ジェントルメンズプレイクラブ『雄→牝・娘(オメコ)』

妃紗姫玲緒菜

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1章 〜ジェントルメンズプレイクラブ〜

11話 〜閉会〜

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メインステージが終わった。マダム薫子は会場を周り、参加者と会話を交わしている。マダム薫子に用事がある者、新しい奴隷を連れてきた者、単に挨拶を交わす者と様々であるがマダム薫子は参加者それぞれと必ず一度以上は接し、挨拶を交わす様にしている。
行儀の良い参加者なら本来はここで『トイレ当番』に関する身受け交渉をマダム薫子とする。今回も何名か交渉があった。その中には梨菜に関するモノも含まれたが、マダム薫子は名前こそ明かさぬものの、素直に会員(♡)が提示した破格過ぎる額面の交渉がある旨を伝えた。誰もがこの破格の金額を聞いて競おうとはしなかった。会員(♡)が提示した金額までは話があった。だが、マダム薫子がさらに倍で会員(♡)に話を通した。そんな金額まで出すという話は他にはなかった。
『トイレ当番』だけでなく、バニーキャストの身受け話もいくつか纏まった。

マダム薫子だけでは無い。例えばキョージュが話していたオークションの話はキョージュがめぼしい何名かにも話を振った。そしてキョージュ自体はマダム薫子に許可を取り、このジェントルメンズプレイクラブのステージでオークションをやろうと考えていた。
マダム薫子が許可すれば可能だ。もちろん女人禁制のジェントルメンズプレイクラブであるから宇津神達雄の元妻『宇津神こずえ』はクラブ会場内に連れ込めないが、映像での出品なら出来るだろう。実物が現地に居なければ価格帯が落ちるだろうが、そもそもジェントルメンズプレイクラブの参加者であれば、純女への高い入札は見込めないだろうからキュージュもそこはあまり心配していないようだ。


そして参加者同士の交渉もあちこちで行なわれていた。
会場のとある会員2人に話を移そう。
$$$$「では交渉成立、とても良い条件でした。感謝します。」
&&&&「いやいや、こちらこそ。話を聞いた時は正直半信半疑でしたが、うちの店にぴったりな素晴らしい人材・・・もとい奴隷材だ。私の方こそよい買い物をしました。」
会員達は自分が誰なのかお互いに明かす必要は無い。マダム薫子または生前であればプレジデントには全ての情報を明かしているが会員同士では"会員名のみ"で知っている者がほぼであり、どこの誰か等は明かして居ない。なので会員(☆)が、特別製の乳首リングやママリィニードルの作製を依頼したハートフルトイズ社の会長が会員(♡)である事もたぶん知らないだろう。
だが逆に&&&&のように公表している者もいる。彼はフェチなど特異な点に特化した風俗店やこだわりのラブホ等を展開する企業の主であるから公表する事で自分への売り込みが期待できるし、数多く受け入れている。
$$$$「名前は柚弦ゆずると言います。」
&&&&「柚弦か。長い・・・ゆず、ずる、ゆる・・・ずるやゆるはズルいとかユルユルに繋がってしまうから源氏名はゆずで行きましょう。」
$$$$「ゆず。まあこいつには丁度よいかも知れませんね。」
$$$$「ほらっ、この方がお前の新しい飼い主だ。そしてお前はたった今から"ゆず"になった。平仮名か片仮名もしくは何か当て字の漢字にするかも新しい飼い主様次第だな。」
口元部分だけO型に開き、鼻の部分に空気孔としていくつかの穴が施された全頭マスクを被らされ、黒い革の太めの首輪とボールギャグ、お揃いの手枷、足枷を装着した以外は全裸の上、首から下はパイパン含めて完全無毛にされた男がハイヒールサンダルを履いて首輪の鎖を引っ張られ$$$$の前に出される。先程&&&&への媚売りこびうりとして全身オイルダンスを披露したその身体はテカテカと光っている。

