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第七章
チーム『エンシェント』の戦い
「おぉぉぉォォォォォッ!!」
宮殿前広場に、レノの絶叫が響き渡る。
レノは、血まみれで戦っていた。殴られ、蹴られ、サリオの回復魔法が何度かけられても、回復するより早く怪我をする。
敵はシモン。遥かに格上だが、レノは気合と根性で戦っていた。
もう、何度回復魔法をかけたかわからない。
サリオの膨大な魔力をもってしても、魔力が半分を切った。
「レイさん!! もう一度支援魔法を!! レノ、回復する!!」
ずっと魔法を途切れさせない。
レイは、サリオの支援魔法と回復魔法こそ、このチームの要だと確信した。
当のサリオは、魔力をひたすら放出する。
「あはは……喜ぶべきなんだけど、けっこうキツイね!!」
回復魔法のレベルは7に上がり、支援魔法もレベル5になった。
すると、サリオを狙ってギガントマキアの構成員たちが迫る。
だが、上空からの狙撃とレイの援護により、構成員たちは倒された。
「くっ……レノの援護に回りたいけど」
サリオを守らなければまずい。
レノは、シモンと一対一で戦っている。
パワーはレノが高い。だが、シモンのスキル『鋼鉄化』の防御が硬く、決定打を与えられない。
「もうちょっと耐えてよね。こっちも、もう少しだから」
レイは双剣を振い、ギガントマキアの構成員たちを一人ずつ、確実に始末していく。
◇◇◇◇◇
上空にて。
アピアは、弾丸を生成し続けながら狙撃を繰り返していた。
「北へ280メートル前進。高度維持」
そう呟くと、ワイバーンは言う通りに進んでくれる。
背中の上も、普通の地面と変わらない。安心して狙撃ができる。
チーム『エンシェント』が有利なのは、制空権を制覇していることだろう。空を飛ぶスキルや鳥に変身する『獣化』スキルはある。だが、どのスキルも希少なのだ。
現在、上空にいるのはアピアのみ。
アピアは安心して弾丸を生成。
「『散弾』」
弾丸の中に、小さな粒状の弾丸がいくつも入っている『散弾』を生成。スナイパータイプ魔導銃に込め、照準をギガントマキアの構成員たちに合わせる。
構成員たちが一塊になったところを狙い発射。粒状の弾が爆ぜ、四人同時に倒せた。
「よし」
幼いころから、目が良かった。
父の趣味である狩猟で、初めて銃を持たせてもらった。
外したのは、初めて撃った一発目だけ。それだけで銃を理解し、指定された的のド真ん中を連続で命中させ、周囲の度肝を抜いた。
アピアは、「狙ったところを撃っただけ」と言った。それを聞いた父はアピアのことを「天才」と呼び、銃の知識や射撃、狙撃の訓練をさせた。
父も貴族にして冒険者、母は元S級冒険者ということもあり、娘が社交界ではなく冒険者になることに肯定的だった。だが、冒険者になるには「学園に入学してから」ということになったのは、ちょっとだけ残念だった。
学園に入学し、仲間ができた。
その仲間と共に、今は戦っている。
それが───……アピアにとって、何よりも大事なことだ。
「ふふ……」
アピアは笑う。
スキル『水魔法』を発動。薄く伸ばし、水で巨大なレンズを作る。
アピアの『鷹の眼』が、水のレンズを通して敵を見る。
まるで、エモノを狙う鷹のように。
「レノくんも苦戦していますし……そろそろ、ケリを付けましょう」
敵の残りは、あと二十人。
アピアは弾丸を生成。ロングマガジンに二十発の弾を込め、魔導銃に装填。
「───……」
呼吸を整え、水のレンズで敵の位置を確認。
そして───連続で引金を引いた。
弾丸の雨が、上空から降り注ぐ。
全ての弾丸が、敵の頭部に命中。一発も外すことなく、全員がほぼ同時に倒れた。
