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○5 もう堪えない悪魔。※
しおりを挟む重なった唇。
声を上げようとしても呻きにしかならないし、そんな抵抗もなきに等しい。
「ふあッ」
ビクッと震えてしまう。ねじ込まれたゼノヴィスの舌が、また私の口を割って入ってきたからだ。
くちゃりといやらしい水音を聞こえる。
ゼノヴィスの舌が私の口の中を撫でてきて、身を引きたいのに、しっかり抱き締められて逃げられない。
れろれろ。絡みつくように舌を撫でられて、ゾクゾクする。ギュッとゼノヴィスの服を握り締めて耐えた。
「はっ、んあっ」
肩で息をして、濃厚なキスに耐えていたら、ちゅぱっと吸われて、甘い声を零した。
ちゅぱちゅぽ、と音を立てるのは、絶対わざとだ。なんて意地悪な悪魔。
不意に、グッと腰を抱き寄せられたかと思えば、異物のような硬さを感じた。
押し付けられるそれが、何か……。
ゼノヴィスの腹部よりも下の位置にあるということだけを把握すれば、自ずとわかってしまう。
私は、さらに赤面してのぼせ上りそうになった。
「んぅー、可愛い。可愛いディナ……。オレ、我慢出来ない」
「が、我慢出来ないってっ、ちょ、ちょ、だだだめだよ!?」
ちゅっちゅっと頬にキスを落としながら、ゼノヴィスがズボンに何かしてごそごそしている。
プチパニックで、目を回してしまう。
「わかってる。まだ何も終わってないから、最後までシたりしないよ。でも、ディナ、お願い……。こんなになっちゃったんだよ? 鎮めて?」
顎の下にちゅっとねっとりしたキスを落として、甘えた声を出すゼノヴィスの手に導かれて、それを握らされた。
息を呑んだ。
硬くて、熱いモノ……グロテスクな肉棒。
ドクドク、脈まで打っている。
お、大きさと太さに恐れおののく。
「ギュッと握って、上下に動かして? それだけ。それだけでいいから、ディナ……」
はぁ、と熱い吐息を耳に吹きかけて、ゼノヴィスは自分から動かすことを私の手の甲に人差し指で上下になぞって催促する。
恥ずかしさで顔は真っ赤になるし、緊張で心臓はバクバクした。
だって、こんなことっ……! しことないっ……!
「お願い、ディナ」
怖気づいている私の目を見て、ゼノヴィスは潤んだ瞳で甘く頼み込む。断れなかった。
わなわな震えてしまうだけだから、唇はギュッと閉じて、手を動かし始める。
もう先から液を唾液のように垂らしたそれは濡れていて、しゅこしゅこと音が鳴ってしまう。
「あっ♡ 上手……ディナ、上手。気持ちいよ……」
うっとりした表情で、そっと私の頬を撫でるゼノヴィス。グッとくるものがある表情だ。
「ディナの柔らかい手で……オレのが……ああ♡ ディナが触れてるだけでっ、興奮するっ♡」
気のせいだろうか。ドクンと脈を打った手の中のそれが、また大きくなった気がする。
「ん♡ 良すぎて、すぐイキそ♡ ディナ、もっと強く握って……うん、それでもっと早く」
ゼノヴィスが自分の手で、ギュッと握る力に合わせて私も力を籠めると、シコシコと上下にしごき始めた。
「ディナ、ディナ♡ キス♡ キスしながらイキたい♡」
首を伸ばして顔を寄せたゼノヴィスのキスを、目を閉じて受け入れる。
キスと手の中の肉棒が合わせたかのように、くちゃくちゃと水音を立てる。
ゼノヴィスの興奮は、次第に加速。
彼の腰まで、僅かに揺れる。
膝の上にいた私も、その揺れを感じる羽目になって、いやらしい気分になった。
濃厚なキスを受け入れて、男のモノをしごいているだけで、十分いやらしいのに。
「んっ、んあ、ふっ♡ ディナ、好きっ、好きぃ♡」
うっすら目を開けば、熱を灯した目をとろんとさせて、うわごとのように私への想いを口にする悪魔。
「イクイクッ……!♡ 出るッ!♡ ディナ!」
私の名前を呼んで果てたゼノヴィスは、私の手ごと自分のもの押さえ込んだ。
熱い液体が、ビュクッと手にかけられた。
グッと引き寄せた私と深く唇を重ねて、ゼノヴィスはぶるぶると身体を震わせる。その間も、びゅるびゅると出ていることが手に感じ取れた。
ねっとりと舌をねじ込んで、私の唾液をかっさらってゴクリと飲んだゼノヴィスは、はぁと艶やかな息を一つ吐いた。
「すごい……出た…………気持ち良すぎ……♡ ありがと、ディナ」
こてんと肩に凭れるゼノヴィス。
「ど、どういたしまして? えっと……そ、その…………ゼノヴィス? たくさん、その……出るのね?」
めちゃくちゃベトベト感がするから、とんでもない量が出たと思うけれど、これはあれよね、ゼノヴィスは長年封印されていたせいよね。
溜まっていたっていうあれよね。通常ってわけじゃないわよね……? 悪魔の生態がわからないわ……!
顔を上げてキョトリとしたゼノヴィスは、やがておかしそうににんまりと笑った。
「ああ、これ? 似非精子だよ。気持ちいいほど量が出るけど、元はただの魔力の残滓なんだ」
「そうなの?」
「うん。性的興奮で溜まる液にすぎないよ。悪魔の子作りとなると、もっと手順が必要でね。それやらない限り、こんなに中出しを何回されても孕まらないから、安心して?」
「~~~~ッ!!?」
そそそそ、そんな心配してっ……! いないわけではないけど!
な、ななん、なんか違う! 安心出来る要素がない!!
「きっとディナの中だと、もっと気持ちいいだろうから、たくさん出ちゃうね?」
スリッとお腹を下から掌で撫でられて、ゾクリ。
「ディナも気持ちよくなる?」
「結構です!!」
慌てて、バッと身を離した。
「あ、綺麗にしないと!」
「もうしたよ」
言われて気付く。もう手には何もなくて、形跡すら残っていなかった。
平然な様子で、ゼノヴィスはズボンを整えている。物凄く満足げな満面の笑みだった。
「さぁ、帰ろう」
手を差し出されて、おずおずと手を繋いだ。
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