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01 この最悪なファンタジー世界を壊す。
しおりを挟むファンタジーな世界に行きたい。
夢に見るほど、願っていたことだ。
想像では、どこまでも続くような草原。そして花畑には、蝶とともに羽の生えた妖精が舞う。洋風の美しい街並みに、魔法に満ちたそんな世界。
地球の日本生まれで育った私は、とても憧れたのだ。
だから、来世はどうかファンタジーの世界に生まれたい。
そう心から願ったのだ。
それは、叶った。
だけどーーーー最悪。
異世界の名は、タシアシーア。
その世界では、人間は他の種族を見下し、奴隷化していたのだった。
妖精や魔物は魔法の首輪を嵌められ、労働を強いられていたのだ。
正直、その事実に、吐いてしまった。
美しい世界なんかじゃない。人間が汚した世界だった。
前世の願望を思い出した十歳の私は、何日も熱に魘されて寝込んだ。
その末に、私は決断をした。
ーーーーーーこの奴隷制度をぶっ壊してやる。
前世の私は、普通の人だ。ファンタジー好きな普通の会社勤めの女だった。
けれども、ファンタジー好きだったからこそ、妖精達の奴隷化は最低なことだと強く嫌悪を抱いたのだ。普通の会社勤めですら苦痛だった私にとってーー働かずにファンタジーを満喫したかったのでーー、労働を強いられていることも、そして自由を奪われていることも、許せなかった。
奇しくも、私は王族に生まれたのだ。
裕福な王族には、妖精の奴隷がたくさんいた。
最初は、その妖精の奴隷達。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい」
王女である私は、土下座して謝罪をした。
洋風の世界で土下座は馴染みのない謝罪方法だけれど、床に跪いて涙を流しながら頭を下げる姿勢は、伝わったようだ。
でも戸惑ってもいた。
王女である私に、謝罪されても、状況は変わらない。
落ち着いたあとに、私はどうやったらみんなの力になれるかを問う。
長い困惑の沈黙を破ったのは、一人のエルフの少年だ。
「……レジスタンスに加担する、というのはどうでしょう?」
「レジスタンス?」
とんがり耳と美しい顔立ちが特徴のエルフの少年の話によれば、奴隷を逃す組織があるそうだ。妖精が妖精の自由のために、すでに戦っている者達がいる。
私は、ともに戦うことを決めた。
レジスタンスと接触するまでは長かったけれど、なんとか会う約束を取り付けられたのだ。
それもこれもエルフの少年が、かなり働いてくれたおかげだと思う。
「ありがとうございます、ビアースさん」
「……何故礼を言うのですか?」
王女という身分だから、お忍びとしてマントを被って歩く。城をこっそり抜け出したので、少年ビアースと二人きり。
「ビアースさんが信じてくれて、その上でレジスタンスを探してくれたから、これから会える」
人間が奴隷を引き連れて、闊歩している光景を見て、嫌悪で顔をしかめてしまう。自分だって、そんな人間の一人だと思うと、悲しく苦しくもなった。
「……王女様は、初めから我々奴隷に優しかったですから、開放をしたいと願うのは理解出来ます。謝罪に嘘はないと信じられました」
「自分で奴隷だなんて言わないで!」
「奴隷は事実です。王女様」
「っ……」
ビアースさんは、奴隷らしく私の一歩後ろを歩きながら、淡々と言葉を返す。私も謝罪をしたけれど、奴隷の証である首輪を外す方法がわからず、今もビアースさんの首には鉄の首輪が嵌められている。
白金髪が整えられず伸びたままの髪を一つに束ねたビアースさんは、私が物心ついた頃には、すでに私の奴隷だったらしい。私に与えられた奴隷。今の自分が嫌でしょうがない。けれど、王女だからこそ、やれることはあるはずだ。
「絶対にその事実を壊してやるわ」
