【1クール終】恋愛で痩せますか？いいえ痩せるならＸＸＸ運動です

12&13：デート、どうする？

ブリッジ&アバン

　トレーニング再開で褒めてもらって、調子に乗った私は、仕事帰りにウェアを買いにお店へ寄った。
　そして、そこで現実に向き合わされた。
　痩せていない、と似合うウェアが少ないのだ。
　肩が出たりしているのは、ムチムチでは、喰いこんでくる。
　ピッタリした素材は、当然わがままボディを際立たせる。
　ちょっと、意気消沈して、スポーツショップを出た私は、雑踏の中に、佐伯さんの後ろ姿を見つけた。
　この人混みの中で、彼を一瞬で見分けるとは、すごいぞ私。
　声をかけよう、として、気が付いた。
　彼の腕に、抱き着いている女性を。
　スレンダーな感じで、さっきまで見ていたウェアが似合いそうだ。
　誰だ、あの女？
「誰だ、あの女？」
　心の声が漏れたか、と振り向いたら、百目鬼君がいた。
　いつのまに。
　しかも、口調が荒々しいし声が低い、怒っているようだ。
「知らないよ、まさか彼女？」
「それは、ない、はず」
　なんだか、ムっとした感じで否定する。
　そんなに、佐伯さんの彼女の存在を否定するのって、何かあったんだろうか？
「聞いてきます」
「ちょ、ちょっと待って」
　それは、あまりにも直球すぎるし、もし彼女だったら私、また彼の前で倒れる自信がある。
「聞かないとわからないです」
　百目鬼君は、私を引きずるように、佐伯さんに近づいていった。
「先輩」
　硬い声に振り向いた二人の顔は、そっくりだった。