冷笑の令嬢と紅蓮の騎士。〜婚約破棄を終えたので冒険をしたいのですが。〜

三月べに

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08 鳴かぬ魔物の猫。

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「困りましたね……」

 顎に手を添えて、ルヴィ様は呟くように言葉を溢す。

「使役した魔物なら、別に街に入れてもいいのでは?」

 黒っぽい魔物の猫に手を伸ばして触れても、今度は噛まれなかった。
 頭を撫でるとガサガサとした砂や泥のついた毛に触れる。ま、当然か。

「そうですけれど、レティエナ様も私もその魔物の名前を聞き取れませんでしたよね? 使役するとは名前で縛るということです。名前を呼んで命令をする。それで制御をするのですが……」
「名前を知らない以上、私はこの子を制御出来ないってことで問題になるのですね」
「そうなりますね」

 問題になるか。
 しかし、それって危険性があればの話ではないだろうか。
 目の前では、つーんとそっぽを向くぼさぼさの猫がいる。名前を教えるつもりがないと態度で示している。
 魔物とは言え、単なる猫に危険性はないだろう。

「そもそも、この子の性別はどっちかしら」
「「!」」

 私はそっぽを向く猫をひっくり返して、股の間を弄る。
 ぼさぼさの毛でわかりづらいわ。
 すると、両手が掴まれてバンザーイの体勢にされた。
 後ろに立っていたルヴィ様に掴まれたのだ。

「私が調べます」

 にこっとルヴィ様は、そう言った。
 しかし、猫の方はびっくりしたのか、シャーッと毛を逆立てて威嚇。

「喋れるようですし、直接訊いた方がいいと思います。あと、急に下半身を触ってはいけませんよ……」
「失礼しました」

 ルヴィ様に言われて、それもそうだと思い、素直に頭を下げる。
 気を取り直して、ぼさぼさの猫と向き合う。

「性別はどっちですか?」

 しかし、琥珀の瞳で見つめてくるだけで、猫は口を開こうとしない。

「言葉は理解しているのよね? 喋れるのに喋らないのは、どうしてかしら。名乗りたくないのは、縛られたくないから?」

 独り言のようにぶつぶつ言っていれば、猫はコクリと首を縦に振った。

「じゃあ、何故わざわざ使役になったの?」

 聞こえないと言わんばかりに顔を前足でごしごしとする猫。可愛い仕草である。

「怪しいですね……」
「可愛いですね……」

 怪しむルヴィ様と、真顔で可愛いと思う私。
 全体的に黒っぽいけれど、凛々しい琥珀の眼差しを持っている。

「レティエナ様、警戒してください。相手は魔物。何を企んでいるか、わかりませんよ」
「大丈夫ですよ。危ない時は、ルヴィ様が守ってくれるのでしょう?」
「……っ!!」

 厳しい口調で言ってくるから、私はにこりと微笑んでそう言ってみた。
 途端に、胸を押さえて後ろを向くルヴィ様。

「ど、どうしたのですか?」
「……今、押し寄せてくる幸福感を受け止めようとしているところですっ」

 チョロすぎか。
 いや、でも使える。今後冒険を阻もうとするなら、今のセリフを笑顔で言おう。
 なんて目論んでいると、ルヴィ様の耳まで真っ赤になっていることに気付く。
 ……ゾッコン、なのね。
 興味本位で、顔を覗きたかったけれど、それはやめておく。
 なんか罪悪感が湧いてしまいそうだ。