柚弦は自分はノンケだと思っていた。いや、『思っていた』というのも違う。"ノンケだ"などとすら認識していなかった。ある日の会社の飲み会で『二次会で飲み足りないという上司』に付き合って”後ちょっとだけ”と2人きりで飲みに行った。翌朝起きたのは飲み屋街の端にあるラブホのベッドの上。全裸の自分の隣には同じく全裸の上司。2人はその晩、身体を重ねていた。ベロベロに酔った上司、柚弦もそこそこに飲んでいるからと酔い冷ましで入ったラブホ。ただただ寝泊まりして朝には何事もなく帰るはずだった。しかし、実はゲイだった上司はベロベロに酔っていた事もあってか柚弦に抱きつき、そして濃厚なキスをした。ゲイの上司からの濃密な口づけに柚弦も興奮してしまったのだ。そこからは上司にされるままナニを執拗に扱かれ、穴を解されていった。プレイ中も何度も口づけされてその度に興奮を加速させていった。テクニックのある上司の手腕でしっかり解れたアナルに上司のイチモツを受け入れた時、柚弦の中で何かが変わった。ゲイでタチの上司によってウケに目覚めたのだ。上司と口づけをかわして興奮していた事からその素質はあったのだろう。
それから上司と部下であると同時に同性愛者の仲になり何度も身体を重ねた。エスカレートした2人のプレイは全頭マスクと全身オイルに手を伸ばさせた。お互いに全頭マスクを被り、ヌルヌルと全身にオイルを塗り込められる感触に快感を覚え、さらにその際に乳首、亀頭、陰茎、アナルを執拗に嬲られる事に快感を覚え込まされた。最後は解れたアナルに生挿入の上、種付けと称した中出しでフィニッシュ。もちろん興奮剤である濃厚なキスはプレイ中に何度も何度も繰り返す。剛毛のちん毛から太く逞しくギンギンな勃起を見せる上司の男根とは真逆のパイパン無毛で皮被りチンポをビクんビクんとさせて気持ちを高ぶらせていった。

何年か続いたこの関係は上司のアルコール中毒による入院で幕切れとなった。

柚弦はこの後何人か別の男性と交際したが満足出来なかった。そこで向かったのは女王様だった。いつもウケの自分はMだと思っていた。そしてしばらくはM男として女王様に服従するプレイに浸った。その中にはシーメール女王様も居たが上司との日々ほど満たされる事はなかった。

そんな折、とあるきっかけで$$$$を紹介され、そして$$$$の手の者による調教を受けて&&&&の元へ旅立つ事になった。
$$$$の元で調教を受けた柚弦は自分の快楽よりも相手の快楽を優先させるようになり&&&&の店で活躍するだろうと期待された。
そして経験から同性愛者としても女王様に仕える奴隷のM男としてもプレイ可能であるからなおさらだ。

$$$$から首輪の鎖を受け取った&&&&。
&&&&「これからお前はゆずと呼ばれる。うちはフェチのお客様が多いからお前もきっと人気者になるだろう。せいぜい頑張ってくれよ。期待してるからな。」

%%%%「$$$$、そちらの交渉は終わったか?次は俺の方でも&&&&に話があるんだが、いいか?」
$$$$「あ、ああ。こちらの取引は終わりましたからどうぞ。」
&&&&「ん?珍しい客人ですね。スカトロマニアの%%%%。」
%%%%「汚見世おみせに相応しい奴隷・・・いや、"奴隷"という言葉すらもったいない存在の話だが・・・」
&&&&「うちでは汚肉おにくと呼んでおります。」

%%%%と&&&&の交渉が始まると察した$$$$が一言挨拶した。
$$$$「では、私はこれで。」
&&&&「あ、ああ。申し訳ない。では。」

その場を離れる$$$$。
$$$$『($$$$の頭の中)汚見世か・・・、&&&&の持つ風俗店の中でも場末の見世物小屋だったはず・・・汚見世に汚肉ですか・・・。私とは縁が無いな・・・』
そんな事を考えながら帰路についた。

話を&&&&と%%%%に戻そう。

%%%%「話のネタはこの奴隷・・・オニクか。このオニクの話なんだが。」
%%%%の見せる携帯端末機の画面を覗き込む&&&&。
%%%%「前の主人と死別して回りに回ってうちに来たんだが、これがいわゆる”マグロ”なんだよ。」

