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その他
番外編 〜 兄姉との交流2 〜 イーニアス6歳
しおりを挟む『イザベル様っ、ネロをどうやって説得したの!? 突然ネロが、イーニアスを連れてリュークのいる宮に来たのよ!』
さっそく行動に移したらしい皇帝陛下に感心しつつ、妖精通信で教えてくれる皇后様に「良かったですわ」と返事をする。
『イーニアスも赤ちゃんを見るのは初めてで、とっても喜んでいたし、リュークもイーニアスを見て笑っていたのよ! この調子で、ネロが他の兄姉とも交流させれば良いのだけど……』
「もしかして、また断られたんですの?」
『そうなのよ……。リュークは赤ちゃんだからいいのだ。でも皇子も皇女も赤ちゃんではないから、何があるかわからないって。頑ななのよね……』
ハァと皇后様の溜め息まで再現してくれるチロに笑いそうになる。
「あの、聞いておりまして、少し疑問に思ったのですが……」
『何かしら?』
「お食事は、皆様ご一緒にはされませんの?」
『ネロとアタシとイーニアスでの食事や、他の皇子、皇女とネロとアタシはあるのだけど、全員揃って食事をしたりはしないわね……』
なるほど……。
「でしたら、まずは皆様で晩餐をご一緒されてはいかがでしょうか? 皇帝陛下は、イーニアス殿下が傷つけられる事を心配されているのですから、お食事の時に乱暴や暴言などの心配はないでしょうし、その場に皇帝陛下も皇后様もいらっしゃるのですから、大丈夫ではないでしょうか?」
一堂に会しての顔合わせにもなりますし、皆で食事を取るようになれば、自然に仲良くなっていけるはず。そこから交流も生まれますもの。
ウチもまずは食事から始まりましたし。
思い出しますわ……あの気まずい晩餐。きっとオリヴァーがいなければ始まらなかったんでしょうね……。
『それだわ!! さすがイザベル様! さっそくネロに提案してみるわね!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イーニアス視点
「イーニアス、お前の兄や姉たちと、晩餐をしたいと考えているのだが、どうだろうか?」
ちちうえがえんりょがちに、おっしゃるのだが、わたしはしゅくふくのぎでしか、あったことのないきょおだいに、あえるのは、とてもうれしい。
「ちちうえ、はやくあにうえや、あねうえに、おあいしたいです!」
「うむ、そうか……イーニアスは兄姉に会いたいか……」
「はい! ばんさんのおりょうりは、ちちうえがつくってくれるのですか?」
ちちうえのおりょうりが、いちばんおいしくて、だいすきなのだ!
「朕の料理が食べたいのか?」
「はい! ちちうえのおりょうり、だいすきです!」
「うむ! では朕がたくさん、イーニアスのためにつくるのだ!!」
「ちちうえ、わたしのためだけでなく、あにうえや、あねうえのためにも、つくってください」
「っ……うむ! そうだな。朕は子供たち皆の為に、たくさん美味しい料理を作ろう!!」
「はい!」
◇◇◇
「家族全員が揃った食事は、祝福の儀以来であるが、皆、今日はあの日とは違い家族だけの食事なのだ。かしこまらず、いつも通り楽しく過ごすのだぞ」
しゅくふくのぎいらい、あにうえにも、あねうえたちにもあっていないから、ドキドキするのだ。
『アス、だいいちおーじ、アスにとってもあいたがってた! おとーと、かわいー! それに、だいいちおーじょ、もけーだいすき!』
アカがそうおしえてくれるので、ドキドキもすこしだけ、おさまってきた。
あにうえと、おはなし、したいのだ。
「父上、母上、リュークはいないのですか?」
『いましゃべっているの、だいはちおーじょ。7さい! だいななおーじょとふたご! ふたりとも、あかちゃんすき! アスもすき! かわいー!』
ちちうえも、アカのこえがきこえてるから、おめめをぱちぱちして、あにうえやあねうえをみていた。
『だいきゅーおーじょ、アスとリューク、あえるのたのしみ、してた! おもちゃ、たくさん、アスのため、よーいしてる! だいにおーじょ、テディだいすき! きょーだい、みんなのおなまえのテディ、おへやある!』
「ぅう……っ、グスッ」
ちちうえが、はなをすすっているのだ。
「ネロ、だから大丈夫って言ったでしょう」
「うむ……、うむ……っ」
ちちうえが、ないている……っ
「ちちうえ、どこか、いたいのですか?」
「イーニアス、朕は大丈夫なのだ……」
「父上どうしたの?」
「お腹痛い?」
「父上、医師を呼びましょう」
わたしだけでなく、あにうえやあねうえたちも、ちちうえのまわりにあつまってきて、しんぱいしている。
「朕の可愛い子たち……ありがとうなのだ。でも大丈夫。朕は……、朕はお前たちが優しい子たちだから、感動してしまったのだ……」
「フフッ、みんな、ネロは……父上はみんながいい子だから、嬉しくて泣いてしまったのよ」
「父上、嬉しいの?」
「私も、みんなとお食事できて嬉しい!」
「私も!」
「わたくしも!」
「私も、嬉しいです」
あにうえも、あねうえも、ははうえも、ちちうえも、みんなうれしいっていっていた。
わたしも、
「わたしも、あにうえや、あねうえ、みんなでおしょくじ、うれしい!」
『アカもうれしー!』
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