「じゃあ、右手に手を置いたら雌、左手に手を置いたら雄。どっち?」

 ポム、と前足が置かれたのは、左手の上だった。

「ああー雄かぁ、なんとなくそうだと思ったよー。イケメンだものね」

 性別が分かったところで、私は考え込む。

「雄の猫に付ける名前はぁ……」
「呼び名を付けるおつもりですか? それでは解決しません」
「大丈夫ですよ。ほら、薬草を取ってきて」

 唇にぽんぽんと人差し指を当てていれば、興奮が治まったらしいルヴィ様が尋ねる。
 私が言うと、一つ頷いて猫は草むらに飛び込んだ。やがて、薬草をくわえて戻ってきた。

「頼み事を聞いてくれますし、何より危険性はなさそうではないですか?」
「……そう、思いますか?」
「ええ。私が責任持ってお世話をするので、他言しないでください」

 私とルヴィ様が言わなければ、誰もこの猫のことを制御出来ないとは知られない。

「お願いできますか?」
「……はい」

 しぶしぶといった様子で、ルヴィ様は頷く。

「じゃあ呼び名を付けるね。んーっと……ロン!」

 前世のいとこが飼っていた犬の名前を拝借。確か由来は映画のキャラだった気がする。
 どんなキャラだったかなんて、そこまで覚えてないけれど。

「はい、握手しよう。ロン。私はレティエナ。よろしくね」

 うむ、よろしく。と言わんばかり重く頷く猫ことロン。
 前足を軽く握って握手、おしまい。

「よし、じゃあ、薬草探ししてくれるかな? 私達冒険者で、薬草摘みの依頼をこなしている最中なんだ」

 立ち上がってお願いをしてみれば、また頷いてロンはひゅーっと駆けて行った。
 【魔力感知】では魔物はおろか小鳥すらいない。きっとあの大きな二つ頭の犬に怯えて離れたのだろう。
 ルヴィ様に目をやれば、その二つ頭の犬が残した血痕を見つめていた。やがて私を振り返ると「行きましょう」と微笑んだ。
 ロンのおかげで、薬草探しはスムーズに行き、森の外に出る前に目的を達成した。
 安全を確認して、森の外で昼食をとることにする。
 朝食を買ったパン屋で昼食用も買っておいていたのだ。
 今頃、カリーも昼食に同じパンを食べている頃だろうか。
 ロンを見てみれば、うとうとと眠たそうに瞼を上げ下げしていた。

「お昼寝したいの?」

 そう言えば、猫は一日の大半は寝る生き物だった気がする。
 死にかけていたのだし、気が緩んで眠気に襲われているのかもしれない。
 私が抱えている間に眠ればいいと思い、抱え上げた。
 おお、意外と重い。さっきは気にしなかったけど、毛のせいかしら。それとも満腹のおかげか。

「レティエナ様。私が抱えていましょうか?」
「大丈夫です」
「そうですか。では何か起きた場合は、私が対処しますね」

 魔物や魔獣が出た場合は、ルヴィ様が対処してくれると言ってくれた。
 別に、ロンを抱えてても対処出来る自信はあるのだけれどなぁ。
 そうこうしているうちに、ロンはガクリと頭を垂らして寝落ちた。
 まるでずいぶん寝ていなかったご様子。
 魔物や魔獣がいる外だと、それも当然か。私も安眠する自信はない。
 休憩を挟んで一時間ぐらいで、ハサックルニーの街に到着をした。
 門番はすんなりと通してくれた。「魔物か」と問われて「使役しました」と答えれば、呆気なく許可が出たのだ。
 その頃には、ロンは起きていて、目をかっ開いて街を見回していた。街は初めてなのだろうか。

「レティエナ・ピースソー様!!」

 冒険者ギルドが見えてきたかと思えば、そこに立つ少年が声を上げた。
 あ、彼は確か……。

「この前の剣術大会の決勝で私に敗北した……ユージャックさん、でしたっけ?」
「そうだ! ユージャック・パターソンだ!!」

 くわっと怒声を響かせる少年ユージャック・パターソン。
 確か決勝の時も、こんな風に声を上げていた。
 私より三つ下なのに、中々強かった記憶がある。騎士の家系らしいから、幼い頃から剣を振っていたのだろう。私もだけれど。
 学生服の下でも身についた筋肉がわかる身体つき。ちょっと上にある目線。強面系の顔立ちで、茶髪の髪はオールバックにしている。瞳の色もブラウン。
 私は、にこやかに首を傾げた。

「私に用ですか?」
「っ! なんですか!? その笑みは!! ”冷笑の令嬢”のあなたらしくもない!!」
「学園パーティーでも言いましたが、これが素なんです」
「っ!!」