「……そうですね。信じております」
感情を殺したような無表情なビアースさんが、ちょっとだけ柔らかな表情になった気がした。
レジスタンスと約束した場所は、廃墟の家の中。
いたのは、褐色の肌ととんがり耳が特徴のダークエルフの男性だ。
間違いなく人間を憎んでいる目をしていた。私を睨むそれから、憎しみがじんじんと伝わったのだ。
彼はレジスタンスのリーダー。その時、名前は名乗らなかった。
ここに来るまで見張り、尾行がないことを確認したそうだ。罠ならば、真っ先に殺すとはっきり言われた。それくらい、言われてもしょうがない。
私は人間であり、王女だ。レジスタンスを一網打尽にする罠の可能性だってある。
「どうか、私に妖精達を救う方法を教えてください。私はこの国の王女でもあります。出来ることがあるはずです。見ての通り、まだ子どもですが……どうぞ、利用してください」
その場で土下座はせず、頭を深く下げて頼み込んだ。
「解せない」とレジスタンスのリーダーは、一蹴した。
私が妖精を救いたいと思うことが理解出来ない、と。
「誰であろうと、何者かの自由を奪って、支配していいわけがない!! こんな汚れた世界が許せない!! だからっ!! 私は奴隷制度をぶっ壊すと決めたのです!!」
こんな世界が間違っている。そう思うことはおかしなことか。
怒鳴るように声を荒げた私を見据えて、レジスタンスのリーダーは話し始めた。
幸い、奴隷時代は歴史が浅い。百年にも満たないそうだ。
元々、人間は妖精達を妬んでいて、それが爆発したようなもの。
ことの発端は、巨万の富に目が眩んだ一人のハイエルフが人間側についてしまったせいだと言う。
ハイエルフはエルフの中でも、魔法に優れた妖精。
奴隷の首輪を作った張本人。今もなお作り続けているという。
逆らったり首輪を外そうとすれば、感電の魔法が発動する代物。
彼さえ葬れば、首輪は全て崩壊する。
つまり、妖精達は奴隷から解放されるのだ。
「そいつは、どこに!?」
一気に奴隷解放が目前に見えた私は、興奮気味に問うた。
しかし、レジスタンスの存在を危惧して、彼は隠されてしまっているそうだ。目下、捜索中。
裏切りのハイエルフの捜索の手伝い。そして、過酷な状況下に置かれた奴隷に、なるべく手を差し伸べる。それが今の私に出来ることだと、告げられた。
連絡はビアースさんにすると言い残して、レジスタンスのリーダーは先に廃墟の家をあとにする。
私も城を抜け出したことがバレてしまう前に、早々と帰った。
悪者を倒せば、形勢は逆転する。それがわかって、よかった。
それからだ。
私は表向き、奴隷好きな王女と有名になった。
国王である父親に甘えた声を出せば、大抵のことは許されたのだ。私が四つの頃に王妃である母親は先立ったから、末っ子王女の私に甘い。
酷い状況下に置かれた妖精を、買ってもらった。理由はひと目見て気に入ったとか、私が欲しいと言えば、それで済んだ。
もちろん、私の元に来た以上は、泣きながら謝罪をし、これから救うことを約束をして待遇をなるべく良くした。首輪は外せないけれど、必要以上の労働はさせない。
私の元に妖精が集まったが、人間の方も集めることが出来た。
奴隷嫌いの騎士と噂された彼が、倒れた奴隷に手を差し出したところを見て、これは味方になると直感したのだ。
私と同じく奴隷制度に嫌気が差していた騎士バルトロさんは、同じ気持ちを持つ人間、それも王女がいて、心から安心したと涙した。私だって、同じ人間がいて良かったと心から安堵したのだ。それから、バルトロさんは私の騎士となった。
王様にお願いしたら、人間まで欲しがるか、と多少呆れ笑いをされたけれど、許可が出る。ついでに奴隷の首輪がどうやって作られるのか、を尋ねてみた。お前にはまだ早いと頭を撫でられ、話は終わってしまう。
王様である父は、現状に満足をしていた。そう妖精達を奴隷化していることに。世継ぎの兄である王子も、そうだ。
