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14.猫かぶり殿下再来!
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最初からクライマックスなジョセフのお陰で、登校するだけで疲れた俺はこのまま帰りたくなっていた。
こっちの世界で友達ができると、ちょっとは楽しみにしていたのに……
いや!どうせジョセフとは学年が違うのだから、寧ろ学校の方が安全地帯かもしれない!
全て語ることは無理でも、仲の良い友人の一人や二人はできるはず!
さらに!今は女の俺なら前世でクラスの女子がたまにしてた、女の子とキャッキャッウフフが体験できるかもしれないんだ!
付き合ってるのか?って思うぐらいベタベタくっついたりお弁当をあーんしたり、見てる此方が恥ずかしくなる事を平気にしてたな。
そう考えると楽しみになってきた!
「アンジェ?どうした?降りるぞ」
いつの間にかドアが空いていて、ジョセフは考え込んでいた俺の顔を覗き込んできていた。
「っ!悪いっ……あ、いや、ごめんなさい殿下」
動揺して素の方を出してが、ドアを開けた御者がドアのすぐ近くに居るのが見えて慌てて取り繕う
ここからは彰は封印せねば!
ジョセフは先に降り、俺に手を差し出してくる。
エスコートは未だに慣れない。
しかし、貴族令嬢はエスコートされて降りるのが基本だ。
基本は婚約者だが、いない場合は男の家族や迎えてくれた男性。
誰もいないときは御者にしてもらうのだ。
王都にきたときも出迎えたお兄様が手を差し出してくれたし、そのあと出掛けた時も御者にエスコートされて降りた。
これが当たり前だったアンジェリカお陰で動作は完璧だし、今日まで何度も体験したから慌てることなく難なく差し出された手に手を乗せ長いスカートを踏まぬように少し持ち上げ降りることができた。
ジョセフにお礼を言い、手を離すと少し寂しそうな顔をされたが国王公認の正式な婚約者であっても、社交界デビューしていない俺たちは公の場で宣言はまだなのだ。
あと令嬢としては、ところ構わずくっつく一般カップルのような行為は高貴な人にはふしだらな行為に見えるのだ。やっても腕を組んだり、肩や腰を寄せたりエスコートでする程度がちょうど良い。
なので俺は一歩下がって歩く昔の良いとこの奥様みたいな感じでやっていくつもりだ。
いつ誰が見て変な噂を立てられるか分かったもんじゃないからな。
案の定、周りは人が沢山いるし、遠巻きに王太子のジョセフを見ている。
まだ社交界に出てない俺はある意味ここが初の公の場になる。
始めてみる王太子の婚約者の俺を興味津々に見てくる者も居れば、品定めするように見てくる者もいる。令嬢からは嫉妬の視線を向けてくる者までいる。
これ、女の子と仲良くなれるかな……
どっちにしても王太子の嫁になれば、友達、特に女の友人は重要になるらしいく、特に身分の高い令嬢は仲良くなった方がいいとリーチェも言っていた。
皆に愛想良くなんて八方美人な真似が俺に出来るかは疑問だが、気合いは入れないとな。
ジョセフは挨拶してくるクラスメイトたちに返事をしながら俺の腰を抱いて歩き出す。
ちょ!ジョセフさん!
せっかく一歩下がってたのに、あっさり横に立たせないでくださいよ!
あと、女の子の視線が怖いです!離してください!
後生ですから!
友達できなかったらテメェの所為だからな!
不自然に見えないように離れようとするが、やはり女の俺は力敵わず、なすがまま状態だ。
そうだ!こんなに大きい学院なんだから学年か違えば離れてるよな!
「殿下、遠回りになるでしょうし……どうぞご自分の教室へお向かいください。私は一人で大丈夫ですので、クラスを確認してから向かいますわ」
ひきつりそうになりながらも、にっこり微笑んで見上げる。
でもジョセフは俺の気持ちを汲んではくれない。
「いや……教室まで送らせてほしい。少しでも君と一緒にいたいんだ」
そう言ってキラッキラの笑顔を俺に向けてくる。
やめてえええええ!!!
視線が痛い!周りの視線が痛いから!
あと俺の顔、火照るのやめなさい!
最初の猫かぶり殿下、再来しやがった!!
まだ素のジョセフの方が口調が砕けてる分、接しやすいんだ!
王族として次期国王として良く見せないといけないのかも知れないけど……けど!!!
前はアンジェリカを嫌ってたから壁がある感じだったからマシだったけど、壁がなくなった途端甘過ぎて無理!今、このジョセフは心臓に悪い!
「そう言うのはお止めくださいと……」
「アンジェは恥ずかしがり屋だね。とても可愛いけど、他の男に見せたくはないな」
なんか……どんどん嫉妬深くなってませんか?王太子殿下様!
お兄様!早く来て!俺を助けて!!
貴方の最愛の妹がピンチですよ!
