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執事の消えた日 ジェフリーside 6
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やればできるのだな、などと呑気に感想が浮かぶが、殺意がみなぎっているジェフリーの背中をアレグリアは慌てて追った。
あくまで『計画』が第一だ。ハンターに怪我をさせてはならない。
廃教会へと一直線に走って行くジェフリーの背を悠々と捉えつつ、周囲に視線を走らす。
木々の切れ間、廃教会へ僅かというところで、ジェフリーの精神に転べと命令した。
「!?」
まさにそのタイミングで、左右からジェフリーを狙って銀の矢が放たれた。持ち運びのしやすいハンターご自慢の短い弓矢だ。矢を回避したジェフリーに、ハンターが剣を振り上げている
「起きて!」
今度は不自然な動きでジェフリーが飛び起きる。
こんな時のために、精神の支配を切っておかなくて正解だった。
しかし、他人の精神を支配したまま、他のハンターたちと戦うのは嫌だ。自分の身は自分で守ってもらえると、面倒がなくていいのだけれど。アレグリアは内心で盛大に溜息をついた。ただし動きは淀みなく。再び弓矢を構えている遠くのハンターへ、足元から拾った石を投擲して、弓だけを破壊する。弓を失ったハンターは、剣を抜いてアレグリア達に向かってきた。
「アレグリアさん! お嬢様を助けに行ってください」
ジェフリーがハンターの振う銀加工の剣を交わしながら言った。自分より強い相手に頼むその姿勢はいいが、
「外の、ハンターを、捕まえる、のが先」
計画優先だと何度言えば解るのだろう。まったく。
会話しながらも、襲ってくるハンターをいなす。いちいち過剰な反応をするジェフリーもコントロールしなければならない。自分を殺すつもりの相手を、怪我させないように倒すのは難儀だが、そうしなければならないのだ。アレグリアの精神支配は深層に強力に効くとはいえ、精神攻撃への耐性が大なり小なりあるハンターの精神を確実に支配するには、まずは動きを止めなければならない。
聖教会に所属しているハンターは定期的にお互いを調べあっている。吸血鬼に噛まれた跡はないか、『魅了』にかけられた痕跡はないか。身体は勿論、精神洗浄も定期的に行われているとあっては、思い切り殴って気絶させてその隙に言う事を聞かせることも、『魅了』で一時的に縛っていう事を聞かせることもできない。煩わしくても慎重を期さなければならないというのに。
「ジェフリー!」
先走ろうとするジェフリーの足を止め、そこに向かってハンターをふっ飛ばし受け止めさせる。よし、うまいことクッションになったのでハンターは無傷だ。
それを視界の隅で確認しつつ、もう一人のハンターをさらにジェフリーに向けて蹴り飛ばす。内側にだけ衝撃を通しているが、倒れる時の傷まで計算できないのでこれはいい。
廃教会の中でも立ち回りが始まっていた。
ジェフリーには言っていないが、エルガーと精神を繋げている。どれだけ離れていても、支配下にあるので教会内の様子は把握できている。早いところ、片を付けないと中が些か厄介な状況になっている。
気付けば四人のハンターが周囲に倒れていた。
「……もうよろしいでしょうか……」
短時間に消耗したらしいジェフリーだが、それでも廃教会のドアへと急ごうとしている。
「ジェフリー、扉じゃなくて、上……」
言って、アレグリアは屋根に飛び乗った。
屋根の上に伏せていた見習いらしき二人のハンターが慌てて逃げようとするが、これも昏倒させた。
そして、その勢いのまま教会の屋根を壊す。
本気で打撃をいれればこんなものだ。だから人間相手には気をつけなければならないのだ。
何かいう間もなく、ジェフリーが屋根に開いた穴に飛び込んでいく。埃で視界が悪いが、エルガーから通じて入ってくる情報を気づかれない程度にそのまま流してやろう。