私付きの騎士になったバルトロさんに、剣術を教わった。
身を守る術は必要だし、いざ戦う時、剣を振れるようにしたかったのだ。
十一歳になり、記憶を取り戻し決意してから一年が経ったある日。
希少な妖精や魔物が売買されるオークションに、参加した。もちろん、大金をもらって。
王女として参加したから、媚びへつらう貴族達の挨拶や会話がしんどかった。すっかり奴隷好きが通っていて、やっぱり来ましたか、なんて言われてしまう始末。うんざりしつつも、笑みは保った。
そばにいたビアースさんが「なかなか腹黒ですね」と言うものだから、小突いてやろうとしたけれど、避けられてしまう。ビアースさんの方が、腹黒いと思うんだけど。最近は、私に婚約者候補が出てきて、その品定めを密かにしたビアースさんが毒付いていたのだ。
例えば、将来ハゲるとか、お金目的だとか、デブですねとか。婚約者候補に直接言うわけではなく、会ったあとに私に言ってくるのだ。なかなか表情を変えないビアースさんだけれど、黒い微笑みは見せるようになった。
話が脱線したけれど、その日のオークションの目玉はなんと、幻獣だ。
それも美しく煌めく白銀の毛に覆われた大狼。ファンリルと呼ばれる幻獣。当然の如く、奴隷の大きな首輪を嵌められていた。
黒に縁取られた瞳は、サファイアブルー。
なんて美しい生き物なんだろう。そう見惚れてしまった。
「何を見惚れているのですか。先を越されますよ」
ビアースさんに耳打ちされて、我に返る。
散々抵抗して暴れたのだろう。弱り切っている様子。
私は王女である立場を大いに利用して、見事落札をした。
羨ましい、と称賛を受ける奴隷好き王女として、当然ですわ! と扇子を仰いだ。
その後、人払いをした部屋で、鎖に繋がれた幻獣に涙の謝罪をした。
「どうして毎回毎回、泣けるのですか? 王女様は、涙腺が致命的なほど脆いのですか?」
毒吐きビアースさんは、少し黙っていてほしい。
幻獣も驚き戸惑っていたから、人の言葉を理解しているようだ。
「私は近い将来、この人間が作った奴隷制度を壊したいと願ってします。いいえ、実現させます。もう暫く……我慢していてください」
『それは出来ぬ』
一瞬、どこから低い声が出てきたのか。わからなかった。
幻獣フェンリルの声だとわかったのは、言葉の続きを聞いてからだ。
『我のいた森が狙われている。あそこには精霊がいる。精霊を守らねばいけない。この首輪を解いてくれ』
ビアースさん曰く、これは念思と呼ばれる意思の疎通だという。
「残念ながら、それは出来ません。私はまだ表立って、あなた方を解放出来ないのです。代わりに、レジスタンスを向かわせましょう。ビアースさん」
「はい。王女様」
場所を聞き出したあと、すぐさま、ビアースさんをレジスタンスの元に行かせた。
狙うのは、盗賊のような業者達。通称、ハンター。
ついに精霊にまで手を出そうとしている。
精霊は、言い換えれば神様のような存在だ。
実際、この世界の神様は、星の精霊と呼ばれている。
狙われている精霊は、星の精霊には及ばなくても、神様のような存在だ。
奴隷にする人間達は、狂っているのか。自分を神だと傲っているのか。
同じ人間として恥ずかしい、とため息を溢し、レジスタンスが間に合うことをひたすら祈った。
祈りは届いたのか。レジスタンスは無事狙われた精霊達を救ったと、噂がすぐに届く。なんでも派手に戦ったそうだ。それも戦争だと謳われるほどの激しい戦い。
のちに、“精霊森前の戦争”と名付けられた。
ダークエルフは、剣術や戦いに優れた種族。
あのリーダーが先導したのだから、きっと優勢だったに違いない。
私に感謝を伝える幻獣フェンリルだけれど、彼を早速洗うことにした。私も大きな狼を洗うことに、ワクワクしながら袖を捲る。けれど、妖精さん達に却下されてしまう。
