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日常編㉑
第625話、大人気(一部)のエルダーリッチさん
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「「「「「きゃぁぁぁぁぁっ!!」」」」」
「やっぱりな……」
エルダーリッチを十名、俺とルミナとアウグストさんで村に戻ると、出迎えにミュディ、ハイエルフの女子が四名いたんだが……俺の後ろに並ぶ漆黒の骸骨集団を見るなり絶叫した。
何人か倒れちゃったし、叫びに反応してサラマンダー族たちが武器持って来るし、もう大変。
「叔父貴!! そいつらは一体……!!」
「あーあーあー!! 皆さん、落ち着いて!! 彼らは敵じゃありません!! その、うちの村に研修に来たヒト……人……? 骸骨……えっと、エルダーリッチさんたちです!!」
人と定義していいのか迷った。いや人骨だし人なんだろうけど、でも骸骨だし……と、言い淀んでとりあえずエルダーリッチさんと呼んだ。
すると、俺の後ろにいたエルダーリッチのワイトさんが前に出る。
『カカカカカッ、大丈夫でス。こんな見た目ですシ、怖がられのは慣れていまス』
「ワイトさん……」
『皆さン!! 我々はこんな見た目ですガ、皆さんと仲良くしたいと思っていまス!! これから仲良くやりましょウ!!』
ワイトさんはカタカタ笑いながら手を差し出した。
住人たちはドヨめいていたが、意外なことにミュディが前に出る。
「あの……叫んじゃってすみませんでした。その、よろしくお願いします」
「みゅ、ミュディが……まさか、一番最初にミュディが」
「アシュト、わたしだってずっとこの村に住んでるんだよ?」
「お、おお」
ミュディがムッとする。
そして、ワイトさんの差し出した手をギュッと摑んだ。
『ア』
すると、ワイトさんの腕がバキッと取れてしまった。
『いやあはハ。たまに外れてしまうのデ……申し訳ないでス』
「……きゅう」
ミュディがぶっ倒れてしまった。
こうして、緑龍の村にエルダーリッチの職人さんたちが働くことになった。
◇◇◇◇◇◇
さて、エルダーリッチたちがやってきて数日が経過した。
「にゃあ。ガイコツー」
『ハハハ。エルダーリッチ、ですヨ。ネコのお嬢さン』
「わぅぅ……骨、スベスベしてる」
「それに、硬いですね」
「硬いの」
「カチカチ」
意外にも、子供たちに大人気だった。
ミュアちゃんがワイトさんのお尻の骨をコンコン叩き、ライラちゃんが腕を触り、アセナちゃんは観察して、エイラちゃんとコルンちゃんがぺたぺた触りまくっている。
他のエルダーリッチたちも、子供たちに触られたりしてる。中には子供を抱っこしたり、ナデナデするエルダーリッチもいた。
というか、見分けがつかない。
ワイトさんは、魔石のハマったネックレスを付けているからわかるけど、他のエルダーリッチたちはわからない。ミュディに頼んで腕章でも作ってもらうか。
ちなみに……エルダーリッチたちが来て喜んでいるのは、俺とココロもだ。
「ふむふむ、腕の骨はこういう形なんですね……」
「足の指、骨の数は……なるほど」
『ア、あノ~……まだでしょうカ?』
「すみません、もう少しだけ!! お礼にミルクを用意してますんで!!」
『ナ、なら仕方ないですネ……』
俺とココロは、エルダーリッチたちの身体を観察していた。
人間と全く同じ骨らしいので、骨格標本として最適だ。しかも動くし、関節部や骨の動きがよく観察できる……すっごくありがたいぞ。
骨だけではない。エルダーリッチという種族についても質問できた。
「あの、エルダーリッチの主食はなんですか?」
『基本的には動物の乳ですネ。この身体で食べることもできますガ、食べ物は娯楽品みたいな物デ……必ずしも接種する必要はないのでス』
「なるほど。睡眠、排泄などは?」
『どちらもありませんネ。寝ることはできますが、我々にとって睡眠は『早く時間を進めたい場合にとる行動』のようなものでス。暇な時に寝たりしまス』
「ふむふむ……では、文化など」
「あ、待ったココロ。そういうのはディアーナも呼んで話そう。他種族の文化とか、文官は知っておいた方がいいし」
「そうですね。では、私が呼んできます!」
こんな感じで、エルダーリッチたちの生態を調べている。
いやー、最初は恐怖しか感じなかったけど、この人たち優しいし、数日で村に馴染んだ。
子供たちにも大人気だし、すっごく親しみやすい。
まぁ……夜とか、窓を見ると眼窩の窪みが真っ赤に輝く骸骨がカタカタ音を鳴らしながら歩く姿は恐怖だけどな。あまりの恐怖にミュディが腰を抜かしてしまったのは記憶に新しい。
エルダーリッチたちは、アウグストさんの元で仕事をしている。
エルダーリッチの村を発展させるために、話を聞きながらメモを取り、わからないことは質問していた。すっごく勉強家で真面目だ……驚いた。
あと、これが一番驚いた。
このエルダーリッチたち、なんと不死身なんだって。
死を超越した存在だとか、闇夜の化身だとか言われている。ディアボロス族が崇拝する神話七龍、『夜龍ニュクス』様の眷属だっていうしな。まさか、ルシファーたち以外にも眷属いたんだ。
粉々になっても再生するし、死ぬときは好きな時に死ねるんだって……「じゃ、死ぬか」で死ねるってどういう種族だよ。それに、戦ってもめちゃ強いらしい。
エルダーリッチにしか使えない『死魔法』とか、『骸骨魔法』とかあるらしい……なんか聞いたら後戻りできない気がするのでそれ以上は聞かなかった。
というわけで……エルダーリッチさんたちは今日も真面目に頑張っています!!
