【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第六章 干渉

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「あのジジイと何して過ごしたんだよ?」

「特別な何かはしてないよ。お昼を家でご馳走になって、買い物に付き合って欲しいって言うから、スーツを選びにいって、俺も何故か買い与えられて、帰りに写真撮って晩ご飯一緒して家に送ってもらった。」

「んだよそれ。もうデートじゃん。そのスーツは?どこ?」

「実家に置いてきたよ。別に着る予定ないし。先生の前で着る用だよね。」

「は?まだ会うつもりかよ?」

「それは断れないよ。呼び出されたら俺は行かないと。俺は会いたくなくても、父親の付き合いだから。関係にヒビが入るようなことは許されないよ。」

颯斗は俺の言い分を理解できないわけではないが、気持ち的に受け入れられないのだろう。
あの写真があったからこそ余計だ。
俺も颯斗の気持ちが分からないわけではないが、こればかりはどうしようも出来ない。

「気分変わった。俺とデート行こうぜ。初デート。あんなジジイよりも最高に楽しい思いさせてやるよ。」

「対抗しなくたって颯斗といれるだけで俺は十分楽しいよ。」

「ダメだ。俺が行くって言ったら行くんだよ。柚希んち帰るぞ。キャップ持ってるか?」

「一応持ってるけど、何で?」

「悪ぃけど街歩いてるときはかぶっといてくれるか?俺はどう隠してもバレっから、柚希に迷惑かけねぇためにも。」

きっと鷹山の生徒相手の話だろう。
そんな弊害があるとは正直びっくりだ。
俺といる時に外で遊ぼうとしないのは、それが原因だったのかもしれない。

今回ばかりはどうしても先生に対抗したいらしい。
別に先生と外で過ごしたからといって楽しくとも何ともなかったのだが、俺達がまだデートらしき事をしていないにも関わらず、先生に先を越されたのが気に食わないのだろう。

こんなにも素直に嫉妬していることを表現している颯斗はとても可愛い。
いつも余裕たっぷりでかっこいい姿しか見ていないので、これぐらい余裕がなくて必死になっているのは、新鮮でいいかもしれない。

俺は颯斗に連れられて自分の家に帰宅し、着替え終われば颯斗に連れられて街へと繰り出す。
颯斗と一緒にいるだけで俺は嬉しいのでどこに行っても楽しいし、元々好みが合うこともあって、実家であったことも忘れて遊んだ。

その間に颯斗は俺の見知らぬ人に何度か話しかけられており、その度に今は暇じゃないと突き放して街を練り歩いた。
もしかすれば鷹山の人ではなく、ストリート関係の人なのかもしれない。
上級生の人をあまり把握していない俺にはそれがどちらの人なのかは分からなかったが、キャップを深くかぶっていたこともあって顔はバレていないだろう。
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