ここに居ない血縁者に心の中で助けを求めるしか今の俺には出来なかった。
こっちの世界で友達ができると、ちょっとは楽しみにしていたのに……
いや!どうせジョセフとは学年が違うのだから、寧ろ学校の方が安全地帯かもしれない!
全て語ることは無理でも、仲の良い友人の一人や二人はできるはず!
さらに!今は女の俺なら前世でクラスの女子がたまにしてた、女の子とキャッキャッウフフが体験できるかもしれないんだ!
付き合ってるのか?って思うぐらいベタベタくっついたりお弁当をあーんしたり、見てる此方が恥ずかしくなる事を平気にしてたな。
そう考えると楽しみになってきた!
「アンジェ?どうした?降りるぞ」
いつの間にかドアが空いていて、ジョセフは考え込んでいた俺の顔を覗き込んできていた。
「っ!悪いっ……あ、いや、ごめんなさい殿下」
動揺して素の方を出してが、ドアを開けた御者がドアのすぐ近くに居るのが見えて慌てて取り繕う
ここからは彰は封印せねば!
ジョセフは先に降り、俺に手を差し出してくる。
エスコートは未だに慣れない。
しかし、貴族令嬢はエスコートされて降りるのが基本だ。
基本は婚約者だが、いない場合は男の家族や迎えてくれた男性。
誰もいないときは御者にしてもらうのだ。
王都にきたときも出迎えたお兄様が手を差し出してくれたし、そのあと出掛けた時も御者にエスコートされて降りた。
これが当たり前だったアンジェリカお陰で動作は完璧だし、今日まで何度も体験したから慌てることなく難なく差し出された手に手を乗せ長いスカートを踏まぬように少し持ち上げ降りることができた。
ジョセフにお礼を言い、手を離すと少し寂しそうな顔をされたが国王公認の正式な婚約者であっても、社交界デビューしていない俺たちは公の場で宣言はまだなのだ。
あと令嬢としては、ところ構わずくっつく一般カップルのような行為は高貴な人にはふしだらな行為に見えるのだ。やっても腕を組んだり、肩や腰を寄せたりエスコートでする程度がちょうど良い。
なので俺は一歩下がって歩く昔の良いとこの奥様みたいな感じでやっていくつもりだ。
いつ誰が見て変な噂を立てられるか分かったもんじゃないからな。
案の定、周りは人が沢山いるし、遠巻きに王太子のジョセフを見ている。
まだ社交界に出てない俺はある意味ここが初の公の場になる。
始めてみる王太子の婚約者の俺を興味津々に見てくる者も居れば、品定めするように見てくる者もいる。令嬢からは嫉妬の視線を向けてくる者までいる。
これ、女の子と仲良くなれるかな……
どっちにしても王太子の嫁になれば、友達、特に女の友人は重要になるらしいく、特に身分の高い令嬢は仲良くなった方がいいとリーチェも言っていた。
皆に愛想良くなんて八方美人な真似が俺に出来るかは疑問だが、気合いは入れないとな。
ジョセフは挨拶してくるクラスメイトたちに返事をしながら俺の腰を抱いて歩き出す。
ちょ!ジョセフさん!
せっかく一歩下がってたのに、あっさり横に立たせないでくださいよ!
あと、女の子の視線が怖いです!離してください!
後生ですから!
友達できなかったらテメェの所為だからな!
不自然に見えないように離れようとするが、やはり女の俺は力敵わず、なすがまま状態だ。
そうだ!こんなに大きい学院なんだから学年か違えば離れてるよな!
「殿下、遠回りになるでしょうし……どうぞご自分の教室へお向かいください。私は一人で大丈夫ですので、クラスを確認してから向かいますわ」
ひきつりそうになりながらも、にっこり微笑んで見上げる。
でもジョセフは俺の気持ちを汲んではくれない。
「いや……教室まで送らせてほしい。少しでも君と一緒にいたいんだ」
そう言ってキラッキラの笑顔を俺に向けてくる。
やめてえええええ!!!
視線が痛い!周りの視線が痛いから!
あと俺の顔、火照るのやめなさい!
最初の猫かぶり殿下、再来しやがった!!
まだ素のジョセフの方が口調が砕けてる分、接しやすいんだ!
王族として次期国王として良く見せないといけないのかも知れないけど……けど!!!
前はアンジェリカを嫌ってたから壁がある感じだったからマシだったけど、壁がなくなった途端甘過ぎて無理!今、このジョセフは心臓に悪い!
「そう言うのはお止めくださいと……」
「アンジェは恥ずかしがり屋だね。とても可愛いけど、他の男に見せたくはないな」
なんか……どんどん嫉妬深くなってませんか?王太子殿下様!
お兄様!早く来て!俺を助けて!!
貴方の最愛の妹がピンチですよ!
ここに居ない血縁者に心の中で助けを求めるしか今の俺には出来なかった。
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