【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第六章 干渉

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俺はその後暫くはボーっとしていたが、大学判定のことを考えてこちらに置いてある参考書を読むことにした。
時間は限られている。
最大限利用しなければ、都内屈指の大学に対してA判定はもらえない。

1年勉強をサボっていたなら尚更だ。
この1年のブランクを2ヶ月で埋めなければならないのだから。

集中力はある方なので、俺は数時間ずっとその場で参考書に目を通し続け、必要である場所にマーカーを引きながら勉強をした。
そうしているうちに父親は帰宅し、ご飯の支度が整えば最悪の食卓へとつく。

「1年間、一度も帰省せず何をしていた。」

まるで取調べでもするかのように父親は俺に問いかけた。
職業病だろうか。
父親が話すときはいつもこうだった。

「学校生活とバイトが忙しくて時間がありませんでした。すみません。」

「バイトを許可した覚えはないが?」

「自分の勝手な判断で始めました。すみません。」

「バイトは校則違反だろう。それに未成年の就労は保護者の同意が大前提だ。そんな勝手が許されると思っているのか。ルールは守るものだと教えたはずだがそんなことも守れないのか?」

「すみません。安易な行動でした。」

「今すぐやめなさい。ルールを破ってまですることではない。」

「すみません。自分勝手なお願いになるのですが、続けさせてもらえませんか。途中で投げ出したくはありません。」

「ルールを破って継続することに意味はない。続けたところで高校を卒業すれば辞めるのだから変わりはない。やめなさい。」

母親と違って父親は有無を言わさない。
だから苦しい。逃げ道がないから。

「あの高校は、自分が勝手に決めたところなので、せめてその償いとして生活費を稼ぎたいんです。ご迷惑はおかけしません。許してもらえませんか。」

「迷惑をかけるかけないの問題ではない。ルールを守るか守らないかの問題だ。警視総監の息子としてルールを守らないということは許されない。生活費は母さんが振り込んでいるんだろう。それで足りるはずだ。必要はない。」

何度言っても答えは同じだ。
どう訴えようと、全ては警視総監の息子としてふさわしい行動が最優先。
俺にそれを覆す力はない。

「はい、分かりました。」

俺が素直に肯定したのは、父親の説教に屈したからではない。
今までバレなかったのであれば、振込みから生活費をおろして隠蔽工作をすれば、バレずに済むのではないだろうかと考えたからだ。

とりあえずはその方法で続けてみるのも1つの手だろう。
突然やめてしまっては、良くしてくれる店長に申し訳が立たない。
扶養内で働くようには気をつけているし、親に通知がいくこともない。
これだけ離れた場所で暮らしていたら、バレる可能性は限りなく少ないだろう。
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