視界が利かなくてもどうにかしそうだけど、念のため。
アレグリアは屋根の上で埃がおさまるのを待った。
エルガーの視界を借りて確認すれば、もう室内に立っているハンターはいない。
外にももうハンターはいなさそうだ。
「エルガー……無事……?」
穴から覗いて、自分の目でもエルガーの姿を確認すると、呑気な声が返って来た。
「アレグリア! そっちも、ちゃんと加減してくれただろーな?」
こっちはエルガーの周囲がわかるが、逆は無理なので頷き返す。その証拠として屋根の上にいたハンターを投げ落とした。
軽くエルガーが受け止めたのを見てから、続いてアレグリアも下に飛び降りる。月明かりの差し込む教会の中、ジェフリーの横に一人の少女が立っていた。
これが、ジェフリーのお嬢様、ヴィオラか。正面から見つめられ、アレグリアも見つめ返した。
見た目の年は似たようなものだが、アレグリアと違って可愛いいドレスを着ている。黒髪と、揃いのような黒い瞳は夜の中でも鮮やかに映える。
「アレグリアさん、淑女たるものそんなはしたない真似はやめた方がいいですよ」
飛び降りたことをジェフリーに咎められた。
「……ジェフリー、うるさ……」
何を急に生き生きしてるんだろう。ちょっと前まで困った犬みたいな顔してたくせに。
「え?……ちょっと、ジェフリー? 彼女ともお知り合いなの?」
「ええ――と、その少々」
「ちょっと? 紹介して頂戴? どういう関係なの?」
険しい顔で問い詰められているというのに、困りながらも嬉しさが隠しきれていないジェフリーを押しのけ、ヴィオラの前に立つ。
「……面倒みて、あげたの。……あなたが……ジェフリーの、お嬢様?」
実際に会ったのは初めてなのに、そんな気がしなくて不思議な気分だ。ジェフリーの記憶の中の情報が濃密だったのかも。
「初めまして、ヴィオラ・ブリアナ・グラントと申します。うちの執事がお世話になったようでお礼申し上げます」
丁寧な礼を受けてアレグリアは感心した。
ヴィオラは吸血鬼として、相手の力を計ることが出来るようだ。
「ジェフリーと違って……さすが……。でも、改まらなくて、いい……」
「そうそう。気ぃ使わなくていいって。っていうかさ、お礼とか云うなら、うちのアレグリアと友達になってくれない?」
エルガーの提案にアレグリアは硬直した。
……友達?
リディや他にも友達と呼べる存在はいるけれど、見た目が同じ年くらいの子は初めてかもしれない。トトが言うには、仲間にはそれなりに子供の姿の吸血鬼がいるらしいが、常にハンターと戦っているアレグリアは夜会などの集まりに出ないので会ったことがない。
なんだか緊張してきた。とういうか、友達ってこういう風に作るものだったのか。とりあえず、握手でいいのだろうか。
ヴィオラはしばらく黙考していたが、
「そうね、吸血鬼に年なんて、関係なかったわよね……。女の子の友達なら断る理由はないし。わかったわ。これからよろしくね、アレグリア」
にっこり笑って言ってくれた。
ジェフリーがヴィオラの背後で妙な目をしているけど、まあいい。
●
「見習い込みとはいえ、結構な数が確保できたかな~」
エルガーが教会内にハンターを並べていく。
結果的に四人の吸血鬼を相手にすることになったので不足することになったが、ハンター側としてもは今回集まったのは少なくはない戦力だろう。
これだけの人数を操れれば、聖教会に対してかなりの影響を及ぼせる筈。
「ハンターの……あとのことは二人に任せるわ」
ヴィオラはジェフリーみたいにぐずぐず言わないので、アレグリアとしては好感度が高い。
見れば、ジェフリーは色々気にしていそうだけれど、主に反論するつもりもなさそうだ。
「うん、そうしてくれると助かる。じゃあ、お二人さん元気でねー! まったねー!!」
呑気に手を振るエルガーと並んで、アレグリアもヴィオラとジェフリーを見送る。
「ほらほらアレグリアも、手を振ろう。笑顔、笑顔で」
そんなのは無理だけど、何か言わなくちゃ、と思ったので、浮かんできた言葉をそのままアレグリアは口にした。
「お茶……美味しかった……」
そういえば、ジェフリーにちゃんとお礼を言っていなかった事を思い出したから。
ジェフリーは、ふっと得意げな笑みを浮かべ、一礼を返してきた。そしてヴィオラと並んで帰って行く。
「おおー、アレグリア!」
なぜだか、わしゃわしゃとエルガーに頭を撫でられた。髪の毛がぐしゃぐしゃになるので止めてほしい。しかし、なんだかぽかぽかするので許してあげよう。
「いやー、良かったなーアレグリア。やっぱ、なんだかんだ長生きしても見た目に引っ張られるところあるし、同じ年の外見の子と友達になるのはいいと思うなー。それに、ヴィオラはいい性格してたし。トトの言ってた通りにさ」
うん、とアレグリアは頷いた。
そう――トトから話だけは聞いていた。
自分を助けるために死にかけた執事を生かすため、吸血鬼へと落とした少女の話を。
まさか、あんな間抜けな執事だとは思わなかったけど。
アレグリアは自分がどうやって吸血鬼に転化したかは覚えていない。
初めてヴィオラとジェフリーの話をきいた時にほんの少し羨ましく思ったものだ。ほんの少しだけ。
誰かに生かされるために、そんな理由だったなら。
人形のように空っぽで過ごした時間も、無駄でなかったといえるだろうから。
「……エルガー」
「うん?」
「……あとで、ヴィオラに手紙だす、から、一緒に便箋とか選んで?」
「もっちろん。でも、まあ、まずはこれを片づけないとだなー」
ハンターを視線で示したエルガーに、アレグリアは力強く頷き返した。
「まかせて」
ジェフリーみたいな弱っちい吸血鬼たちのために頑張らなければ。
いつか、吸血鬼がのんびりと暮らせる日がくるまで。
あくまで『計画』が第一だ。ハンターに怪我をさせてはならない。
廃教会へと一直線に走って行くジェフリーの背を悠々と捉えつつ、周囲に視線を走らす。
木々の切れ間、廃教会へ僅かというところで、ジェフリーの精神に転べと命令した。
「!?」
まさにそのタイミングで、左右からジェフリーを狙って銀の矢が放たれた。持ち運びのしやすいハンターご自慢の短い弓矢だ。矢を回避したジェフリーに、ハンターが剣を振り上げている
「起きて!」
今度は不自然な動きでジェフリーが飛び起きる。
こんな時のために、精神の支配を切っておかなくて正解だった。
しかし、他人の精神を支配したまま、他のハンターたちと戦うのは嫌だ。自分の身は自分で守ってもらえると、面倒がなくていいのだけれど。アレグリアは内心で盛大に溜息をついた。ただし動きは淀みなく。再び弓矢を構えている遠くのハンターへ、足元から拾った石を投擲して、弓だけを破壊する。弓を失ったハンターは、剣を抜いてアレグリア達に向かってきた。
「アレグリアさん! お嬢様を助けに行ってください」
ジェフリーがハンターの振う銀加工の剣を交わしながら言った。自分より強い相手に頼むその姿勢はいいが、
「外の、ハンターを、捕まえる、のが先」
計画優先だと何度言えば解るのだろう。まったく。
会話しながらも、襲ってくるハンターをいなす。いちいち過剰な反応をするジェフリーもコントロールしなければならない。自分を殺すつもりの相手を、怪我させないように倒すのは難儀だが、そうしなければならないのだ。アレグリアの精神支配は深層に強力に効くとはいえ、精神攻撃への耐性が大なり小なりあるハンターの精神を確実に支配するには、まずは動きを止めなければならない。
聖教会に所属しているハンターは定期的にお互いを調べあっている。吸血鬼に噛まれた跡はないか、『魅了』にかけられた痕跡はないか。身体は勿論、精神洗浄も定期的に行われているとあっては、思い切り殴って気絶させてその隙に言う事を聞かせることも、『魅了』で一時的に縛っていう事を聞かせることもできない。煩わしくても慎重を期さなければならないというのに。
