【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第六章 干渉

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実家の最寄り駅で降り立てば、懐かしい雰囲気と空気に俺の心は益々重くなった。
昔通っていた塾は駅前にあり、よく駅前には来ていた。

あの時は周りに何があるのかという興味を抱いたことはなかったが、今改めて地元の駅前を見渡してみて、意外と遊ぶところが多かったことを知った。
あの時は遊ぶ暇などなかったので気に留めたこともなかった。

京介たちとよく食べに行くチェーン店やゲームセンター、複合施設。
こんなにも遊ぶところに富んでいただなんて知らなかった。
あの時の俺は、本当にその目的にのみ動いていたことがよく分かる。

辺りを見渡しながら駅前で少し待っていれば、母親がロータリーに現れ、俺はその車の後部座席に乗り込む。

「思ったより元気そうね。」

母親の最大限の皮肉だろう。
バックミラーで俺の顔を確認しており、その視線をかわすように窓の外へと視線を向けた。

「おかげさまで、楽しく生活出来ています。」

「どういう意味か、敢えて今は聞かないでおくわ。お父さんも夜には帰ってくるから、話をするといいわ。服とかは持ってきたんでしょうね?」

「はい。」

俺の皮肉に神経を逆撫でされたようで、声に重みが加わる。
やはり、服を持ってきておいて正解だった。
電車に揺られながらバイト先の先輩に連絡を入れており、代わってもらったのでその点の心配もない。

自分の予想が当たって嬉しく思うどころか気分が重くなる。
出来ることなら当たらないで欲しかった。
杞憂で済めばいいと思っていたが、母親が何を要求してくるのか分かってしまうのは、長年の経験だろう。
小さい頃からそうだった。

こうしなさいが常だった俺は、大概両親が求めるものが分かった。
よく飼いならされたものだと思う。
そんな自分に嫌気がさす。

実家に帰宅するまでの間、母親とはそれ以外の会話はなかった。
どうせ家に着けば根掘り葉掘り聞かれるのだろうが、ふと京介が入学時に言っていた、淡白な親だといった言葉を思い出す。

特に思ったこともなかったが、京介の言うとおりだ。
両親の興味は俺ではなく、俺に付けられた警視総監の息子という立場だ。
その立場でしなければならないこと、その立場に必要なものを与えているという感覚。
俺が両親に不快感を抱くのは、当然のことなのかもしれない。
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