&&&&「”マグロ”ですか、う~ん?!」
マグロと言えば、性交時に積極的行動を起こさない人やその様の事だが、調教プレイなどでもそんな事があるか?と思いつつ画面を観る。だが確かに画面に映った奴隷の反応はマグロだった。浣腸されても呻きひとつ上げずに浣腸され、しばらくお預けされてもただただ無言。そして許可もなく無言のまま発射する。”お仕置き”として鞭で打たれても、顔をほんのわずかにゆがませる程度で声すらあげない。
&&&&「確かにこれでは・・・。」

%%%%「返金しろだの、他の奴隷回せって言って憂さ晴らしにめちゃくちゃにして帰る客もいて困ってるんだ。だから、コイツをそちらに回したい。」
&&&&「わかりました。無償での話なら引き受けますよ。」
%%%%「いや、ありがたい。メスの話ですからここではこのくらいにして、後日改めてこちらから連絡しますよ。」
&&&&「お待ちしております。」
交渉成立のようだ。

別の場面に話を変える。
ステージパフォーマンスを披露した兄弟達だ。奴隷である元兄は目隠しをされ、そして鼻フック。首輪に黒の紐ビキニとでもいうか、ほぼ紐でわずかな布がある程度の衣装で四つん這いにさせられて前後からおちんぽで串刺し状態だ。前後に居るのは両名ともに金会員。そして左右に銀会員が3名囲んでいる。少し離れたところで主人たる弟たちが腕組みして立っている。前後に居る金会員は弟たちが商談を持ち掛けた相手。銀会員3名は逆に弟たちに商談を持ち掛けてきた者たちだった。ステージパフォーマンスもひとつの売り込みだ。この奴隷はここまで出来るとアピール出来るからだ。実際それを見た銀会員が3名交渉に来た。一方、弟たちはステージパフォーマンスを売りに金会員に売り込みたいと考えていた。元兄奴隷の運命はどうなるのだろうか・・・。


会場には白い肌の奴隷や黒い肌の奴隷もいるようだ。その一匹に目を遣る。黒い肌の奴隷は椅子に拘束されて座らされている。椅子の脚に備え付けられた枷で左右の足を繋がれて広げられている。手は左右の手首に施された分厚い黒革の手枷が太めのチェーンで繋がっている。目隠しが施さてれいるが口枷や鼻フックはされておらず、唇には濃い目の紫色のリップが鮮やかな色を放っていて妖艶な雰囲気を演出していた。
首元にも手枷同様に分厚い黒革の首輪がされていてそこから伸びるチェーンを下方へ垂れ下げている。そのまま視線も下方へ下げると大きな乳房が目立つ。E~Fはあろうか。しっかりとお椀型をした『あからさまに豊胸だとわかる』ふくよかな乳房が2つ存在し、その先端にはシリコン注入により大きくした隠微な乳首が鎮座しており、太いゲージのシルバーバーベルピアスが施されていた。そしてその2つの乳房を露出させたオープンバスト、オープンクロッチできめ細かな刺繍の入った黒いシースルー素材のナイトウェアを着用している。オープンクロッチであるから無毛にされた股間から上向きになっている赤黒い亀頭のペニスが見て取れる。
その状態で銀会員(は)の男のモノをベロンベロンと舐め回したり口に咥えたりしていた。
奴隷の隣に立つ2mを超える大男。奴隷と同じ黒い肌の金会員(Å)がこの奴隷の主人だ。

銀会員(は)「いやはやこれはイイ。」
金会員(Å)「Thank you! This is my secretary by day,and This is my slave by night.mmm~ Ohh!」
翻訳「ありがとう。ソレは日頃は私の秘書をしており、夜は私の奴隷となるのだよ。んんん~、おおっ!」

金会員(Å)が銀会員と会話しながら会場を見回すと金会員(仝)が一匹の奴隷を連れて現れ、近づいて来た。

金会員(仝)「いや、またせたか。すまない。」
金会員(Å)「No problem! I liked it. It's small and cute. Amazing!」
翻訳「何も問題ない!私は気に入ったよ。それは小さくて可愛い、とても素晴らしいよ!」