「ジェフリー!」
先走ろうとするジェフリーの足を止め、そこに向かってハンターをふっ飛ばし受け止めさせる。よし、うまいことクッションになったのでハンターは無傷だ。
それを視界の隅で確認しつつ、もう一人のハンターをさらにジェフリーに向けて蹴り飛ばす。内側にだけ衝撃を通しているが、倒れる時の傷まで計算できないのでこれはいい。
廃教会の中でも立ち回りが始まっていた。
ジェフリーには言っていないが、エルガーと精神を繋げている。どれだけ離れていても、支配下にあるので教会内の様子は把握できている。早いところ、片を付けないと中が些か厄介な状況になっている。
気付けば四人のハンターが周囲に倒れていた。
「……もうよろしいでしょうか……」
短時間に消耗したらしいジェフリーだが、それでも廃教会のドアへと急ごうとしている。
「ジェフリー、扉じゃなくて、上……」
言って、アレグリアは屋根に飛び乗った。
屋根の上に伏せていた見習いらしき二人のハンターが慌てて逃げようとするが、これも昏倒させた。
そして、その勢いのまま教会の屋根を壊す。
本気で打撃をいれればこんなものだ。だから人間相手には気をつけなければならないのだ。
何かいう間もなく、ジェフリーが屋根に開いた穴に飛び込んでいく。埃で視界が悪いが、エルガーから通じて入ってくる情報を気づかれない程度にそのまま流してやろう。
視界が利かなくてもどうにかしそうだけど、念のため。
アレグリアは屋根の上で埃がおさまるのを待った。
エルガーの視界を借りて確認すれば、もう室内に立っているハンターはいない。
外にももうハンターはいなさそうだ。
「エルガー……無事……?」
穴から覗いて、自分の目でもエルガーの姿を確認すると、呑気な声が返って来た。
「アレグリア! そっちも、ちゃんと加減してくれただろーな?」
こっちはエルガーの周囲がわかるが、逆は無理なので頷き返す。その証拠として屋根の上にいたハンターを投げ落とした。
軽くエルガーが受け止めたのを見てから、続いてアレグリアも下に飛び降りる。月明かりの差し込む教会の中、ジェフリーの横に一人の少女が立っていた。
これが、ジェフリーのお嬢様、ヴィオラか。正面から見つめられ、アレグリアも見つめ返した。
見た目の年は似たようなものだが、アレグリアと違って可愛いいドレスを着ている。黒髪と、揃いのような黒い瞳は夜の中でも鮮やかに映える。
「アレグリアさん、淑女たるものそんなはしたない真似はやめた方がいいですよ」
飛び降りたことをジェフリーに咎められた。
「……ジェフリー、うるさ……」
何を急に生き生きしてるんだろう。ちょっと前まで困った犬みたいな顔してたくせに。
「え?……ちょっと、ジェフリー? 彼女ともお知り合いなの?」
「ええ――と、その少々」
「ちょっと? 紹介して頂戴? どういう関係なの?」
険しい顔で問い詰められているというのに、困りながらも嬉しさが隠しきれていないジェフリーを押しのけ、ヴィオラの前に立つ。
「……面倒みて、あげたの。……あなたが……ジェフリーの、お嬢様?」
実際に会ったのは初めてなのに、そんな気がしなくて不思議な気分だ。ジェフリーの記憶の中の情報が濃密だったのかも。
「初めまして、ヴィオラ・ブリアナ・グラントと申します。うちの執事がお世話になったようでお礼申し上げます」
丁寧な礼を受けてアレグリアは感心した。
ヴィオラは吸血鬼として、相手の力を計ることが出来るようだ。
「ジェフリーと違って……さすが……。でも、改まらなくて、いい……」
「そうそう。気ぃ使わなくていいって。っていうかさ、お礼とか云うなら、うちのアレグリアと友達になってくれない?」
エルガーの提案にアレグリアは硬直した。
……友達?