「王女様が直にお手入れするなど、だめです! 万が一、人目に触れたらどうするのですか!」
カンカンに怒るのは、まさに妖精と呼べる小さな存在。揚羽蝶の羽根を背に生やす掌サイズの人の姿だ。悲しいことに、その小さな首には首輪があった。ピカピカと淡い光を纏っていて、愛らしい。首輪すらなければ、単純にその存在を喜んでいたのに。むしろ存在を祝福する。
彼女の名前は、リンカ。基本、私の服装や髪型を決める役だ。決定権を持っていると言える。
しょんぼりした。私だって、もふもふしたいのに。
いくら奴隷好きとは言え、世話をしているところを見られては不審に思われてしまう。大人しく、眺めるだけにしておいた。
幻獣フェンリルは、妖精達にもふもふと洗われて、気持ちよさそう。もくもくと膨れ上がる泡を見ながら、私は微笑ましく眺めた。
ドライアドの妖精達が、緑豊かな香りがする風を起こして乾かす。私の髪もこれで乾かしてもらっているが、本当に温かでいい香りだ。
ドライアドは、妖精だ。美しい女性の姿で、両手両足は木の色をしている。スカートは、大きな葉を重ねたようなドレス。髪は生え立ての木のような若葉色。
洗い立ての幻獣フェンリルの毛並みは、艶々のもふもふだ。それを愛でさせてもらった。最高のもふもふ。
さらに数年が経ち、徐々に人間の味方も作っていった私は、ついに裏切りのハイエルフの居場所を掴むことになった。
しかし、その塔に行くのは、容易ではない。城並みに厳重な警備を置いている。それを聞いたレジスタンスのリーダー、名をグレンアースは、重たい沈黙のあとに告げた。
「皆の自由のために、最後の戦いをする時が来た」
多くの血が流れる。そう予感がした。
「王女。お前にしか出来ないことを、遂行してほしい」
「なんでしょう?」
「王の放送室を乗っ取り、全ての奴隷達に向けて、これから解放されることを教えてほしい。そして、戦う時だと告げるのだ」
グレンアースさんにそう頼まれたのは、少々驚いたが、これも数年手助けをし合って信用を得た証だろう。
「生半可な覚悟で頷くな。いいか。犠牲を払うことになるぞ。必要とあれば、王も王子もお前の手で殺すことになる」
「……。必要とあれば、ですね」
「王女様」
私の護衛としてついてきたバルトロさんが、私に耳打ちした。
「王の放送室は、王の魔力と指輪が、鍵として必要です」
「……」
否応でも王様である父の協力してもらわなくてはいけないのか。
目を閉じれば、家である城が、血の海になる。
戦いは避けられない。
犠牲を払う時が、来た。
私は重たく頷く。
「皆の自由のために」
「……ああ、皆の自由のために」
そう言い合って、グレンアースと別れた。
城に戻った私は、リンカ達に集まってもらい、その時が来たことを告げる。そして、行動に出た。
フェンリル達を筆頭に、城の前で暴動を起こしてもらう。
城の中が手薄になったところで、父親である王様を襲った。
バルトロさんとビアースさん達と共に、父の護衛を制圧。
父は大いに混乱し、何度も私の名を呼び、やめろと叫んだ。
私は冷淡に「放送室を開けてください」と要求をした。幸い父は抵抗をしなかったから、無駄な血を流すことはない。
王の魔力と指輪で開けられた放送室は、国中に王の言葉を届けるための部屋である。各街に取り付けられたスピーカーのようなものに繋がり、響かせるのだ。
王の魔力で、スイッチオンにする。
「私は王女ソーニャです。奴隷として首輪をつけられてしまった皆様に告げます。その首輪は、もうじき崩壊をします。人間のせいで、自由を奪われたあなた方は今日、自由を取り戻すのです。首輪が朽ちた時、戦ってください。自分自身の自由のために! 自由は、何者にもあるものだ!! 奴隷制度を壊せ!! 人間のせいで汚れてしまった世界を! 美しいあなた達で作り直す時が来たんです!!!」
正直、ここまで言うつもりはなかった。
