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第二部 第3章
433.覚悟はいいか 〜 テオバルド視点 〜
テオバルド視点
『ここは、かぜと、みずの、ふたちゅがあわさって、ひとちゅのばしょにある、ちゅんでんで、ござんちゅ』
モモンガは、この場所が風と水の二つの特性が合わさった特殊な神殿なのだと説明しだす。
どうやら、風の神獣であるモモンガが、ノアを管理者として認めても、水の神獣が認めなければ、ここの管理者にはなれないようなのだ。しかも……
『みずの、ちゅんじゅうは、かんりちゅこうほが、ひとりで、ちゅれんをクリアちゅなければ、ぜったいみとめない、がんこものでござんちゅ』
「一人で、だと?」
『かんりちゅとは、ちゅんじゅうの、ちゅからをあちゅかうもの。ひとちゅのちゅんでんに、ただひとりでござんちゅから』
「だから一人で試練を受け、合格できなければその資格が無いという事か」
『そのとおりで、ござんちゅ』
モモンガの言葉を受け、ノアを見ると、私たちの話を静かに聞いていたようで、椅子から一人、飛び降りると、
「わたち、ちれん、うけるの!」
そう声を張り上げたではないか。
「試練がどのようなものかは知らないが、危険はないのか?」
『いのちのきけんは、ござんちゅんが、ないてちゅまったり、ということは……ござんちゅ』
モモンガは、真剣な目を向け、泣くような事があると言う。ならば、いくらノアの頼みでも、反対せざるを得ない。
「ノア、試練には恐ろしい事が待っているようだ」
「はい! わたち、できるっ」
「しかし……、」
「おとぅさま、だいじょぶよ。おけがちない」
何故そう言い切れるのかはわからないが、一度決めた事はやり切るこの頑固さは、ベルに似たのだろう。こうなっては、止める事もままならないではないか。
『おぼっちゅんが、ケガをちゅないよう、あっちゅが、ほごのまほうをかけやちゅ。だから、そこはだいじょうぶ、でござんちゅが……』
「ももんがー、ありがと、ございまちゅ」
『どういたちゅまちゅて。ところで、おぼっちゅん、あっちゅはモモンガーではなく、モモンガ、でござんちゅよ』
「おとぅさま、ももんがー、だいじょぶよって。だからね、わたち、やる!」
『おぼっちゅん……』
怪我の心配がないのならば……、しかし、泣くというのが引っかかる。
『おぼっちゅんが、かくごをきめたのなら、あっちゅも、もうなにもいいやせん』
モモンガはノアの肩に飛び乗ると、保護魔法とやらをかけているのか、そよ風がノアの周りにだけ吹いた。すぐに風が止むと、『これで、だいじょうぶで、ござんちゅ』と、今度は私の肩に飛び移ってくる。ノア自身は別段、変わった様子は見受けられない。
『だんなさん、ちゅんぱいでちゅたら、おぼっちゅんに、こおりのまほうを、はなってみるでござんちゅ』
「何だと?」
『あっちゅのほごまほうは、だんなさんのまほうでも、きずひとちゅ、ちゅけられないで、ござんちゅ』
などと自信満々だが、息子を攻撃しろとは酷い事を言う。
それは出来ないと言えば、私とノアを見比べ、ハッとしたような顔をして、机に魔法をかけだしたではないか。
『あっちゅが、むちゅんけいなことを、いってちゅまいまちゅた……もうちゅわけないでござんちゅ……』
反省し、今度は机にノアと同じ魔法をかけたから、氷魔法を放てと言うのでやってみれば、傷一つ付いてはいない。
本気でなかったとはいえ、保護魔法とやらは確かに機能しているようだ。
これならば、とノアに頷くと、嬉しそうにモモンガに向かって、
「ちれん、うけさせて、ください」
頭を下げたではないか。
ディバイン公爵家の跡取りともあろう者が……。これも、ベルの影響だろうか、と頭が痛くなる。
『では、おぼっちゅん、かくごはいいで、ござんちゅか』
「はい!」
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