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第四章 力の格差
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「知らないんじゃねぇよ。誰も言わねぇんだよ。だって恥ずかしいだろ?対戦相手が用意した合法リンチで全員負けましたなんて、口が裂けても言えねぇよ。
おまけに、鷹山はトップの絶対的な価値を求めてきてる奴らばっかりだ。少なからず自分の腕に自信がある奴らだから、余計にそんな状態で負けただなんて言えねぇよ。側近も自分が慕えてる人がそんな状態で負けただなんて貶めるようなこと出来るわけがない。
だから、当事者以外に漏れることはない。おかげで俺は伝説扱い。田中だって同じ方法で攻めてたら夏休み終わる頃には数人除いて終わってただろうよ。」
確かに、同学年の話を聞いてる分には一人に対する時間は限りなく短かった。
力の差が歴然だったから。
それを思えば颯斗の言うとおりだろう。
しかし、合法リンチなど盲点過ぎる。
ルールという守らなければならないものという固定概念がなければ思い至ってもおかしくないが、確固たる概念がその考えまでを阻んでいるように思う。
颯斗はその点、とても頭が柔らかいのかもしれない。
それか、ルールを守らないといけないという考えすら持っていないのかもしれない。
「それで勝ち上がってきたなら、颯斗って滅茶苦茶強いんだね。」
「そうだな。あの学校で、俺を知らなかったのは多分お前だけだからな。」
「そうなの?」
「ちなみに、学校だけじゃないよ。この辺でストリートヤンキーしてるような奴は全員知ってる。颯斗は、鷹山のトップだけで留まってる人間じゃないから。だから亀ちゃんみたいな真面目な子と関わるような人じゃないよ。」
ソファーに寝たまま携帯を弄っていた市瀬は話を聞いていたようで、そうやって颯斗のことを教えてくれる。
俺が思ってたよりもかなりの悪らしい。
そうは見えないのだが、俺がその世界に疎いせいなのかもしれない。
「もし俺に勝つことが出来たなら、それは鷹山のトップよりも自慢出来ることだろうな。俺は小学校低学年の時以来、誰にも負けたことがないからな。」
「そんなに強い人だったんだ。じゃあ市瀬さんたちも?」
「そうなのねーん。普通は、颯斗に会う前に俺らに会って皆逃げるからね。俺にガンガンに話しかけてきたのも亀ちゃんだけだよ。亀ちゃんが逃げ込んできた時もアイツ等の慌てよう凄かったでしょ。それに、多田が言ってたでしょ、殺されるからやめとけって。」
あれは颯斗と仲良くするのをやめとけという制止ではなかったのかと今になって知る。
かといって市瀬に気をつけろという理由だけでもなかったのだろうが。
「そういえばあの時はありがとうございました。突然飛び込んだのに助けてもらって。」
「本当に律儀な子だね。俺らは颯斗に言われたから動いたに過ぎないよ。礼を言われる筋合いはない。」
「でも、助けてもらったんで。颯斗に関わろうとして、色々迷惑かけたと思いますし。」
「その自覚があるんならもう別にいいよ。てか、敬語ももう別にいいよ。颯斗が許したなら突き放す理由もないし、俺のことも智くんとでも呼んで。さん付けとか擦り寄ってきてるみたいで虫唾が走る。あっちで黙ってるのも亮って呼べばいいよ。」
「じゃあお言葉に甘えてそうする。あとずっと気になってたんだけど、智くんって何でそんなに独特な語尾なの?」
「馬鹿っぽいでしょ?俺にはそう思われるほうが都合がいいのねーん。この話はここまでね。」
もしかすると、先ほど言っていた家の事に関係するのだろうか。
颯斗がこれだけ特別な環境下でここでほぼ同居生活を送っているなら、何かしらの事情があるのかもしれない。
本人たちが探って欲しくないと言っているなら、俺はそれに従うことしかできない。
