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第四章 力の格差
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「俺は本当に純粋に仲良くなりたいだけなんですけど。そんな脅さないでください。」
「それをどうやって信じろって?拳だけがものを言う世界じゃない。俺は颯斗を危険から守るのが仕事だ。トップの座を狙いにきてるような奴を近づけるわけにはいかない。」
「亀、そこまでにしときなよ。殺されたくなかったらね。」
ついには多田に止められる始末。
「俺仲良くなりたいだけなのに。」
「無理だよ。京介が負けて傘下に入れば可能性はあるかもしれないけど、京介は傘下に入る性格じゃないから。負けても勝つまで挑み続けるよ。見てよあの執念。もう決着がつくよ。」
かなりの体格差があり、勝つかどうか分からないと自身も危惧していた対決。
長引く対決に体格差で体力を削られた京介。
厳しいかもしれないと俺らも見守っていた。
しかし、俺が話にほうけていた間に、相手はかなり息を上げていた。
その相手を前に、京介は楽しそうに笑っている。
相手にそんな余裕はない。
後数分もすれば相手は倒れそうだった。
「聞いてたとおり、忠犬だね。多田君。」
「俺は京介の側近だから。ちなみに、亀は傍にいるだけで側近じゃないよ。でも、周りがそう見るから喧嘩に付き合ってもらってる。代わりに、俺らも亀がする行動は咎めない。仮にそっちと亀が仲良くなったとしても、俺らは亀から情報をもらったりしないよ。」
「それを信じるほど信頼関係なんてないのねーん。」
「だよね。でも、俺達は亀を自由にさせるから、虐めたりしないでね。悪気があるわけじゃないから。」
「さぁね。俺らの逆鱗にさえ触れなければ、虐めたりしないよ。」
多田と市瀬は互いに笑顔だが、今にも目の前で火花が散りそうなぴりぴりした空気だった。
一触即発の雰囲気に、俺はとりあえず黙ったほうが賢明だと判断する。
そうしている間に、京介の綺麗な右ストレートが相手の鼻頭に真っ直ぐ入った。
グシャリという音が聞こえてきそうなその勢いに、相手は後ろに倒れた。
大の字になって倒れたそいつは、もう起き上がってこなかった。
「勝者、田中京介!」
「っしゃー!やったぞ多田!亀!3年制覇だ!」
京介は跳んで喜び、行く末を見守っていた俺らの元に走ってきて抱きつく。
それを受け止めつつ背中を叩いて勝利を称えた。
「後は2年だけだなっ。って、火神いんじゃん。首根っこ洗って待っとけ!絶対お前の首取りにいってやるからな!」
興奮状態の京介は火神に指を指して宣戦布告をしている。
そんな京介に火神は微かに頬を緩めた。
しかし、それに何も言わずに振り返り、野次馬が開けた通路をまた通って側近を連れて帰っていく。
ほんの僅かだったが、火神の笑みは楽しみにしているような笑みだった。
「んだよ、お高く留まりやがって。ぜってぇその鼻へし折ってやる。」
「お疲れ京介。今回は派手に顔いかれたね。」
「油断したぜ。でも、勝ったから許してやるわ。今日の晩は焼肉だな。お前ら付き合えよ。」
「口切っててお肉食べれるの?」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。だからこそ肉食うんだろ。肉食わなきゃ治らねぇよ。」
「本当に脳筋だね。」
「お前馬鹿にしてんのかよ。」
「褒めてるんだよ。」
「絶対嘘だろ。」
俺は京介とじゃれあいながらその場を後にし、俺の家で消毒をしてから焼肉を食べに出かけた。
その日は制覇を成し遂げたお祝いとして俺の奢りだった。
「それをどうやって信じろって?拳だけがものを言う世界じゃない。俺は颯斗を危険から守るのが仕事だ。トップの座を狙いにきてるような奴を近づけるわけにはいかない。」
「亀、そこまでにしときなよ。殺されたくなかったらね。」
ついには多田に止められる始末。
「俺仲良くなりたいだけなのに。」
「無理だよ。京介が負けて傘下に入れば可能性はあるかもしれないけど、京介は傘下に入る性格じゃないから。負けても勝つまで挑み続けるよ。見てよあの執念。もう決着がつくよ。」
かなりの体格差があり、勝つかどうか分からないと自身も危惧していた対決。
長引く対決に体格差で体力を削られた京介。
厳しいかもしれないと俺らも見守っていた。
しかし、俺が話にほうけていた間に、相手はかなり息を上げていた。
その相手を前に、京介は楽しそうに笑っている。
相手にそんな余裕はない。
後数分もすれば相手は倒れそうだった。
「聞いてたとおり、忠犬だね。多田君。」
「俺は京介の側近だから。ちなみに、亀は傍にいるだけで側近じゃないよ。でも、周りがそう見るから喧嘩に付き合ってもらってる。代わりに、俺らも亀がする行動は咎めない。仮にそっちと亀が仲良くなったとしても、俺らは亀から情報をもらったりしないよ。」
「それを信じるほど信頼関係なんてないのねーん。」
「だよね。でも、俺達は亀を自由にさせるから、虐めたりしないでね。悪気があるわけじゃないから。」
「さぁね。俺らの逆鱗にさえ触れなければ、虐めたりしないよ。」
多田と市瀬は互いに笑顔だが、今にも目の前で火花が散りそうなぴりぴりした空気だった。
一触即発の雰囲気に、俺はとりあえず黙ったほうが賢明だと判断する。
そうしている間に、京介の綺麗な右ストレートが相手の鼻頭に真っ直ぐ入った。
グシャリという音が聞こえてきそうなその勢いに、相手は後ろに倒れた。
大の字になって倒れたそいつは、もう起き上がってこなかった。
「勝者、田中京介!」
「っしゃー!やったぞ多田!亀!3年制覇だ!」
京介は跳んで喜び、行く末を見守っていた俺らの元に走ってきて抱きつく。
それを受け止めつつ背中を叩いて勝利を称えた。
「後は2年だけだなっ。って、火神いんじゃん。首根っこ洗って待っとけ!絶対お前の首取りにいってやるからな!」
興奮状態の京介は火神に指を指して宣戦布告をしている。
そんな京介に火神は微かに頬を緩めた。
しかし、それに何も言わずに振り返り、野次馬が開けた通路をまた通って側近を連れて帰っていく。
ほんの僅かだったが、火神の笑みは楽しみにしているような笑みだった。
「んだよ、お高く留まりやがって。ぜってぇその鼻へし折ってやる。」
「お疲れ京介。今回は派手に顔いかれたね。」
「油断したぜ。でも、勝ったから許してやるわ。今日の晩は焼肉だな。お前ら付き合えよ。」
「口切っててお肉食べれるの?」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。だからこそ肉食うんだろ。肉食わなきゃ治らねぇよ。」
「本当に脳筋だね。」
「お前馬鹿にしてんのかよ。」
「褒めてるんだよ。」
「絶対嘘だろ。」
俺は京介とじゃれあいながらその場を後にし、俺の家で消毒をしてから焼肉を食べに出かけた。
その日は制覇を成し遂げたお祝いとして俺の奢りだった。
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