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第六章 干渉
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「本当に、友達と遊ぶのが楽しかったので、その先で色々お世話になっていました。その間は、勉強はサボってました。すみません。」
「一体何を考えているのかしら。一人になった途端、遅刻や欠席、バイトに無断外泊。羽目を外しすぎよ。そんなに悠長なことをしていたら大学なんて行けないわ。それとも、周りの子がいけないのかしらね。入学式で制服すらまともに着れないような子達と遊んでいるんじゃないでしょうね?それに影響を受けて不良に憧れるだなんて、馬鹿なことは言わないわよね?」
「それは違います。悪い人たちじゃないです。皆礼儀正しくて、優しい人たちですから。」
「だとしたら、あなたは何をそんなに羽目を外しているのかしら。私は遊ぶために一人暮らしをさせたわけじゃないわ。通学の時間がもったいないから一人暮らしを許したのよ。一人になって自制がきかないなら帰ってきなさい。始発で出れば学校は間に合うわよね?それに、その通学時間で勉強もしたらいいわ。」
「すみません、もうこのようなことはしません。電車の遅延もないわけではないですし、授業に参加できないことも考えられるので、今のまま通わせてください。本当に、今後は一切このようなことはしませんから。お願いします。」
そう頭を下げる俺に、母親は小さく鼻を鳴らした。
下手に出ている俺に満足しているのかもしれない。
「どれもこれも、大学判定の結果次第ね。結果が悪ければ即刻帰ってきなさい。今度は有無は言わさないわ。分かったわね。」
「はい、ありがとうございます。」
「お父さんが帰ってくるまで、好きにするといいわ。中学の同級生にでも会ってきたら?今頃きっと、皆志望大学を決めて勉強を始めているはずよ。話を聞いて感化されてくるといいわ。」
そう言って母親は席を外したので、俺は言葉を返すことなく立ち上がり、残されている自室へと向かった。
約1年ぶりに訪れた俺の部屋は、ここと生活していた時と変わりはない。
几帳面な母親は、俺の部屋を定期的に換気や掃除をしていたのだろう。
1年人が足を踏み入れていない割りに埃っぽくもなく、清潔さが保たれている。
ここには高校卒業後戻ってくると分かっていたので、向こうの家にあるものは全て新調されたものだった。
戻ってくる時に売ればいいという発想だ。
ここにあるものは昔の記憶がこびりついており、居心地が悪く感じてしまう。
何もやる気が起きずベッドに横になっていると、扉がノックされて母親が俺を呼ぶ声が聞こえた。
体を起こして扉を開ける。
「言い忘れてたけど、明日は北条先生の還暦のお祝いに行くから、あなたも一緒にいくわよ。分かったわね。」
「はい、分かりました。」
その返事に母親は納得してまた階下へと下りていく。
俺はまた自室に入り、ベッドに寝転がった。
北条先生とは、父親の恩師だ。
子供の頃からよく家に遊びに行っており、俺を孫のように可愛がってくれていた人である。
入学式や卒業式など、ことある行事ごとにお祝いをしてくれたりしてくれる人で、そんな先生によく顔を見せに行っていた。
今回の入学は父親が恥だと思っているので卒業時も入学時も会っていないので、最後は中二の年始の挨拶時だろうか。
父親は今でも俺を恥だと思っているはずなのだが、今回一緒に行くということは、もしかすると先生が俺に会いたがっているのかもしれない。
今回呼び出されたのは説教ではなく、先生のことがメインだったのだろう。
ついでに説教などとても気分が悪いが、考えたところで仕方がない。
帰省のことも先生のことも俺に拒否権などないのだから。
「一体何を考えているのかしら。一人になった途端、遅刻や欠席、バイトに無断外泊。羽目を外しすぎよ。そんなに悠長なことをしていたら大学なんて行けないわ。それとも、周りの子がいけないのかしらね。入学式で制服すらまともに着れないような子達と遊んでいるんじゃないでしょうね?それに影響を受けて不良に憧れるだなんて、馬鹿なことは言わないわよね?」
「それは違います。悪い人たちじゃないです。皆礼儀正しくて、優しい人たちですから。」
「だとしたら、あなたは何をそんなに羽目を外しているのかしら。私は遊ぶために一人暮らしをさせたわけじゃないわ。通学の時間がもったいないから一人暮らしを許したのよ。一人になって自制がきかないなら帰ってきなさい。始発で出れば学校は間に合うわよね?それに、その通学時間で勉強もしたらいいわ。」
「すみません、もうこのようなことはしません。電車の遅延もないわけではないですし、授業に参加できないことも考えられるので、今のまま通わせてください。本当に、今後は一切このようなことはしませんから。お願いします。」
そう頭を下げる俺に、母親は小さく鼻を鳴らした。
下手に出ている俺に満足しているのかもしれない。
「どれもこれも、大学判定の結果次第ね。結果が悪ければ即刻帰ってきなさい。今度は有無は言わさないわ。分かったわね。」
「はい、ありがとうございます。」
「お父さんが帰ってくるまで、好きにするといいわ。中学の同級生にでも会ってきたら?今頃きっと、皆志望大学を決めて勉強を始めているはずよ。話を聞いて感化されてくるといいわ。」
そう言って母親は席を外したので、俺は言葉を返すことなく立ち上がり、残されている自室へと向かった。
約1年ぶりに訪れた俺の部屋は、ここと生活していた時と変わりはない。
几帳面な母親は、俺の部屋を定期的に換気や掃除をしていたのだろう。
1年人が足を踏み入れていない割りに埃っぽくもなく、清潔さが保たれている。
ここには高校卒業後戻ってくると分かっていたので、向こうの家にあるものは全て新調されたものだった。
戻ってくる時に売ればいいという発想だ。
ここにあるものは昔の記憶がこびりついており、居心地が悪く感じてしまう。
何もやる気が起きずベッドに横になっていると、扉がノックされて母親が俺を呼ぶ声が聞こえた。
体を起こして扉を開ける。
「言い忘れてたけど、明日は北条先生の還暦のお祝いに行くから、あなたも一緒にいくわよ。分かったわね。」
「はい、分かりました。」
その返事に母親は納得してまた階下へと下りていく。
俺はまた自室に入り、ベッドに寝転がった。
北条先生とは、父親の恩師だ。
子供の頃からよく家に遊びに行っており、俺を孫のように可愛がってくれていた人である。
入学式や卒業式など、ことある行事ごとにお祝いをしてくれたりしてくれる人で、そんな先生によく顔を見せに行っていた。
今回の入学は父親が恥だと思っているので卒業時も入学時も会っていないので、最後は中二の年始の挨拶時だろうか。
父親は今でも俺を恥だと思っているはずなのだが、今回一緒に行くということは、もしかすると先生が俺に会いたがっているのかもしれない。
今回呼び出されたのは説教ではなく、先生のことがメインだったのだろう。
ついでに説教などとても気分が悪いが、考えたところで仕方がない。
帰省のことも先生のことも俺に拒否権などないのだから。
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