金会員(仝)に連れて来られた奴隷はアジア系で158cmと小柄だった。ましてや2mを超える大男から見ればさらに小さく見えただろう。目隠しや鼻フックなどもしておらず、太めの赤い首輪のみで全裸だった。偽娘(うぇいにゃん)だとわかる小さめの男シンボルは完全に上を向いている。この奴隷もパイパンだ。また目隠しなどしていないのには理由があった。それは化粧をしているからだ。ボリュームたっぷりのつけまつげを施した目は大きく見える効果があり、大きくまんまるに見える。頬にうっすらとチークをしているし、唇は真っ赤なルージュで色付いている。これは金会員(Å)の要望だった。わざわざマダム薫子に頼みバニーキャスト達の控え室を借りて化粧させた。金会員(Å)の狙い通りだった。彼はこの奴隷をとても気に入った。この奴隷のいたいけであどけない表情やしぐさが金会員(Å)の欲情を掻き立てたのだ。
金会員(仝)との商談もスムーズに行き交渉成立した。この奴隷が金会員(Å)が知らない言語しか話せないのはこの際問題にならなかった。今、銀会員の相手をしている秘書兼奴隷の仕事として言語指導させるだけだ。
金会員(仝)「色を付けてもらえたようだ、ありがとう。」
金会員(Å)「This is very very pretty.I liked it,gretful.」
翻訳「とってもとっても可愛らしくて私は気に入ったんですよ、良かったです。」
銀会員(は)「あっ、うくっ、いっ、イクっ、で、出る。出すぞ。」
金会員同士の交渉の横で銀会員(は)が果てたようだ・・・。


このように会員同士の奴隷取引もこのクラブではあちこちで行なわれている。同じ趣味を持つ者同士であり会員制のため、素性が隠されていても『信用が担保されている』から交渉もスムーズだし商品の信頼性も高いのだ。

ちなみにキュージュのパフォーマンスにもあちこちから声が掛かった。だが、前述の通りキュージュはオークションの開催を予定しているからとその全てを断った。語弊があるかも知れない。直接交渉を断り、オークションへの参加を促したのだった。


パフォーマンスの終わったステージには即席で『ハートフルトイズ社やクリエイティブビューティーボディ社などのプレゼン会場』が設けられていた。先ほどステージで紹介されていた『高性能AI搭載のラブドール』の説明を受けている者たちもいれば、『ママリィニードル』に興味を示す者たちも多くいたし、今回は紹介こそされていないが厳選の品々を興味深く見たり触れたりしている会員たちで賑わっていた。

プレゼン会場の片隅では『下着収集家の変わり者』が下着メーカーの担当者とやり取りをしていた。”ステージ上のプレゼンのためにバニーキャスト達が着用した下着をすべてそのまま購入しよう”としていたのだ。メーカーの担当が上司と連絡を取りつつ、その銀会員と交渉していたが、顔には明らかに”苦笑い”が浮かんでいた。

一方、銀会員はその担当者が上司と連絡を取っている横でスマホ画面をチェックしている。下着をすべて購入した後にやることがあるからだ。『ブラジャーへの射精』である。ステージ上のバニーキャスト達を撮影した画像からどのバニーキャストがどの下着を着ていたか確認し、購入した後で一匹ずつ周ってブラジャーへの射精をさせるのだ。端から見れば労力でしかない事だが、コレクターとしてはその労力さえも興奮材料になるのだった。担当者と電話を変わった彼はあっさりと金額の話をまとめてスマホでささっと振り込みを終わらせると担当者からメーカーネームの入ったバッグごと受け取り、まず最初のバニーキャスト目掛けて行った。バニーキャスト達の苦労と苦笑が目に見える・・・。


