【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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最終章 人生最大の反抗

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翌日、俺は母さんがお昼ご飯が出来たことを知らせに来たことによって目が覚めた。
全てが落ち着き疲れが出たのか、それとも颯斗が隣に居たせいかは分からないが、俺は爆睡してしまっていたらしい。

朝ごはんを呼びにきた記憶はないが、それは俺が起きなかったからなのか、そもそも遅かったから起こしに来ていないのかすら分からない。
返事を返さなければ開けるようなことはしない人のため、朝俺が起きなかったとしても覗いたりはしていないだろう。

寝起きの悪い颯斗を何とか起こし、洗面所で軽く仕度を整え、ダイニングテーブルに座る。
家族の食事に颯斗が混ざっていることがとても不思議な組み合わせだったが、当の本人は何も気にしていないのか普通に手を合わせてご飯を食べ始める。

「お、柚希の飯と同じ味がする。」

本当に物怖じをしない颯斗は母さんの料理の感想を言っている。

「そりゃ基本は母さんから教わってるから。」

「どうりで。うん、おいしい。」

「もしかして、颯斗くんの家に1ヶ月お世話になってた?」

母さんが何かが繋がったような表情をしてそう尋ねてくる。
女の勘だろうか。

「この際だから正直に言うけど、そうだね。仲いいから。」

「どうりで。」

「帰ってきた時知らないと言っていたじゃないか。」

母さんの何やら納得した表情が気になったが、父さんがそう割り込んできたことによって意識はそちらに向けられる。

「正直に言ったらこっちに連れ戻したくせに。言えるわけないじゃん。」

「それは、そうか。その時見抜けなかった私の落ち度だな。」

どうやら2人ともかなり考えを改めてくれたらしい。
このように普通に家族の会話が出来るようになるとは思っていなかった。

「何、俺そんなに敵視されてたの?」

颯斗にはあの日、颯斗のことで釘を刺されたことは伝えていなかった。
こんな風に言っていたなど言うに耐えないような内容だったので黙っていたのだ。

「それはそうだろう。君は名が知れすぎている。関わって悪影響があっては困る。君がしていたことは決して褒められることじゃない。私の息子だと知られて何かしてこないとも限らないだろう。」

「まぁ、親だったらそう思うもんか?でも、言っとくけど俺だけじゃなくて俺がいたチームはそんな卑怯な真似をするようなチームじゃねぇよ。あの暴動で亡くなったサツだって、俺らのチームは誰一人として手は出してない。俺らはちゃんと悪いことをしてるって自覚した上で、逃げはしても抵抗はしなかった。今更認識の訂正をしろとは言わねぇけど、そういう奴が居るんだなぐらいに思っといてくれよ。」

颯斗には、自分の思いをきちんと相手に伝えられる力がある。
だからこそ上に立てる。
相手と分かり合おうとする姿勢が周囲を従わせるのだ。
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