【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第四章 力の格差

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幼馴染ということもあるのだろうが、本当に仲がいいらしい。
リビングのソファーに颯斗が腰掛け、隣に座ることを促されたので素直に座りながら俺はまだ質問を繰り出す。

「颯斗って、学校にいる時とかはあんまり笑わないよね。何で?」

「んー、話やすい奴だと思われたら色々面倒だから?どうせトップってだけで皆一歩引いて取り巻きになるから、仲良くなろうったって限度があるし、仲良くなったら下手に突っ込んでくるやつもいるし。俺はあっちこっちに話すつもりはないし。」

「俺は良かったの?」

「いいんだよ。俺が関わりてぇって思ったんだし、それにお前は俺がトップだからってしっぽ振って媚び売るタイプでもねぇし。」

「それはそうだけど、俺京介の側近って言われてるのに。危ないとか思わなかった?」

「んー、別に?だってお前どう見たって鷹山のトップとか興味ねぇんだもん。その点、田中たちもお前を通して何かをしようとかの意思もなかったし、純粋に友達として遊んでるだけっつーのが見てて分かったから。」

「うん。京介たちは俺の大切な友達だから。俺に自由を教えてくれた初めての友達なんだ。だから虐めないでね。」

「俺は虐めてねぇよ。それに俺は待ってるだけだしな。」

「そういえば、颯斗の下克上の話京介たちから聞いたけど、どうやって成し遂げたか知らないって言うんだ。どうやったの?」

「颯斗くんどこまで許してんのねーん。」

その時俺の右側に座っていた市瀬がソファーに寝そべってこちらに顔を寄せながら止めに入ってきた。
今まで颯斗を守ってきたものとして気になるのだろうか。

「全部。親のこともこの家のことも話した。」

そう聞いた市瀬は大きく溜め息をついた。

「颯斗には危機感ってものがないの?」

「何でだよ。言っただろ、全部話すって。」

「亀ちゃんが田中たちに喋らないって確証はどこにもないのに?」

「俺はこいつを信じてる。話すようなやつじゃない。」

「あっそ。好きにすればいいけど俺達の家のことまで喋らないでよ。話すのは自分の事だけにして。」

「分かってるっつの。」

「市瀬さんたちも事情ありなの?」

「さぁ?情報の価値は俺にはよく分かんねぇから。んで、さっきの話は別に難しいことじゃねぇよ。俺が一人ずつじゃなくて複数人まとめてぶっ潰しただけだから。5人とか6人とか。別々に同じ時間の同じ場所に来いって言って、一網打尽。だから早かっただけ。」

「でもタイマンが基本ルールじゃないの?」

「だって考えてもみろよ。対決しようって俺が言って、相手は一人で来たのに俺が二人とかで襲うんだったら卑怯だけど、俺が何人も呼んだんだぜ?それで負けたなら自業自得だし、俺はトップ争いで即敗退ってだけで、そいつらにデメリットなんてねぇだろ。何なら、合法で複数人で俺を叩けるんだからむしろラッキーじゃない?」

「屁理屈のような賢いような。でもそれが早かった理由だとして、何で誰も知らないの?一人ぐらい知ってても良さそうなのに。」

それに颯斗は何故だか楽しそうに笑っている。
感情を素直に言葉に出すだけあって、感情表現も豊からしい。
こちらのほうが親しみやすくて好きなのだが、トップというのも大変なんだなと思わざるを得ない。
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