同刻、クラブ会場の外では何台も連なって並ぶ車列の1台にあの会員(♡)が運転手付きの自分の車に乗るところだった。運転手が開けた後部座席に会員(♡)はニヤニヤしながら梨菜を連れて乗る。梨菜はもちろん恥ずかしい被虐的な拘束具で拘束され目隠しや鼻フック、ボールギャグを噛まされた格好で車に載せられた。
会員(♡)「イッヒッヒッヒッヒ、はよ出せ。すぐに帰って家族の皆に儂のかわいい花嫁ちゃん、梨菜をお披露目や。ほら、はよ出し!儂のメインステージはこれからや!!」せっつかれた運転手は「はい」と一言だけ言うと会員(♡)の豪邸へ向けて出発した。走り出した車の後部座席では家まで待ち切れない会員(♡)が梨菜の身体を嬲るように愛撫し出した。逃れる術の無い梨菜はされるがままになるしかない。
梨菜の今後はどうなるのか?マダム薫子の心配が杞憂きゆうに終わる事を祈ろう。


クイーン藍蘭が途中から来たように、このジェントルメンズプレイクラブは開催中の出入りは自由。途中から参加するのもヨシ。途中退席もヨシ。一度退席した会員が再び戻って来ることももちろんヨシ。そしてメインステージが終わったから帰れというものでも無い。前述の通り、これからの時間こそ交渉の場となるから帰る時間もマチマチであり、最後の1人が帰るまでは開催中となる。


メインステージが終わった直後、誰よりも真っ先に帰ろうと思っていたクイーン藍蘭はまだ倶楽部の建物の中に居た。帰ろうとするクイーン藍蘭に会員(☆)の使いとして一匹のバニーキャストが近付き、会員(☆)からの伝言を伝えた。それは控え室への招待だった。
バニーキャスト「失礼致します。お客様をお連れしました。」
☆☆☆☆「これはこれは、クイーン藍蘭。ご足労願って申し訳ありません。」
クイーン藍蘭「なんだい、わたしゃ帰るところだったのに呼び出しとは良い度胸だねえ。」
☆☆☆☆「喧嘩を売るつもりはありませんよ、私の招待にわざわざ来てくださったクイーン藍蘭に一言お礼が言いたかっただけですから。」
クイーン藍蘭「ふぅ~ん。まあ祝いの席だし、そういう事にしておいてやるよ。」
☆☆☆☆「ありがとうございます。本当に来てくださって感謝してるんですよ。」
クイーン藍蘭「わかったよ。ところであの奴隷が居ないようだね?お前の伴侶奴隷が。」
☆☆☆☆「ああ、はい。ここには居ません。手の者に身綺麗にさせております。この後初夜ですので・・・」
クイーン藍蘭「ふん、そうかいそうかい。お熱いこったね。あーあ、好きにしておくれ。それじゃ一つだけ。お前さんが秘密と言って答えなかったあの奴隷の土手っ腹。あそこにはお前さんの名前を彫り込むんだろう?あんなに大きくお前さんの名前を入れられるあの奴隷が哀れだねえ。可哀想に。」
☆☆☆☆「ええ、御名答です。ただ、あの場では答えられなかったのですよ。私の名前をあそこに焼き印で焼き付けるとはね。」
クイーン藍蘭「焼き印とは、お前さんも悪趣味だねえ。」
☆☆☆☆「焼き付けた後はコルセットをさせます。なので基本的に私や私の手の者以外の誰かの目に触れることはありませんし、私の名前が入るんです。頼まれたって見せられませんよ。」
クイーン藍蘭「なるほど、用心したわけかい。」
☆☆☆☆「そうです。この世界、いつ何があるかわかりません。私もかなり危ない橋をいくつか渡っています。いつでもどこでも私を狙っている者がいるかも知れませんからね。」
クイーン藍蘭「ふん、お前さんに楯突こうなんて奴らがいたら教えて欲しいね。私が直々に雇ってやるよ。」
☆☆☆☆「御冗談を。そんな奴ら雇わなくても、貴女ならもっと力のある連中をいつでも用意出来るのでは?」
クイーン藍蘭「買いかぶりだね。わたしゃそんな危ない事に首を突っ込んじゃいないよ。それにもし私がお前さんのいう通りなら十年も前にお前さんはこの世にいない。こうやって私と冗談言う仲になってないよ。」
☆☆☆☆「・・・・・」
クイーン藍蘭の思わぬキツイ冗談に言葉を失う会員(☆)。見かねたクイーン藍蘭が言葉をつなぐ。
クイーン藍蘭「バカだね、そんな事を本気でやるならターゲットのお前さんに言う前にやってるよ。じゃあ帰るとするかね。わたしゃ疲れたんだよ。」
引きつった顔のままの会員(☆)。
☆☆☆☆「は、ははっ、本日は本当にありがとうございました。心から感謝しております。車までお送りしますよ。」
クイーン藍蘭「車?寝ぼけてんのかね、私の家がどこにあるか知ってるだろ。車でなんて帰れないよ。」
☆☆☆☆「いやいや、存じてます、存じてますよ。ただ、遠すぎる。今夜は近くのホテルにでも・・・」
クイーン藍蘭「バカかね?今日中に飛行機だよ。こっからヘリで空母さね。」
☆☆☆☆「くう?!空母?・・・空港じゃなく空母?いやその・・・」
クイーン藍蘭「そうだ、空母さね。そして空母からプライベートジェットで帰宅だよ。ここらのホテルなんかはつまらん連中が泊まってるかもしれんだろ?そんな連中と一緒はごめんだよ。」

