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第51話
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俺の家は他の家庭より恵まれていたんだと思う。
父親は警察本部の部長で、母親は化粧品会社の社長。
裕福な家庭で育ったと俺でも思う。
食べるものに困ったことはないし、忙しい両親の代わりに家政婦さんが2人もいた。
しかし、その代償と言っていいのか分からないがとにかく両親が厳しかった。
食事の作法、言葉遣い、挨拶、勉強、運動など決められたことが多くあった。それを小さい時からしてきたので普通だと思っていたがある日の小学校での出来事だった。当時の俺は小学校1年生だった。
いつものように専属ドライバーがついた車で小学校に送ってもらった時のことだった。
「おはようございます」
俺はいつものように車から降り、校門に立っている先生にお辞儀をして朝の挨拶をする。
「おはようございます。増田君はいつも礼儀正しいわね」
学校の先生に挨拶をして玄関に向かう。
すると、ガキ大将の男の子が数人を引き連れて歩いていた。
「あいついつも送り迎えしてもらってるー」
「本当だーみんな歩いてきてるのにー。金持ちっていいよなぁ」
「きっと1人じゃ何も出来ないんだよ」
クスクスと笑いながら俺に聞こえるように言う。
幼い子供はどんな言葉が他人を傷つけるのか分かってない。もし本当のことだとしてもそれが言ってはならないことなど分からないのだ。子供というのはなんと素直で残酷なんだろう。
「・・・・」
俺は聞こえないフリをして玄関で靴を履き替える。
「なんだよ。無視かよ」
そう言って、ガキ大将の男の子が俺の肩を強めに殴る。
俺はちらっとその子を見て何も言わずに教室に向かった。
「ちっ。おもしろくねぇな」
”1年3組”と書いてある教室へ入り、自分の席に座る。家から持ってきた本をカバンから取り出し読み始める。俺にはこの時、友達と呼べる人はいなかった。俺が自分たちと違う存在なのだと、話しかけてくる同級生はいなくなった。
それはまだ5歳の時、仲良く幼稚園で遊んでいた友達がいた。礼央れおと言って面倒見が良くてクラスの全員と仲が良かった。5歳の頃から幼稚園に入った、まだクラスに馴染めなくて部屋の隅で本を読んでいた俺に話しかけてくれたのだ。
「何してるの?」
「・・・本読んでるの」
「向こうでみんなと遊ぼうよ」
「いいの?」
「いいに決まってるじゃん!」
笑顔で俺に向かって話しかけてくれた。
年齢が近い子と話をしたことがない俺は、恐る恐る礼央に付いていった。
幼稚園の小さなグラウンドに遊具が3つほどあり、その一つに数人男の子がいた。
「あー、礼央遅いぞ!」
「ごめんごめん!あ、こいつ今日からこの幼稚園に入ったみたいなんだ」
「えっと、増田 戒斗です。よろしくお願いします」
「よろしくな!俺が礼央でこっちが龍之介、悟、浩志、一朗だよ」
俺はペコリとお辞儀をする。
みんな俺のとる行動を珍しそうに見ながらよろしくーと笑顔で迎えてくれた。
それから鬼ごっこや、ジャングルジムで遊んだり、砂遊びをしたり、今までしてこなかった遊びをたくさんした。
そしてある日のこと。
普段は俺が寝る時に顔を見られたらいいくらいの両親が久しぶりに夜ご飯の時にいた時だった。
家政婦さんが用意してくれたご飯を大きな長机を囲みながら家族3人で食事する。
普通の家庭の食事風景と違うのは会話がほとんどないことだろうか。
しかし、この時は珍しく父親が口を開いた。
「最近幼稚園に行き出したようだな。どうだ?楽しいか?」
「はい。父さん。勉強もそうですが、色々な遊びができて楽しいです」
「そうか・・・友達はできたのか?」
「はい。5人友達ができました。礼央くんと龍之介くんと悟くんと浩志くんと一朗くんです。みんなとてもいい子達です」
「そうか・・・良かったな」
「はい」
俺はその時、単純に友達自慢をしたかったのだった。
初めての友達。
ただ、その会話がこれからの出来事の引き金になるとは思ってもいなかった。
そんなある日のことだった。
いつものように幼稚園に行くと、礼央たちが教室の後ろの方にいた。
いつもギャーギャー騒いでいるのに今日はみんな真剣な顔でヒソヒソ話しているみたいだった。
俺は不思議に思いながら、礼央たちに近づき
「おはよう」
と、挨拶した。
すると、礼央たちは俺の顔を見たとたんに顔が青ざめていた。
「え?どうしたの?」
俺はその理由がわからず尋ねる。
しかし、礼央たちは無言で俺を置いて教室を出て行った。
俺は何があったのか全くわからなかった。
昨日までは仲良く遊んで喋っていたのに。