 たじろぐユージャックさんは、わなわなと震える。そして、また声を張り上げた。

「あなたがっ……”冷笑の令嬢”であっても、そうじゃなくても、どちらでもいい!! 勝ち逃げなんて、認めませんよ!! オレはまだあなたに勝っていない!!」
「勝ち逃げと言われましても、学園にいる理由は私にはもうありませんし、何よりそれはあなたの都合じゃないですか。私には関係ないと思うのですが」
「うっ!!」

 考えもしなかったのか、私の言葉にダメージを受けた様子のユージャックさん。

「じゃあ……決闘してください!!」
「嫌ですね」
「なっ……!?」

 一蹴したら、ユージャックさんは言葉を失ってしまった。

「学園は私闘が禁止されているじゃないですか。私のせいで罰を受けるのは困ります」

 学園の教師の目の前で決闘なら許されていたけれど。

「学園の罰なんて怖くない! あなたにさえ勝てれば、学園を退学させられても構わない!!」

 どうしてそこまで私に勝つことに執着しているのやら。

「いけませんよ、ユージャックさん。親が入れてくれた魔法学園を退学なんて、めっ! です」

 ずいっと、顔を近付けて、人差し指を立てる。
 私の家族はともかく、ユージャックさんの家族は学費を苦労して払っているに違いない。と勝手に思う。

「めっ……!?」
「私は仕事中です。学生のユージャックさんは家に帰りなさい」

 怒ったのか、赤面するユージャックさんを横切って、私は冒険者ギルドに入った。

「……言ったじゃないですか、レティエナ様。自覚を持ってください、と」

 後ろをついて歩くルヴィ様が言ったけれど、なんのことがわからずしかめる。

「しかし、昨日の今日で居場所を見付けるとは、噂が広まっているのでしょうかね」

 ルヴィ様が話題をすり替えた。

「ルヴィ様がいるせいですよ。悪目立ちしているのです」
「いえいえ、私がいない方が悪目立ちしますよ? 悪い虫もつきかねませんし」

 そんな話をしていれば、また名前を呼ばれた。

「レティエナ様!! おかえりなさいませ!!」

 ワンピース姿のカリーが嬉しそうに駆け寄ろうとしてくれたのだ。
 尻尾がぶんぶんと振られている。喜んでいるのだろう。
 しかし、私が腕に抱える猫ことロンを見ると、ぴたっと止まった。
 火花が散るような視線の交じり合いがあったあと、カリーは回れ右をする。

「レティエナ様の浮気者ーっ!!!」
「カリー!?」

 ダッと走り去ってしまうカリーを慌てて追いかけた。

「この子は、ロン。犬の魔物に襲われていたところを助けたら懐かれてしまったみたいで、そのまま使役することにしたのよ」
「う、ううっ、自分というものがありながら……他のもふもふを拾ってくるなんて! レティエナ様はもふもふなら拾うんですか!?」
「そうなのですか?」
「今会話に入らないでください、ルヴィ様」

 受付のカウンターの奥に身を隠してしまったカリーに説明しているところなので、”紅蓮の騎士”は黙っていてください。
 ギルドの仕事の邪魔ですよー出てきてー。
 
「はっきり言ってもふもふが嫌いな人はいないと思う」

 きりっといい顔で言い切った。

「自分は獣人じゃなかったらレティエナ様に助けてもらえなかったってことですかー!?」
「やだな、そんなことない。ちゃんと手を差し伸べていたはずだよ。その可愛い耳と尻尾がなくても、カリーを助けた」
「……本当ですか?」

 わぁっと泣き出しそうなカリーに、私は真面目に告げる。

「そんなこと、考えちゃだめだよ。確かに私はもふもふ好きだけど、カリーのこと好きで助けたんだからね」
「レティエナ様……!」

 顔を上げたカリーは、青い瞳をウルウルさせていた。

「そうだ、カリーに真っ先に報告したいことがあるの」
「なんですか?」

 狼耳をぴくぴくさせて、耳を傾けてくれたカリーに、じゃーんと冒険者プレートを見せる。

「レベルアップしたよ!」

 レベル2の文字を見て、カリーは固まった。やがて、大きく目を見開き、口を開き、絶叫をする。

「昨日冒険者になったのに、もうレベル2になったですってーっ!!?」

 その声は、冒険者ギルドの外まで響いたに違いない。



 
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