とまどう会員(☆)を尻目に踵を返すクイーン藍蘭。

クイーン藍蘭「じゃ、帰るさね。お疲れさん。」
クイーン藍蘭は会員(☆)の控え室を後にした。部屋の外ではクイーン藍蘭の”旦那”ことドM男が『おすわり』待機していた。
クイーン藍蘭「いくよ。」
その奴隷男に一瞥する。それに気づいたのは長年『旦那』と称される程に一緒にいるこの奴隷男だからこそだ。その鋭い眼差しが怒りに満ちていたのだ。しかし会員(☆)への対応はしっかりとしていて会員(☆)にはクイーン藍蘭の『激怒』が伝わらなかった。伝わらないようにクイーン藍蘭が隠したからだ。それは焼き印についてだった。あれだけのスペースに会員(☆)の本名を焼き印で入れさせる。主人と奴隷であれば刺青や焼き印であってもそこに部外者のクイーン藍蘭が口出すことでは無い。気に入らなかったのは焼き印を堂々と見せるのではなく、その上からコルセットをさせて隠すという点だった。これが”2人だけのもの”等の理由ならクイーン藍蘭も怒らなかったのだろう。だが、そうでは無い。会員(☆)が”自分の本名を晒す勇気が無いからだ”とクイーン藍蘭は捉えた。奴隷に生涯に残る焼き印をさせるにも関わらず、会員(☆)側にはその覚悟も無いのかと『激怒した』のだった。


クイーン藍蘭「あんのクズは最後の最後に私を”不快の海”に投げ込んでくれたね。」
クイーン藍蘭が再び奴隷男に視線をやる。

クイーン藍蘭「やっぱり今日中に帰る準備をしていて正解だったよ。帰ったら拷問部屋だからね。クッソ、来るんじゃなかったよ!今回もイライラしっぱなしさね!!」
語尾が強かった。どうやら奴隷男はクイーン藍蘭のイライラ晴らしに拷問されてしまうようだ。可哀想にと思いきや、奴隷男は粗末な自身のイチモツをギンギンにして興奮しているから始末に負えない・・・。


第1章 完

ーー終わりにーー

マダム薫子「いかがでしたか?我々ジェントルメンズプレイクラブの一端をお楽しみいただけましたか?次はあなたの番?かもしれませんね。我々ジェントルメンズプレイクラブは皆様のご入会、もしくは・・・・・ご入信※を心からお待ちしております。」

ーーーーー【注釈】ーーーーー
【※】入信
本作中においては奴隷身分でクラブに入る事。
本来はキリスト教などで使われて、教会や伝道集会などでイエス・キリストを個人的な救い主として信じること。を意味するが、本作品では主人たるご主人様を個人的に信じて奴隷身分になる事を表しており、宗教的な意味合いは一切ございません。
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