【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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最終章 人生最大の反抗

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「柚希。落ち着けよ。俺は捕まらない。」

「そんなことないっ。あの人は自分の力を最大限に使うっ。隠蔽工作だって証拠隠滅だっていくらでも武力行使できるっ。俺が自由を望んだばっかりにっ、俺が颯斗の将来を潰したっ。」

「柚希、俺の顔を見ろ。」

泣き喚く俺の頭を固定し、颯斗は俺と真っ直ぐ向かい合った。
涙で霞む視界に、颯斗の瞳が力強く俺を見据えていた。

「言っただろ、俺は嘘はつかない。だから捕まらない。柚希を一人にしたりもしない。そんなに心配するな。俺は絶対に捕まらない。それを身をもって証明してやる。だからそんなに泣くな。」

「でもっ、相手が悪すぎるっ・・・。相手は警視総監だ、その辺の警察とは訳が違う。」

「俺のストリートの経験と繋がりを舐めてもらったら困るな。俺が一度も捕まらなかったのには、それ相応の理由がある。俺は逃げるのが得意なんだ。それに亮も言ってただろ、サツの目から俺らを隠してくれるって。」

「でも、本当にそんなことって出来るの?」

「あぁ、出来る。1週間、ここにいたら分かると思うぜ。笑っちまうぐらいアイツ等無能だから。」

そう言って颯斗は余裕たっぷりに笑って見せた。
他の人がこんなことを言っていたら何を根拠にと疑ってしまうだろうが、颯斗が言うと本当に思えるのは何故だろうか。
そんなこと出来るわけないって思うのに、それを信じてしまうのは何故だろうか。

「ど?落ち着いた?」

「うん・・・。」

「本当に柚希は心配性だな。きっと疲れてるから不安になんだよ。風呂入って寝ようぜ。起きたら気分は晴れてるから。」

颯斗に促されるまま俺らはお風呂場に行き、俺は久しぶりに湯船に浸かった。
あそこにいた俺は勉強が最優先事項だった。
全てにおいて勉強の時間を一分一秒でも多く取ることが俺の使命だった。

「俺、どれくらい実家にいたの?」

「夏休みの前日の夜だから、10日ぐらいかな。」

「10日。たった、10日だったんだ。もう、長いことずっとあそこにいた気がする。」

「ごめんな。行くの遅くなって。準備に時間がかかったから。」

「うぅん。来てくれただけで十分だよ。俺、諦めてたから。もう逃げられないって、俺は一生父親の駒として生きていくんだって、諦めてた。颯斗が来てくれなかったら俺、多分それに違和感すら抱かず死んだように生きてたと思う。」

そうぼやく俺の頭を颯斗は優しく撫でた。
俺の濡れた髪をかき上げるようにして、颯斗の長くて綺麗な指が絡まっていく。
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