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第六章 干渉
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「そう言えば、柚希は何しにあっち帰ってたんだよ?」
颯斗が思い出したように俺が実家に帰っていた理由を尋ねてくる。
「んー、名目としては先生の誕生日祝いだけど、主は親の説教かな。」
「説教?何の。」
「全部。遅刻も欠席も、バイトも無断外泊も全部バレて1日中説教。俺、大学判定試験A判定もらわないとあの家引き払って実家に帰らないといけないんだって。」
「は?何それ。どういう状況?何をそんな怒られることがあんだよ?」
「ルールは守ることが大前提だから。バイトは校則違反だから辞めろって。親に無許可で外泊なんて言語道断。遅刻も欠席も体調不良のせいにしたから、体調管理も出来ないなら一人暮らしはまだ早いって。下手したら、編入させるってさ。」
「は?お前のとこの親頭おかしくない?」
颯斗は到底理解出来ないというように眉をひそめている。
「そうかもね。だから俺勉強しないといけなくて。この1年サボっちゃったから、5月にある試験までに穴埋めしないといけないんだ。5月はバイトも休ませてもらわないといけないと思う。」
「柚希って大学行くの?あの学校別にそこまで進学率よくねぇよ?」
「関係ないよ。大学は自力で受かるものだから。いざとなれば予備校にでも行かされるんじゃないかな。」
「柚希は行きたいわけ?」
「そんな訳ないじゃん。別に大学に行きたいだなんて思ってない。俺は早く働いて親から自立したいけど、許されないから。親が言ったなら俺はそれに従わないといけない。」
「何で?嫌なら行かなきゃいいんじゃねぇの?」
「俺は颯斗みたいに自由になれないよ。親の言うことは絶対だから。俺は逆らえない。」
そういう俺の頭を颯斗は徐に撫で回した。
乱雑に撫でられ髪はボサボサになってしまう。
「じゃあ俺柚希の大学の近くで就職しようかな。」
「何それ。俺がどこの大学行くかも分からないのに?」
「そんなもんどこだって構わねぇよ。俺は今年就職だから、先に働いて金貯めて、柚希の大学に合わせて家借りんの。そこで一緒に住もうぜ。遠い大学なら俺も就職先を変えればいい。俺には伝が沢山あるから。どこへでも行ける。」
「颯斗なら難なく叶えそうだね。」
「叶えそうじゃねぇんだよ、叶えるんだよ。俺は嘘は言わない。」
「でも、俺が受ける大学、家からそんなに遠くないから実家から出してもらえるとは思えないよ。」
「それは柚希が頑張るんだよ。実家にいんのと俺と住むの、どっちがいいんだよ。」
「そんなの颯斗と一緒に住むほうがいいに決まってる。」
「なら飛び出せばいい。許してもらえねぇなら俺が柚希を連れ出しに行ってやる。そんなに心配することはねぇ。サツから逃れる隠れ蓑なんていくらでも作れる。俺のストリート時代の経験は無駄じゃねぇよ。」
「頼もしいな。颯斗となら何でも頑張れそう。」
「だろ?お前は俺といるべきなんだよ。そう簡単には手放さねぇぞ。覚悟しろよ。」
「颯斗って思ったより束縛激しいよね。俺の体にあんなに痕つけて。」
「俺のテリトリーに入った奴は良くも悪くも逃がさねぇよ。残念だったな。俺と付き合ったばっかりに前の生活には戻れねぇぞ。」
「怖いなぁ。いつか監禁されちゃったりして。」
「柚希が逃げようとしたらありえるかもな。」
「本当になりそうで怖いよ。」
「柚希が逃げなきゃそんなことしねぇよ。」
そう話してはいるが、別に怖いことはなかった。
むしろ、颯斗に監禁されれば俺は親の追っ手から逃げられ、颯斗の情報操作によって俺の姿は隠されるのではないかという淡い期待さえもあるぐらいだった。
親から逃げられるのであればそれでも構わないと思ってしまう俺はきっと相当参っている。
出来ることなら逃げ出したいぐらいだ。
しかし、それは許されない。