急に俺を避けるなんて。
俺、何かしたっけ・・・。
俺は昨日のことを思い返したが特に避けられるような理由が思い当たらなかった。
父親は警察本部の部長で、母親は化粧品会社の社長。
裕福な家庭で育ったと俺でも思う。
食べるものに困ったことはないし、忙しい両親の代わりに家政婦さんが2人もいた。
しかし、その代償と言っていいのか分からないがとにかく両親が厳しかった。
食事の作法、言葉遣い、挨拶、勉強、運動など決められたことが多くあった。それを小さい時からしてきたので普通だと思っていたがある日の小学校での出来事だった。当時の俺は小学校1年生だった。
いつものように専属ドライバーがついた車で小学校に送ってもらった時のことだった。
「おはようございます」
俺はいつものように車から降り、校門に立っている先生にお辞儀をして朝の挨拶をする。
「おはようございます。増田君はいつも礼儀正しいわね」
学校の先生に挨拶をして玄関に向かう。
すると、ガキ大将の男の子が数人を引き連れて歩いていた。
「あいついつも送り迎えしてもらってるー」
「本当だーみんな歩いてきてるのにー。金持ちっていいよなぁ」
「きっと1人じゃ何も出来ないんだよ」
クスクスと笑いながら俺に聞こえるように言う。
幼い子供はどんな言葉が他人を傷つけるのか分かってない。もし本当のことだとしてもそれが言ってはならないことなど分からないのだ。子供というのはなんと素直で残酷なんだろう。
「・・・・」
俺は聞こえないフリをして玄関で靴を履き替える。
「なんだよ。無視かよ」
そう言って、ガキ大将の男の子が俺の肩を強めに殴る。
俺はちらっとその子を見て何も言わずに教室に向かった。
「ちっ。おもしろくねぇな」
”1年3組”と書いてある教室へ入り、自分の席に座る。家から持ってきた本をカバンから取り出し読み始める。俺にはこの時、友達と呼べる人はいなかった。俺が自分たちと違う存在なのだと、話しかけてくる同級生はいなくなった。
それはまだ5歳の時、仲良く幼稚園で遊んでいた友達がいた。礼央れおと言って面倒見が良くてクラスの全員と仲が良かった。5歳の頃から幼稚園に入った、まだクラスに馴染めなくて部屋の隅で本を読んでいた俺に話しかけてくれたのだ。
「何してるの?」
「・・・本読んでるの」
「向こうでみんなと遊ぼうよ」
「いいの?」
「いいに決まってるじゃん!」
笑顔で俺に向かって話しかけてくれた。
年齢が近い子と話をしたことがない俺は、恐る恐る礼央に付いていった。
幼稚園の小さなグラウンドに遊具が3つほどあり、その一つに数人男の子がいた。
「あー、礼央遅いぞ!」
「ごめんごめん!あ、こいつ今日からこの幼稚園に入ったみたいなんだ」
「えっと、増田 戒斗です。よろしくお願いします」
「よろしくな!俺が礼央でこっちが龍之介、悟、浩志、一朗だよ」
俺はペコリとお辞儀をする。
みんな俺のとる行動を珍しそうに見ながらよろしくーと笑顔で迎えてくれた。
それから鬼ごっこや、ジャングルジムで遊んだり、砂遊びをしたり、今までしてこなかった遊びをたくさんした。
そしてある日のこと。
普段は俺が寝る時に顔を見られたらいいくらいの両親が久しぶりに夜ご飯の時にいた時だった。
家政婦さんが用意してくれたご飯を大きな長机を囲みながら家族3人で食事する。
普通の家庭の食事風景と違うのは会話がほとんどないことだろうか。
しかし、この時は珍しく父親が口を開いた。
「最近幼稚園に行き出したようだな。どうだ?楽しいか?」
「はい。父さん。勉強もそうですが、色々な遊びができて楽しいです」
「そうか・・・友達はできたのか?」
「はい。5人友達ができました。礼央くんと龍之介くんと悟くんと浩志くんと一朗くんです。みんなとてもいい子達です」
「そうか・・・良かったな」
「はい」
俺はその時、単純に友達自慢をしたかったのだった。
初めての友達。
ただ、その会話がこれからの出来事の引き金になるとは思ってもいなかった。
そんなある日のことだった。
いつものように幼稚園に行くと、礼央たちが教室の後ろの方にいた。
いつもギャーギャー騒いでいるのに今日はみんな真剣な顔でヒソヒソ話しているみたいだった。
俺は不思議に思いながら、礼央たちに近づき
「おはよう」
と、挨拶した。
すると、礼央たちは俺の顔を見たとたんに顔が青ざめていた。
「え?どうしたの?」
俺はその理由がわからず尋ねる。
しかし、礼央たちは無言で俺を置いて教室を出て行った。
俺は何があったのか全くわからなかった。
昨日までは仲良く遊んで喋っていたのに。
急に俺を避けるなんて。
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