聖女のおまけです。

三月べに

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02 聖女召喚の儀式。

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 シーヴァ国は百年に一度、聖女と呼ばれる者を召喚する。それは国の人間だったり、他国の人間だったり、または異なる世界の人間。
 それは百年に一度、瘴気纏う魔物が蔓延る魔の森と隣り合ったこの国を救う者。遥か昔から聖女は国に平和をもたらした。
 ある聖女は魔物討伐を手伝い国を守り、ある聖女は一つの魔法で魔物を鎮めて守り、ある聖女は国中を包む巨大な結界を張って守った。
 聖女は、皆が美しい女性だった。それ故、聖女の恋物語が本になって国中にある。ある聖女は王と結婚をして国中から祝福され、ある聖女は自分を守り抜いた騎士と恋に落ちて、ある聖女は森で助けた男に惚れて結婚をしたという。
 そして、聖女は一人。たった一人だけが召喚されると記録にも伝説にも記された。

 だから、聖女の召喚儀式の広間で、女性二人が現れたことは想定外で動揺が走ったのだった。
 一方は栗色の長い髪を持つ、まだ少女の幼さが残る美しい女性。もう一方は真っ白な容姿で倒れる女性。どちらが聖女なのか、混乱した。
 助けを求めた栗色の女性の元に真っ先に駆け寄ったのは、第一王子。それは彼女に一目で惚れてしまった故の行動だった。
 彼女から話を聞いたところ、聖女として召喚されたのは彼女。そして白い女性は、運悪く巻き添えになった一般市民だということがわかった。
 ほとんどの者が同情をした。国王もその一人だった。聖女の召喚に巻き込まれた彼女を放り出すことはせずに、手厚くもてなすことに決めた。
 聖女、水鳥川亜豆の話によれば容姿が変わってしまったとのこと。それは本来聖女一人だけが通る召喚の中に入ってしまったことが原因だろうと答えはすぐに出た。命があっただけでも奇跡だという意見もあった。
 その後、気を失ったまま起きない名もわからない女性を、誰もが気の毒に思った。このまま目覚めないのではないかとも疑われた。
 しかし、一週間が過ぎて彼女は目を覚ます。
 そして自分の状況に歓喜するとは、誰もが思っていなかったのだった。



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