俺は成し遂げなければならないのだから。
颯斗たちとの生活を死守するためには。
颯斗が思い出したように俺が実家に帰っていた理由を尋ねてくる。
「んー、名目としては先生の誕生日祝いだけど、主は親の説教かな。」
「説教?何の。」
「全部。遅刻も欠席も、バイトも無断外泊も全部バレて1日中説教。俺、大学判定試験A判定もらわないとあの家引き払って実家に帰らないといけないんだって。」
「は?何それ。どういう状況?何をそんな怒られることがあんだよ?」
「ルールは守ることが大前提だから。バイトは校則違反だから辞めろって。親に無許可で外泊なんて言語道断。遅刻も欠席も体調不良のせいにしたから、体調管理も出来ないなら一人暮らしはまだ早いって。下手したら、編入させるってさ。」
「は?お前のとこの親頭おかしくない?」
颯斗は到底理解出来ないというように眉をひそめている。
「そうかもね。だから俺勉強しないといけなくて。この1年サボっちゃったから、5月にある試験までに穴埋めしないといけないんだ。5月はバイトも休ませてもらわないといけないと思う。」
「柚希って大学行くの?あの学校別にそこまで進学率よくねぇよ?」
「関係ないよ。大学は自力で受かるものだから。いざとなれば予備校にでも行かされるんじゃないかな。」
「柚希は行きたいわけ?」
「そんな訳ないじゃん。別に大学に行きたいだなんて思ってない。俺は早く働いて親から自立したいけど、許されないから。親が言ったなら俺はそれに従わないといけない。」
「何で?嫌なら行かなきゃいいんじゃねぇの?」
「俺は颯斗みたいに自由になれないよ。親の言うことは絶対だから。俺は逆らえない。」
そういう俺の頭を颯斗は徐に撫で回した。
乱雑に撫でられ髪はボサボサになってしまう。
「じゃあ俺柚希の大学の近くで就職しようかな。」
「何それ。俺がどこの大学行くかも分からないのに?」
「そんなもんどこだって構わねぇよ。俺は今年就職だから、先に働いて金貯めて、柚希の大学に合わせて家借りんの。そこで一緒に住もうぜ。遠い大学なら俺も就職先を変えればいい。俺には伝が沢山あるから。どこへでも行ける。」
「颯斗なら難なく叶えそうだね。」
「叶えそうじゃねぇんだよ、叶えるんだよ。俺は嘘は言わない。」
「でも、俺が受ける大学、家からそんなに遠くないから実家から出してもらえるとは思えないよ。」
「それは柚希が頑張るんだよ。実家にいんのと俺と住むの、どっちがいいんだよ。」
「そんなの颯斗と一緒に住むほうがいいに決まってる。」
「なら飛び出せばいい。許してもらえねぇなら俺が柚希を連れ出しに行ってやる。そんなに心配することはねぇ。サツから逃れる隠れ蓑なんていくらでも作れる。俺のストリート時代の経験は無駄じゃねぇよ。」
「頼もしいな。颯斗となら何でも頑張れそう。」
「だろ?お前は俺といるべきなんだよ。そう簡単には手放さねぇぞ。覚悟しろよ。」
「颯斗って思ったより束縛激しいよね。俺の体にあんなに痕つけて。」
「俺のテリトリーに入った奴は良くも悪くも逃がさねぇよ。残念だったな。俺と付き合ったばっかりに前の生活には戻れねぇぞ。」
「怖いなぁ。いつか監禁されちゃったりして。」
「柚希が逃げようとしたらありえるかもな。」
「本当になりそうで怖いよ。」
「柚希が逃げなきゃそんなことしねぇよ。」
そう話してはいるが、別に怖いことはなかった。
むしろ、颯斗に監禁されれば俺は親の追っ手から逃げられ、颯斗の情報操作によって俺の姿は隠されるのではないかという淡い期待さえもあるぐらいだった。
親から逃げられるのであればそれでも構わないと思ってしまう俺はきっと相当参っている。
出来ることなら逃げ出したいぐらいだ。
しかし、それは許されない。
俺は成し遂げなければならないのだから。
颯斗たちとの生活を死守するためには。
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