俺自身は勝手に調べられてしまったが、だからと言って俺も仕返しにとは考えられない。
知られたくないことを知られることは俺が一番嫌だと知っているから。
おまけに、鷹山はトップの絶対的な価値を求めてきてる奴らばっかりだ。少なからず自分の腕に自信がある奴らだから、余計にそんな状態で負けただなんて言えねぇよ。側近も自分が慕えてる人がそんな状態で負けただなんて貶めるようなこと出来るわけがない。
だから、当事者以外に漏れることはない。おかげで俺は伝説扱い。田中だって同じ方法で攻めてたら夏休み終わる頃には数人除いて終わってただろうよ。」
確かに、同学年の話を聞いてる分には一人に対する時間は限りなく短かった。
力の差が歴然だったから。
それを思えば颯斗の言うとおりだろう。
しかし、合法リンチなど盲点過ぎる。
ルールという守らなければならないものという固定概念がなければ思い至ってもおかしくないが、確固たる概念がその考えまでを阻んでいるように思う。
颯斗はその点、とても頭が柔らかいのかもしれない。
それか、ルールを守らないといけないという考えすら持っていないのかもしれない。
「それで勝ち上がってきたなら、颯斗って滅茶苦茶強いんだね。」
「そうだな。あの学校で、俺を知らなかったのは多分お前だけだからな。」
「そうなの?」
「ちなみに、学校だけじゃないよ。この辺でストリートヤンキーしてるような奴は全員知ってる。颯斗は、鷹山のトップだけで留まってる人間じゃないから。だから亀ちゃんみたいな真面目な子と関わるような人じゃないよ。」
ソファーに寝たまま携帯を弄っていた市瀬は話を聞いていたようで、そうやって颯斗のことを教えてくれる。
俺が思ってたよりもかなりの悪らしい。
そうは見えないのだが、俺がその世界に疎いせいなのかもしれない。
「もし俺に勝つことが出来たなら、それは鷹山のトップよりも自慢出来ることだろうな。俺は小学校低学年の時以来、誰にも負けたことがないからな。」
「そんなに強い人だったんだ。じゃあ市瀬さんたちも?」
「そうなのねーん。普通は、颯斗に会う前に俺らに会って皆逃げるからね。俺にガンガンに話しかけてきたのも亀ちゃんだけだよ。亀ちゃんが逃げ込んできた時もアイツ等の慌てよう凄かったでしょ。それに、多田が言ってたでしょ、殺されるからやめとけって。」
あれは颯斗と仲良くするのをやめとけという制止ではなかったのかと今になって知る。
かといって市瀬に気をつけろという理由だけでもなかったのだろうが。
「そういえばあの時はありがとうございました。突然飛び込んだのに助けてもらって。」
「本当に律儀な子だね。俺らは颯斗に言われたから動いたに過ぎないよ。礼を言われる筋合いはない。」
「でも、助けてもらったんで。颯斗に関わろうとして、色々迷惑かけたと思いますし。」
「その自覚があるんならもう別にいいよ。てか、敬語ももう別にいいよ。颯斗が許したなら突き放す理由もないし、俺のことも智くんとでも呼んで。さん付けとか擦り寄ってきてるみたいで虫唾が走る。あっちで黙ってるのも亮って呼べばいいよ。」
「じゃあお言葉に甘えてそうする。あとずっと気になってたんだけど、智くんって何でそんなに独特な語尾なの?」
「馬鹿っぽいでしょ?俺にはそう思われるほうが都合がいいのねーん。この話はここまでね。」
もしかすると、先ほど言っていた家の事に関係するのだろうか。
颯斗がこれだけ特別な環境下でここでほぼ同居生活を送っているなら、何かしらの事情があるのかもしれない。
本人たちが探って欲しくないと言っているなら、俺はそれに従うことしかできない。
俺自身は勝手に調べられてしまったが、だからと言って俺も仕返しにとは考えられない。
知られたくないことを知られることは俺が一番嫌だと知っているから。
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