150 / 261
第五章 落ち着くのは
150
しおりを挟む
「ねぇ、颯斗。やっぱり気になるからもう一度聞くんだけど、今日、本当に女の人抱いてないの?」
洗い終えて広い湯船に並んで浸かり、ボディーソープの違う匂いを漂わせている颯斗の匂いを感じながら、俺はそう問いかけた。
そんな俺を横目に見ながら颯斗は不思議そうに首を傾げた。
「抱いてないって言ったはずだけど。信じれない?」
「そういうわけじゃないけど、やっぱりにおいが気になったから。さっきしてる時も、颯斗の匂いに混じって違うにおいがしてたのが気になって。」
「そっか。柚希は鼻がいいんだな。けど、本当に抱いてない。正確に言えば、抱こうとしたけど抱けなかった。」
抱こうとしたという事実に俺の胸は少しだけ痛んだ。
しかし、流石に付き合う前のことを咎める権利は俺にはない。
「柚希が言うように、VIPルームは何でもありだし、外から干渉されることもない。だから女を連れ込むこともある。柚希を傷つけてむしゃくしゃしてたから、女でも抱いて発散しようと思った。処理すれば柚希を襲わずに済むかもしれないとも思ったから。でも、ダメだった。柚希に触れた時の感覚も、漏らした吐息も、濡れた表情も、柚希のにおいも、全部が鮮明すぎて、それを上回る興奮が得られなくて、どうにも気分が乗らなかった。裸の女が目の前にいても、触ってもピクリとも反応しなかった。むしろ、もっと柚希に触れたくなって、俺の手でぐちゃぐちゃにしたくて堪らなくて、だから帰るつもりはなかった。田中たちのことは智たちがどうにかしてくれるだろうって思ったから。」
やはりあの時の反応は図星だったのだ。
颯斗はそのまま俺の前から消えるつもりだったのだ。
学校で颯斗を見かけるのは困難。
空き教室にたまるのをやめられたら、颯斗と会うことは不可能になるだろう。
家に行っても出てはこないだろうし、情報操作や周りを撒くことができない俺は、下手に家に行っては迷惑をかけることになる。
あの時本当に颯斗を見つけることが出来てよかった。
そうでなければ、今頃俺達の関係は砕け散っていただろうから。
洗い終えて広い湯船に並んで浸かり、ボディーソープの違う匂いを漂わせている颯斗の匂いを感じながら、俺はそう問いかけた。
そんな俺を横目に見ながら颯斗は不思議そうに首を傾げた。
「抱いてないって言ったはずだけど。信じれない?」
「そういうわけじゃないけど、やっぱりにおいが気になったから。さっきしてる時も、颯斗の匂いに混じって違うにおいがしてたのが気になって。」
「そっか。柚希は鼻がいいんだな。けど、本当に抱いてない。正確に言えば、抱こうとしたけど抱けなかった。」
抱こうとしたという事実に俺の胸は少しだけ痛んだ。
しかし、流石に付き合う前のことを咎める権利は俺にはない。
「柚希が言うように、VIPルームは何でもありだし、外から干渉されることもない。だから女を連れ込むこともある。柚希を傷つけてむしゃくしゃしてたから、女でも抱いて発散しようと思った。処理すれば柚希を襲わずに済むかもしれないとも思ったから。でも、ダメだった。柚希に触れた時の感覚も、漏らした吐息も、濡れた表情も、柚希のにおいも、全部が鮮明すぎて、それを上回る興奮が得られなくて、どうにも気分が乗らなかった。裸の女が目の前にいても、触ってもピクリとも反応しなかった。むしろ、もっと柚希に触れたくなって、俺の手でぐちゃぐちゃにしたくて堪らなくて、だから帰るつもりはなかった。田中たちのことは智たちがどうにかしてくれるだろうって思ったから。」
やはりあの時の反応は図星だったのだ。
颯斗はそのまま俺の前から消えるつもりだったのだ。
学校で颯斗を見かけるのは困難。
空き教室にたまるのをやめられたら、颯斗と会うことは不可能になるだろう。
家に行っても出てはこないだろうし、情報操作や周りを撒くことができない俺は、下手に家に行っては迷惑をかけることになる。
あの時本当に颯斗を見つけることが出来てよかった。
そうでなければ、今頃俺達の関係は砕け散っていただろうから。
0
あなたにおすすめの小説
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる