異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ

トール

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ズボラライフ2 ~新章~

126.ご飯の好みは個人で異なる

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モーリス視点


美味い酒に美味い飯、そんで、虹色の花に魔石ってか。噂じゃ魔石を使った魔道具ってのもあるらしいじゃねぇの。

「こりゃあ、神に愛される国ってのも、あながち嘘じゃなさそうだ」

王宮内をブラブラしてりゃあ、前から歩いてくるメイド達。なかなかイイ女だ。一人ぐれぇお持ち帰りしたいくらいだぜ。ま、んな事すりゃ国際問題になるっつってバナンの奴が大騒ぎだろうがな。

「ったくよぉ、フォルプローム国の代表だってのに、女一人自由にできねぇとはなぁ。なんの為に反乱おこしたと思ってんだ」

こんなお上品だかなんだか知らねぇ、クソつまんねー場所に、いつまで居なきゃならねぇんだよ。

「あ~……暇だ。ちょうどバナンの野郎もいねぇし、街にでも繰り出してみるか」

娼館にでも行って、発散してくりゃ多少スッキリすんだろ。



━━その頃、近衛と要人警護の騎士をまとめる第2騎士団では━━


「━━━……何? 王宮を抜け出した、だって?」
「はっ 数名を尾行させておりますが、いかが致しましょうか。ブランチャード師団長」
「はぁ……。そのまま監視を続けてくれ。それと、逐一報告させるように」
「はっ 了解致しました!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



雅視点


「ぅげっ 何これ、マズ……っ」
「お前なぁ、そんな事口に出すなよ。店に迷惑だろ」
「ぅう……分かってるけど、ここまでとは思わなくて……ぅぷっ」
「はぁ……。自分が行きたいって言って来たんだろ。言葉と顔に出さずに食い切れ」
「それ、なんて無理ゲー?」

最近王都で人気のカフェに、いつものメンバーのトモコ、ショコラと、偶々暇していたリン(連休中らしい)を引き連れやって来たのだが、ランチもスイーツも、何でこんな味になるんだと思うほど不味い。とにかく不味い。
なのにリンは、食い切れと無茶な事を言ってくるのだ。

「トモコ、これあげる……」
「ぉえッ そ、そっちはみーちゃんが全部食べてよ~。私はこのハンバーグもどきでダメージが……っ ヒィ~! 生臭っ」

トモコに食べてもらおうとしたが、トモコはトモコで頼んだメニューに苦戦している。

「……ショコラは大丈夫?」
「ショコラは護衛なので食べません~」

え、いつも護衛中にロードが作ったお菓子食べてるよね? なんでこういう時は食べないの?

「ショコラは学習しました。王都のご飯はマズいです~」
「オーマイゴッド!!」

ショコたんがッ あの可愛いショコたんが……ッッ

「みーちゃん、今どの神にオーマイゴッドって言ったの~?」
「この状況を作り出したのは人間だから、人族の神に言った!」
「それ私だよ~。今同じ状況に居るんだから意味ないよ~」
「じゃあ獣人族の神!!」
「獣人族の神が切腹しかねないから止めてあげて」

じゃあどの神に「オーマイゴッド」と言えばいいの!?

「お前らの会話、ちょっとついていけねぇ」

リンはサンドイッチらしきものを食べながら、ハァと溜め息を吐く。

「そのサンドイッチみたいなの美味しい?」

人の食べているものは美味しそうに見えて、つい聞いてしまう。美味しくないことは分かってるけど、もしかしたらという事もあるかもしれない。

「あ~……お前がいつも差し入れてくれるやつに比べりゃイマイチだけど、まぁ食える」
「食える!? なら私もそっちにすれば良かったー!」

後悔先に立たず。トモコと二人、涙目になりながら完食した。

頼むから飯マズをなんとかしてくれ!!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



モーリス視点


さすがルマンドの王都だけある。王宮のものよりゃ劣るが、それでもウチの国の飯とは比べ物にならねぇ美味さだ。

「ぅげっ 何これ、マズ……っ」

娼館の前に腹ごしらえ、と入った店で飯に舌鼓を打ってりゃあ、隣の席の女が嗚咽と共に、小さく呟いた言葉に驚く。獣人は耳が良いから、聞くつもりもねぇのに勝手に耳が拾っちまう。

なんだ? こんなうめぇもん食って、不味いたぁ舌がどうかしてんのか。

女の前にゃ、オレが頼んだもんと同じもんが置かれている。

うめぇよな? 

オレの舌はイカれちゃいねぇから、あの女の舌がイカれてんだな。可哀想に。などと思いながら食ってたんだが……

「リンはいつまで休みなの?」

リン? ウチの国の王族の名前じゃねぇか。偶然か?

「他国の王が帰国するまで休みもらってる」
「それっていつまで~?」
「多分、3日後くらいまでじゃねぇかな」
「おおっなら1週間位休みもらってるんだ~。大型連休だね~」
「部隊長になったばかりで、そんなに連休とって大丈夫なの?」
「オレもそう思うけど、副師団長の命令だからさ……」

おいおい、こいつは当たりを引いたんじゃねぇの。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



おまけ

~ある鳥獣人のダンス~


「みーちゃん、ドラゴン湖にピクニックに来たは良いけど、すごい人混みだね~」
「本当にね。観光スポットだから仕方ないとはいえ、某夢の国なみの混雑具合……」

さっきから、隣を歩く鳥獣人の翼が顔に掠ってるし。

と、突然、その翼がバッと開き、顔にバチンと当たった。

「ぅぶぁ!!」
「みーちゃん大丈夫!?」
「だ、だいじょばない……「なっっっっんって、美しい人!!!」あ゛?」

鳥獣人からそんな言葉が聞こえてきたと思ったら、何故か翼を震わせながら、ダンスを始めた。

フラッシュモブか!?

たまにつま先立ちして、左右にカサカサ動く。微妙に素早い動きと震える翼が気持ち悪い。
何かこう……迫りくるような、独特のダンスだ。

さっきまでの人混みは、鳥の彼を中心にドーナツ状にいなくなり、遠巻きに見守っている。

鳥はそんな状況にもかかわらず、踊り続ける事10分。

え、怖い、怖い。何だこれ。鳥男が突然不気味なダンスとか、滑稽にしか見えん!!

そしてとうとう、一人の女性の前に跪いた。同じ鳥獣人の女性だ。

「ん僕の名前はケビン!! どうか、ん結婚していただけませーんか!!!」

すげぇクセのある喋り方!!

「素敵なダンスと翼でした。喜んでお受けします」

ええェェェ!!!!?

見守っていた人々は、口々に「おめでとう!!」言ってと拍手している。

「な、なんという狂気……」
「み、みーちゃん、一体何事!?」
「私に聞くな!」

後で知ったのだが、鳥獣人は一目惚れした相手に求愛ダンスをしてつがうのだそう。

異世界って不思議がいっぱいだ。


「みーちゃんが創った世界だよ」


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