【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第五章 落ち着くのは

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颯斗の家に連れてこられれば、俺は生活するに当たって必要な勝手を教えてもらった。
基本的なルールはなく、みんな自由に過ごしているらしい。

幸い京介たちがよく泊まりに来ていたので、人が多い環境下は慣れている。
然程に困ることはないだろう。

俺はその日バイトもなく、することもないので晩ご飯を作ることにした。
ここでは基本的に外食で、智くんか颯斗が気が向いたらたまに作るというぐらいらしいので、守ってもらっているお礼に苦痛でもないので晩ご飯を担当することにした。

家に買い置きしていた食材を持ち込んだので、足りないものを颯斗について来て貰って購入し、俺は4人分のご飯を作り始めた。
俺たちが帰宅したときには誰もいなかったが、ご飯を作り終わる頃には全員帰ってきたので、それらを振舞うことにした。

皆の口にあったようで好評であり、会話もお互いの素性話から趣味の話や流行の話をするようになり、俺は少しずつだがこのグループに馴染んでいった。


1週間もすればそこでの生活リズムに慣れ、みんなと毎日共同生活をすることにも慣れた。
その間に智くんと亮が実家に帰ることはなく、常にこの場所にいた。

もしかしたら何かしらの事情があって家に帰らないのかも知れないと考えたが、俺はそれを尋ねるようなことはしなかった。
きっと2人に関しては距離感を弁えておいたほうがいいだろう。

その点颯斗は全てをオープンにしてくれており、俺に合わせて常に家にいてくれたので、俺はほぼ颯斗と生活を共にしていた。
それは極自然であり、隣にいることに違和感もなく、むしろ隣にいないと少し寂しいと感じる程だった。

かなり依存をしてしまっている自覚はあるが、毎日抱きしめて寝てくれるおかげであの日以来俺は夢を見ておらず、その安心感もあって余計に颯斗にのめり込んだ。


そんな今日は土曜であり、俺はバイトを昼からフルタイムで入っていたのだが、あまりの忙しさに残業をお願いされ、当初の20時を過ぎて22時に終わった。
おかげで俺は疲れ果てていたので、皆とリビングで話をしていたが、先に寝ることを申し出た。

すると颯斗もついてこようとするので、話の途中で切り上げさせるのは申し訳なかった俺は、調子がいいから一人で大丈夫だと断った。
実際、あの日以来夢は見ていないし、安眠できている。
少々一人でも大丈夫だろうと思ったのだ。

颯斗も俺が一度もうなされていないことを知っていたので、了承をしてくれ、颯斗の匂いのするベッドに一人体を潜り込ませ、疲労でそろそろと眠りへと落ちていった。
しかし、俺は自分の中での颯斗の大きさを思い知ることになる。
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