奴隷に恋しちゃった王子様

出会い

ゴーゴーゴー！

｢ねぇ、僕の可愛く愛しい番さんはなんて名前なの？」





あたしはふと疑問に思いました。





｢その前に、なんでこんなに広いのに膝の上なんですか。｣





しかも、横向きにとかではなく向かい合っている。






｢そんなの僕が君のことを話したくないからに決まっているだろう？で、名前は？｣





｢旭です。猫さんのお名前は？｣





そう言うと、なぜか猫は首を傾げる。






｢猫…？」






え、だって、あたしの目の前にいるのは大きなクリーム色の猫ですけど…。





｢あぁ！」





すると、突然大きな声を出した目の前の猫。





｢ごめんね、この姿じゃ誰だか分からないや」






耳をシュンとさせて申し訳なさそうに笑う。





｢今戻すね｣





戻す？戻すってなんでい。





猫の方を見ているとみるみるうちにさっきのイケメン王子様になっていった。





｢あらためて、僕はファミリア王国第一皇子、ルーク・ファミリア。君の番だよ｣





あたしの手をキュウっと掴み、優しい笑顔を向けてくるルークさん。