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第七章 従順な俺
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しかし、やはり颯斗が気さくに話せると分かると好奇心が沸き起こるのは止められない。
「火神って何でそんなに気さくなのに、学校じゃあんな仏頂面してんだ?」
「その方がかっこいいだろ。俺のイケメン度が増すから。」
「んだよそれ、俺真面目に聞いてんだけど。」
「俺も真面目に答えてるよ。」
「んっだよ、変な奴だな。あれか、話したくねぇってことか。亀は知ってんの?」
「颯斗がそう言うならそうなんじゃないの?」
「お前もかよ。ま、別にいーけどよ。話したくねぇなら無理には聞かねぇよ。俺が本当に知りてぇのはその強さの秘訣だからな。」
「俺に勝とうなんざ100年早いんだわ。」
「ざけんじゃねぇよ。ぜってぇ勝ってやる。」
京介の察しのよさと、相手の思いやりの心は本当に尊敬する。
少し素を見せたら土足で踏み込んでくるような奴は沢山いる。
それでも京介はきちんと弁えて相手の嫌がるようなことはしない。
喧嘩はするけど、人をきちんと思いやれる人だから。
その後も不思議な交流は続き、しまいには颯斗を交えてゲームをする始末で、俺はあまり気分が乗らないので傍観者に徹していたが、病み上がりということもあって眠気に襲われ、隣に座ってゲームをしている颯斗の膝を枕にして眠りに落ちた。
どれほど経ったのか、俺は自然と眠りから覚めて瞼を上げると、携帯を眺めている颯斗が視界にうつった。
周りは静かであり、ちらりとテレビ側を見ればそこには誰もいなかった。
「京介たちは?」
「お、起きた。帰ったよ。柚希起こしたらいけねぇからって。」
携帯を閉じて置きながら俺の質問に答えてくれ、空いた手で俺の髪をすく。
「そうだったんだ、気づかなかった。」
「気持ち良さそうに寝てたからな。ベッドで寝かした方がいいとは思ったんだけど、可愛かったからそのままにしちまった。」
「ごめんね、動けなくてしんどかったでしょ。」
そう言って俺はやっと颯斗のひざの上からどいてあげる。
「いーのに。甘えられてるって気がして良かったのに。」
「流石にね。颯斗ご飯食べた?」
カーテンを閉めている向こう側は暗いようで明かりは伝わってきていない。
だからもうそろそろそんな時間だと把握する。
「まだだよ。何か食べるなら俺が作るよ。」
「お昼も作ってもらったのにいいよ。」
「柚希は病み上がりなんだから。またぶり返したらどうすんだよ。明日学校行かなきゃいけねぇんだろ。」
「そうだけど。なら、お言葉に甘えようかな。」
「そうこなくっちゃ。」
颯斗がこんなに甲斐甲斐しくお世話をしてくれるのは少し意外だった。
助けてくれたり、1ヶ月も俺を守るために一緒に暮らしたりしてくれるような人だからありえなくもないのだが、とても優しすぎて心が温まる。
気づきもしなかった母親とは大違いだ。
本当に、こちらに来て俺はとても人に恵まれた。
大切にしたい人が増えた。
その人たちを守れるぐらいに強くなりたい。
俺の中でそれが今一番の願いだった。
「火神って何でそんなに気さくなのに、学校じゃあんな仏頂面してんだ?」
「その方がかっこいいだろ。俺のイケメン度が増すから。」
「んだよそれ、俺真面目に聞いてんだけど。」
「俺も真面目に答えてるよ。」
「んっだよ、変な奴だな。あれか、話したくねぇってことか。亀は知ってんの?」
「颯斗がそう言うならそうなんじゃないの?」
「お前もかよ。ま、別にいーけどよ。話したくねぇなら無理には聞かねぇよ。俺が本当に知りてぇのはその強さの秘訣だからな。」
「俺に勝とうなんざ100年早いんだわ。」
「ざけんじゃねぇよ。ぜってぇ勝ってやる。」
京介の察しのよさと、相手の思いやりの心は本当に尊敬する。
少し素を見せたら土足で踏み込んでくるような奴は沢山いる。
それでも京介はきちんと弁えて相手の嫌がるようなことはしない。
喧嘩はするけど、人をきちんと思いやれる人だから。
その後も不思議な交流は続き、しまいには颯斗を交えてゲームをする始末で、俺はあまり気分が乗らないので傍観者に徹していたが、病み上がりということもあって眠気に襲われ、隣に座ってゲームをしている颯斗の膝を枕にして眠りに落ちた。
どれほど経ったのか、俺は自然と眠りから覚めて瞼を上げると、携帯を眺めている颯斗が視界にうつった。
周りは静かであり、ちらりとテレビ側を見ればそこには誰もいなかった。
「京介たちは?」
「お、起きた。帰ったよ。柚希起こしたらいけねぇからって。」
携帯を閉じて置きながら俺の質問に答えてくれ、空いた手で俺の髪をすく。
「そうだったんだ、気づかなかった。」
「気持ち良さそうに寝てたからな。ベッドで寝かした方がいいとは思ったんだけど、可愛かったからそのままにしちまった。」
「ごめんね、動けなくてしんどかったでしょ。」
そう言って俺はやっと颯斗のひざの上からどいてあげる。
「いーのに。甘えられてるって気がして良かったのに。」
「流石にね。颯斗ご飯食べた?」
カーテンを閉めている向こう側は暗いようで明かりは伝わってきていない。
だからもうそろそろそんな時間だと把握する。
「まだだよ。何か食べるなら俺が作るよ。」
「お昼も作ってもらったのにいいよ。」
「柚希は病み上がりなんだから。またぶり返したらどうすんだよ。明日学校行かなきゃいけねぇんだろ。」
「そうだけど。なら、お言葉に甘えようかな。」
「そうこなくっちゃ。」
颯斗がこんなに甲斐甲斐しくお世話をしてくれるのは少し意外だった。
助けてくれたり、1ヶ月も俺を守るために一緒に暮らしたりしてくれるような人だからありえなくもないのだが、とても優しすぎて心が温まる。
気づきもしなかった母親とは大違いだ。
本当に、こちらに来て俺はとても人に恵まれた。
大切にしたい人が増えた。
その人たちを守れるぐらいに強くなりたい。
俺の中でそれが今一番の願いだった。
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