と口先だけで軽く謝ってくると、穂香の脚の間に顔を埋めて舌先で蕾を舐め始める。急にピンポイントで刺激されて、穂香は「ふぅん」と鼻から息を漏らす。花蕾ごと口に含まれ舌先で転がされると意識が遠のきそうなくらいの刺激が身体の中を走っていった。

「ああんっ……それは、ダメぇ……」

 ビクビクと蜜道の奥深いところが痙攣する。シーツを握りしめていた手を小刻みに震わせながら、穂香は恋人の名を口にする。

「は、隼人さぁん……」

 くったりとベッドで力尽きている穂香のことを、川岸は愛おしいとでもいうかのように、優しく見つめていた。今日はじらすのが長かったせいで、普段よりも刺激を強く感じてしまったのかもしれない。でもまだ彼の全部は感じていないと、穂香は川岸を見上げて、甘えた声でおねだりする。

「隼人さん、来て」

 服を脱ぐ前でもあんな状態だった川岸の淫棒はもう我慢寸前とせり立っている。穂香への愛撫でさらに硬さを増したそれは、官能の吐息を漏らしながら穂香の中へと押し入ってきた。たっぷりと蜜が溢れ出ていた花弁は、大きくなった彼の物を抵抗なく奥深くへと招き入れる。
 熱をもった肉棒は存在感を現わしながら蜜道内を圧迫して回る。彼の腰が動く度に官能的な刺激が襲い、穂香から甘い啼き声が出る。

 蜜口内を擦られて溢れ出た愛蜜がグチュグチュと淫猥な水音を立てている。彼の物で深い所まで満たされると、蜜道の奥がビクビクと震え、穂香は川岸の胸にギュッとしがみつく。こめかみに優しい口付けをしてから、さらに腰を大きく動かす川岸。じっとりと汗ばんだ身体に荒い息遣い。

「ああっ……穂香……穂香」

 繰り返し恋人の名前を呼びながら、肉棒を動かして刺激を与えてくる。会えなかった寂しさを埋め合わせるかのように唇を求め、互いの身体を確かめ合う。今、二人の距離は誰よりも近く、深く重なり合っている。
 穂香の奥がまた激しく痙攣を起こして絶頂を迎えた時、川岸も穂香の奥深いところで小さく震えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」  突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。  冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。  仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。 「お前を、誰にも渡すつもりはない」  冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。  これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?  割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。  不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。  これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。

恋に異例はつきもので ~会社一の鬼部長は初心でキュートな部下を溺愛したい~

泉南佳那
恋愛
「よっしゃー」が口癖の 元気いっぱい営業部員、辻本花梨27歳  ×  敏腕だけど冷徹と噂されている 俺様部長 木沢彰吾34歳  ある朝、花梨が出社すると  異動の辞令が張り出されていた。  異動先は木沢部長率いる 〝ブランディング戦略部〟    なんでこんな時期に……  あまりの〝異例〟の辞令に  戸惑いを隠せない花梨。  しかも、担当するように言われた会社はなんと、元カレが社長を務める玩具会社だった!  花梨の前途多難な日々が、今始まる…… *** 元気いっぱい、はりきりガール花梨と ツンデレ部長木沢の年の差超パワフル・ラブ・ストーリーです。

定時で帰りたい私と、残業常習犯の美形部長。秘密の夜食がきっかけで、胃袋も心も掴みました

藤森瑠璃香
恋愛
「お先に失礼しまーす!」がモットーの私、中堅社員の結城志穂。 そんな私の天敵は、仕事の鬼で社内では氷の王子と恐れられる完璧美男子・一条部長だ。 ある夜、忘れ物を取りに戻ったオフィスで、デスクで倒れるように眠る部長を発見してしまう。差し入れた温かいスープを、彼は疲れ切った顔で、でも少しだけ嬉しそうに飲んでくれた。 その日を境に、誰もいないオフィスでの「秘密の夜食」が始まった。 仕事では見せない、少しだけ抜けた素顔、美味しそうにご飯を食べる姿、ふとした時に見せる優しい笑顔。 会社での厳しい上司と、二人きりの時の可愛い人。そのギャップを知ってしまったら、もう、ただの上司だなんて思えない。 これは、美味しいご飯から始まる、少し大人で、甘くて温かいオフィスラブ。

社長に拾われた貧困女子、契約なのに溺愛されてます―現代シンデレラの逆転劇―

砂原紗藍
恋愛
――これは、CEOに愛された貧困女子、現代版シンデレラのラブストーリー。 両親を亡くし、継母と義姉の冷遇から逃れて家を出た深月カヤは、メイドカフェとお弁当屋のダブルワークで必死に生きる二十一歳。 日々を支えるのは、愛するペットのシマリス・シンちゃんだけだった。 ある深夜、酔客に絡まれたカヤを救ったのは、名前も知らないのに不思議と安心できる男性。 数日後、偶然バイト先のお弁当屋で再会したその男性は、若くして大企業を率いる社長・桐島柊也だった。 生活も心もぎりぎりまで追い詰められたカヤに、柊也からの突然の提案は―― 「期間限定で、俺の恋人にならないか」 逃げ場を求めるカヤと、何かを抱える柊也。思惑の違う二人は、契約という形で同じ屋根の下で暮らし始める。 過保護な優しさ、困ったときに現れる温もりに、カヤの胸には小さな灯がともりはじめる。 だが、契約の先にある“本当の理由”はまだ霧の中。 落とした小さなガラスのヘアピンが導くのは——灰かぶり姫だった彼女の、新しい運命。

家事力底辺の私を捨てた元カレが復縁を迫ってきましたが、年下スパダリ彼氏に溺愛されてるのでもう手遅れです

久留茶
恋愛
家事の苦手な看護師の砂原灯里(27)は、同棲していた恋人の桐谷宏哉(27)から、「片付けの出来ない、自分に手抜きな女」と罵られ、振られてしまう。 そんな灯里は『丁寧な暮らし』系の動画配信者“ひまりさん”のファンであり、彼女の“ひだまりカフェ”チャンネルを好んで見ていたが、ある日を境に、その動画に別れた元彼が出演するようになり……。 女性蔑視な元彼ざまぁのお話です。 ヒロインに救いはありますので、安心して最後までご覧になれます。 ヒーローはちゃんと別に登場します。 *全9話完結です。 *元カレがクズ人間のため、女性蔑視や職業蔑視など不快な言葉が出てきます。苦手な方はご注意下さい。 *R描写には※マークをつけてあります。表現はソフトめです。 *この作品は他誌にも掲載中です。

処理中です...