「やっぱりな……」
エルダーリッチを十名、俺とルミナとアウグストさんで村に戻ると、出迎えにミュディ、ハイエルフの女子が四名いたんだが……俺の後ろに並ぶ漆黒の骸骨集団を見るなり絶叫した。
何人か倒れちゃったし、叫びに反応してサラマンダー族たちが武器持って来るし、もう大変。
「叔父貴!! そいつらは一体……!!」
「あーあーあー!! 皆さん、落ち着いて!! 彼らは敵じゃありません!! その、うちの村に研修に来たヒト……人……? 骸骨……えっと、エルダーリッチさんたちです!!」
人と定義していいのか迷った。いや人骨だし人なんだろうけど、でも骸骨だし……と、言い淀んでとりあえずエルダーリッチさんと呼んだ。
すると、俺の後ろにいたエルダーリッチのワイトさんが前に出る。
『カカカカカッ、大丈夫でス。こんな見た目ですシ、怖がられのは慣れていまス』
「ワイトさん……」
『皆さン!! 我々はこんな見た目ですガ、皆さんと仲良くしたいと思っていまス!! これから仲良くやりましょウ!!』
ワイトさんはカタカタ笑いながら手を差し出した。
住人たちはドヨめいていたが、意外なことにミュディが前に出る。
「あの……叫んじゃってすみませんでした。その、よろしくお願いします」
「みゅ、ミュディが……まさか、一番最初にミュディが」
「アシュト、わたしだってずっとこの村に住んでるんだよ?」
「お、おお」
ミュディがムッとする。
そして、ワイトさんの差し出した手をギュッと摑んだ。
『ア』
すると、ワイトさんの腕がバキッと取れてしまった。
『いやあはハ。たまに外れてしまうのデ……申し訳ないでス』
「……きゅう」
ミュディがぶっ倒れてしまった。
こうして、緑龍の村にエルダーリッチの職人さんたちが働くことになった。
◇◇◇◇◇◇
さて、エルダーリッチたちがやってきて数日が経過した。
「にゃあ。ガイコツー」
『ハハハ。エルダーリッチ、ですヨ。ネコのお嬢さン』
「わぅぅ……骨、スベスベしてる」
「それに、硬いですね」
「硬いの」
「カチカチ」
意外にも、子供たちに大人気だった。
ミュアちゃんがワイトさんのお尻の骨をコンコン叩き、ライラちゃんが腕を触り、アセナちゃんは観察して、エイラちゃんとコルンちゃんがぺたぺた触りまくっている。
他のエルダーリッチたちも、子供たちに触られたりしてる。中には子供を抱っこしたり、ナデナデするエルダーリッチもいた。
というか、見分けがつかない。
ワイトさんは、魔石のハマったネックレスを付けているからわかるけど、他のエルダーリッチたちはわからない。ミュディに頼んで腕章でも作ってもらうか。
ちなみに……エルダーリッチたちが来て喜んでいるのは、俺とココロもだ。
「ふむふむ、腕の骨はこういう形なんですね……」
「足の指、骨の数は……なるほど」
『ア、あノ~……まだでしょうカ?』
「すみません、もう少しだけ!! お礼にミルクを用意してますんで!!」
『ナ、なら仕方ないですネ……』
俺とココロは、エルダーリッチたちの身体を観察していた。
人間と全く同じ骨らしいので、骨格標本として最適だ。しかも動くし、関節部や骨の動きがよく観察できる……すっごくありがたいぞ。
骨だけではない。エルダーリッチという種族についても質問できた。
「あの、エルダーリッチの主食はなんですか?」
『基本的には動物の乳ですネ。この身体で食べることもできますガ、食べ物は娯楽品みたいな物デ……必ずしも接種する必要はないのでス』
「なるほど。睡眠、排泄などは?」
『どちらもありませんネ。寝ることはできますが、我々にとって睡眠は『早く時間を進めたい場合にとる行動』のようなものでス。暇な時に寝たりしまス』
「ふむふむ……では、文化など」
「あ、待ったココロ。そういうのはディアーナも呼んで話そう。他種族の文化とか、文官は知っておいた方がいいし」
「そうですね。では、私が呼んできます!」
こんな感じで、エルダーリッチたちの生態を調べている。
いやー、最初は恐怖しか感じなかったけど、この人たち優しいし、数日で村に馴染んだ。
子供たちにも大人気だし、すっごく親しみやすい。
まぁ……夜とか、窓を見ると眼窩の窪みが真っ赤に輝く骸骨がカタカタ音を鳴らしながら歩く姿は恐怖だけどな。あまりの恐怖にミュディが腰を抜かしてしまったのは記憶に新しい。
エルダーリッチたちは、アウグストさんの元で仕事をしている。
エルダーリッチの村を発展させるために、話を聞きながらメモを取り、わからないことは質問していた。すっごく勉強家で真面目だ……驚いた。
あと、これが一番驚いた。
このエルダーリッチたち、なんと不死身なんだって。
死を超越した存在だとか、闇夜の化身だとか言われている。ディアボロス族が崇拝する神話七龍、『夜龍ニュクス』様の眷属だっていうしな。まさか、ルシファーたち以外にも眷属いたんだ。
粉々になっても再生するし、死ぬときは好きな時に死ねるんだって……「じゃ、死ぬか」で死ねるってどういう種族だよ。それに、戦ってもめちゃ強いらしい。
エルダーリッチにしか使えない『死魔法』とか、『骸骨魔法』とかあるらしい……なんか聞いたら後戻りできない気がするのでそれ以上は聞かなかった。
というわけで……エルダーリッチさんたちは今日も真面目に頑張っています!!
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