でも言葉は止まらず、涙を浮かべながら、私は国中にその声を届ける。
次の瞬間だ。そばにいたビアースさんの首輪が、砕けるように壊れ落ちたのだ。
グレンアースさん達が、裏切りのハイエルフを仕留めた。
奴隷達はいなくなる。首輪から解放されたのだ。
心から安堵したその胸に、痛みが貫いた。
「王女様!!」
わけもわからず崩れ落ちる私の身体を、ビアースさんが受け止める。
揺らいだ視界で見えたのは、兄が血に濡れた剣を持っている姿。
王達を見張っていたバルトロさんが、兄をねじ伏せた。
「裏切り者っ!! 裏切り者ぉおっ!!」
兄はそう叫び続ける。兄からすれば、私は裏切り者か。
父も兄も、騙し続けた私の代償だろう。
「……綺麗な首ね、ビアースさん」
私の胸を押さえ込み、血を止めようとするビアースさんの首を、まともに見たのは初めてだ。それもそうか。ずっと首輪が嵌められていたのだ。
「こんな時に、何を言っているのですかっ。すぐに治癒魔法をっ」
「いいの」
虫の息で私は、自分の死を受け入れた。
「いいわけないでしょう!」
珍しくビアースさんは、声を荒げる。
「美しいあなた達なら、この汚れてしまった世界も……美しくなるはず……」
「王女様っ!」
「どうか、皆が自由で……美しい世界に……なります、ように……」
ポロリと落ちる涙。誰のものだろうか。私かな。
もう視界が暗くて、何も見えない。
沈んでいくようだった。鉛のように重たく、ゆっくりと沈んでいく。
やがて、息は完全に止まる。私は死んだ。
願わくば、次は最高に美しきファンタジー世界に、転生できますように。
熱を感じた。ポカポカと真夏の日向にいるような、そんな温かさ。
指が跳ねる。強張っていた身体が、軋むように動き出す。
目を開くと、光の球がいくつも浮遊していた。
それが何か理解する間もなく、私は起き上がる。
私は森の中にいた。若葉色の明るい森の中。光の球に照らされているからそう見えるのだろうか。いや、きっと陽気な妖精達が、舞い踊っているからだろう。
足の踏み場もないくらい花が咲き誇っていて、緑豊かに生茂る。
夢に見た妖精の楽園。最高のファンタジー世界のワンシーン。
「おはよう、英雄の王女よ」
傍にいたのは、フェンリルから聞いたことのある容姿。
水色の長い髪と真っ青な顔の中性的な美しい顔立ちをした人の姿。
真っ白な木の枝で出来た王冠を被り、純白のドレスに身を包む彼女は、精霊。水の精霊。
「王女様ぁーっ!!!」
なんでフェンリルに聞いていた水の精霊が目の前にいるのだろうか、と疑問と向き合っていたら、頭に突撃された。それは私の世話係の妖精、リンカだったのだ。
瞠目してしまう。なんで死んだのに、私は。私は。
「星の精霊様に頼んで、あなたの魂を召喚してもらい、そして我々精霊の力で新たに誕生してもらったの! 救ってもらったお礼よ!」
水の精霊は言った。
「えっ!? ここ、タシアシーア!?」
覚えのある自分の声にも驚いてしまう。
「保存していた身体を再生し」
「星の精霊が召喚したそなたの魂を入れ」
「ついでにちょっと若返らせて」
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「不死の身体だ、喜ぶといい」
次々と口を開くのは、どうやら精霊らしい。
周りにいて、バラバラに話すものだから、目が回ってしまった。
「ーーーーまたこの異世界に転生だって!!?」
私は頭を抱えて、絶叫のように声を上げる。
ファンタジーに憧れて転生を望んだ魂は、妖精達を奴隷化する最悪なファンタジー世界の王女に転生した。
王女ソーニャは奴隷解放の英雄となるが、命を落とす。
しかし、精霊達の手によって、再びこの世界に転生したのだった。
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