【完結】従順な俺を壊して

川崎葵

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第三章 出会い

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「感情云々うんぬんまでは周りの証言は取れなかったから100%ではないけど、その線は強いだろうね。中学の生活態度からゲイだって噂されてて、実際に女の子より男の子について回って、今の亀みたいにストーカーまがいの被害に遭ってた子がいたから。一人のときを狙ってるかのように突然現れるらしい。亀の現状を見る限り、情報は正しいと思う。それと、昨日の来店は偶然じゃない。結構前に亀のあとをつけて店を割り出してる。コソコソしながら歩いてるのを目撃されてて雨の日にバスで行ったことが何度かあると思うけど、その中のどっかだね。その先に亀が歩いてたって言ってたし。関係があるとはその目撃した子は思ってなかったみたいだけど。場所が割れてしまえば、後は通いつめて勤務時間を割り出すのは難しいことではないかもしれないね。」

聞けば聞くほど俺は身震いがしそうな思いだった。

中学の時に、似たようなことが一度あった。
その時は一人ではなくグループで、それがただの嫌がらせだったらどれだけ良かったことだろう。

リンチにされたほうがまだマシだと思えた。
殴られて、蹴られて、ボコボコにされたほうがまだマシだと思った。
思い出すだけでも吐き気がする。

「亀、大丈夫か?顔色悪ぃぞ?」

「そう?大丈夫だよ。俺に出来ることって何がある?」

「あんまり一人にならないことかな。あと、知っての通り思い込みが激しい。ただの気遣いが相手にとっては好意を向けられたと感じるみたいで、中学では相当うざがられたみたいだね。亀優しいから、気をつけたほうがいいよ。」

「分かった。気をつける。」

「何かあったら直ぐ言えよ。俺も喧嘩の時以外は一緒にいっから。」

「ありがと。でも何かごめんね、何かされた訳じゃないのにこんなにしてもらって。」

「何言ってんだよ。何かされてからじゃ遅いだろ。亀がアイツと付き合うっつーんなら俺らだって別に何も言わねぇけど、そうじゃねぇんだし、それにストーカーするような奴が安全だなんて言える訳ないだろ。予防線は張っておくもんだぜ。」

「そうだね。ありがと。頼もしいよ。」

「いいってことよ。」

京介たちの優しさが心底ありがたかった。
前は、誰も助けてくれなかった。誰も教えてくれなかった。誰にも言えなかった。
前も、後も、全部。誰にも。
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