リディや他にも友達と呼べる存在はいるけれど、見た目が同じ年くらいの子は初めてかもしれない。トトが言うには、仲間にはそれなりに子供の姿の吸血鬼がいるらしいが、常にハンターと戦っているアレグリアは夜会などの集まりに出ないので会ったことがない。
なんだか緊張してきた。とういうか、友達ってこういう風に作るものだったのか。とりあえず、握手でいいのだろうか。
ヴィオラはしばらく黙考していたが、
「そうね、吸血鬼に年なんて、関係なかったわよね……。女の子の友達なら断る理由はないし。わかったわ。これからよろしくね、アレグリア」
にっこり笑って言ってくれた。
ジェフリーがヴィオラの背後で妙な目をしているけど、まあいい。
●
「見習い込みとはいえ、結構な数が確保できたかな~」
エルガーが教会内にハンターを並べていく。
結果的に四人の吸血鬼を相手にすることになったので不足することになったが、ハンター側としてもは今回集まったのは少なくはない戦力だろう。
これだけの人数を操れれば、聖教会に対してかなりの影響を及ぼせる筈。
「ハンターの……あとのことは二人に任せるわ」
ヴィオラはジェフリーみたいにぐずぐず言わないので、アレグリアとしては好感度が高い。
見れば、ジェフリーは色々気にしていそうだけれど、主に反論するつもりもなさそうだ。
「うん、そうしてくれると助かる。じゃあ、お二人さん元気でねー! まったねー!!」
呑気に手を振るエルガーと並んで、アレグリアもヴィオラとジェフリーを見送る。
「ほらほらアレグリアも、手を振ろう。笑顔、笑顔で」
そんなのは無理だけど、何か言わなくちゃ、と思ったので、浮かんできた言葉をそのままアレグリアは口にした。
「お茶……美味しかった……」
そういえば、ジェフリーにちゃんとお礼を言っていなかった事を思い出したから。
ジェフリーは、ふっと得意げな笑みを浮かべ、一礼を返してきた。そしてヴィオラと並んで帰って行く。
「おおー、アレグリア!」
なぜだか、わしゃわしゃとエルガーに頭を撫でられた。髪の毛がぐしゃぐしゃになるので止めてほしい。しかし、なんだかぽかぽかするので許してあげよう。
「いやー、良かったなーアレグリア。やっぱ、なんだかんだ長生きしても見た目に引っ張られるところあるし、同じ年の外見の子と友達になるのはいいと思うなー。それに、ヴィオラはいい性格してたし。トトの言ってた通りにさ」
うん、とアレグリアは頷いた。
そう――トトから話だけは聞いていた。
自分を助けるために死にかけた執事を生かすため、吸血鬼へと落とした少女の話を。
まさか、あんな間抜けな執事だとは思わなかったけど。
アレグリアは自分がどうやって吸血鬼に転化したかは覚えていない。
初めてヴィオラとジェフリーの話をきいた時にほんの少し羨ましく思ったものだ。ほんの少しだけ。
誰かに生かされるために、そんな理由だったなら。
人形のように空っぽで過ごした時間も、無駄でなかったといえるだろうから。
「……エルガー」
「うん?」
「……あとで、ヴィオラに手紙だす、から、一緒に便箋とか選んで?」
「もっちろん。でも、まあ、まずはこれを片づけないとだなー」
ハンターを視線で示したエルガーに、アレグリアは力強く頷き返した。
「まかせて」
ジェフリーみたいな弱っちい吸血鬼たちのために頑張らなければ。
いつか、吸血鬼がのんびりと暮らせる日がくるまで。
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