【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第六章 干渉

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客間の大きな円卓に先生が座り、その左右を俺と父親が挟むように座って、向かいに母親と先生の奥さんが座った。
あちらは女性同士でトークを繰り広げている。

先生は基本的に父親と話しており、俺はその話を聞きながら邪魔にならない程度に軽いリアクションを取って、話を聞いているという意思表示をして過ごす。
俺が口を開く時は先生が俺のことで興味を示したことを質問してきた時ぐらいだ。

「柚希くん、この後何か予定はあるのかい?」

「いえ、何もないです。先生のために一日空けておいたので。」

そんなお世辞を言いながら俺は嫌な予感がしていた。
態々聞いてくるということは、この後の時間に余裕があるのかどうかを確認しているということだ。
何かをしようとしているのかもしれない。

「それなら僕の買い物に付き合ってくれないかな?柚希くんにも何か買ってあげるよ。」

「僕はいいですよ。先生の誕生日なんですから。買い物でしたらいくらでもお付き合い致しますよ。」

「ありがとう。大学に着ていくスーツを一緒に見立てて欲しいんだ。相手が若い子だからね、少しでも若い子ウケしといたほうが、親しみやすいかと思って。」

「先生は元々親しみやすいじゃないですか。僕なんかでお力になれればいいのですが。」

「十分だよ。柚希くんが選んでくれたってだけでも嬉しいよ。もう少ししたら一緒に出よう。柚希くんちょっと借りてもいいかな?」

先生は父親のほうに顔を向けながらそう問いかける。

「どうぞ好きなだけ連れまわしてください。私達はご一緒しなくて大丈夫ですか?」

「問題ないよ。僕達は子供がいないからね、こうやって孫みたいに会いにきてくれる柚希くんと買い物に行きたいんだ。君達はうちの家内と話しててもいいし、先に帰っても大丈夫だよ。柚希くんは僕が責任持って送るから。」

「少し遠いですが大丈夫ですか?」

「問題ないよ。家の場所は覚えているからね。少し着替えてくるから待っててくれるかな。」

「はい。ゆっくりで大丈夫ですよ。待ちますから。」

「ありがとね。」

そう言って先生は席を立ち、部屋を出て行く。

面倒なことになってしまった。
終わったら帰る予定だったのだが、 終電に間に合えばいいレベルになってしまった。
俺に拒否権などないのだから仕方がないが、早く帰りたかった。
寝不足も相まってそれなりにしんどい。

そこで奥さんの話を聞きながら時間を潰していれば、外出用のスーツに着替えた先生が姿を現し、俺は先生の運転する車に乗り込んで出かけた。
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