「なにぃ!?」
「マジで!?」
シモンとレノが同時に叫ぶ。
アピアは、ライフルを肩から外して「ふぅ」とため息を吐いた。
「残り、一……」
のちに、伝説の狙撃手と呼ばれることになる『必中姫』の覚醒であった。
◇◇◇◇◇
「おらぁぁぁぁぁぁっ!!」
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
「くっ……」
レノ、レイの連続攻撃に、シモンは防戦一方だった。
正直、個人としての能力は高くない。レノもレイも、一対一ならシモンは負けることがない。
だが……二人、いや四人そろった時、非常に厄介な敵となった。
「レノ、レイさん、回復と支援!!」
回復、支援に特化した魔術師のサリオ。
まず、こいつはおかしい。戦闘が始まってから、途切れることなく支援と回復を繰り返している。まず、魔力が持たない。
大賢者レベルの魔力。それがサリオだ。
「───……ぐっ!?」
頭部に何か命中した。
それが弾丸だとすぐに気付いた。
狙撃手のアピアによる支援。
こいつが非常に厄介だった。二人を殴ろうとすれば両腕に弾丸が命中し、回避しようとすれば足に弾丸が命中する。
冷静沈着、冷酷無比な狙撃。こんな狙撃手は、シモンがこれまで戦った人間でも、そうはいない。
「『クリティカルブロー』ぉぉぉぉぉっ!!」
「っ!!」
油断。
レノの一撃が、『鋼鉄化』していない脇腹に直撃。
内臓に少なくないダメージを受け、シモンは初めて膝をつく。
鋼鉄化が解除された。集中が途切れたのだ。
「金属精製、『ハンマー』!!」
「オォォォォォッ!!」
レイが両手持ちのハンマーを、レノが硬く拳を握る。
そして、ハンマーと拳が、同時にシモンの顔面に叩きつけられた。
「ぐぶぇ!?」
鼻血が噴き出し、歯が折れ……シモンの意識は刈り取られた。
「っしゃぁ!!」
「チーム『エンシェント』の勝利!! やったわ!!」
どこか嬉しそうな、年相応の勝ち鬨が聞こえたような気がした。
宮殿前広場に、レノの絶叫が響き渡る。
レノは、血まみれで戦っていた。殴られ、蹴られ、サリオの回復魔法が何度かけられても、回復するより早く怪我をする。
敵はシモン。遥かに格上だが、レノは気合と根性で戦っていた。
もう、何度回復魔法をかけたかわからない。
サリオの膨大な魔力をもってしても、魔力が半分を切った。
「レイさん!! もう一度支援魔法を!! レノ、回復する!!」
ずっと魔法を途切れさせない。
レイは、サリオの支援魔法と回復魔法こそ、このチームの要だと確信した。
当のサリオは、魔力をひたすら放出する。
「あはは……喜ぶべきなんだけど、けっこうキツイね!!」
回復魔法のレベルは7に上がり、支援魔法もレベル5になった。
すると、サリオを狙ってギガントマキアの構成員たちが迫る。
だが、上空からの狙撃とレイの援護により、構成員たちは倒された。
「くっ……レノの援護に回りたいけど」
サリオを守らなければまずい。
レノは、シモンと一対一で戦っている。
パワーはレノが高い。だが、シモンのスキル『鋼鉄化』の防御が硬く、決定打を与えられない。
「もうちょっと耐えてよね。こっちも、もう少しだから」
レイは双剣を振い、ギガントマキアの構成員たちを一人ずつ、確実に始末していく。
◇◇◇◇◇
上空にて。
アピアは、弾丸を生成し続けながら狙撃を繰り返していた。
「北へ280メートル前進。高度維持」
そう呟くと、ワイバーンは言う通りに進んでくれる。
背中の上も、普通の地面と変わらない。安心して狙撃ができる。
チーム『エンシェント』が有利なのは、制空権を制覇していることだろう。空を飛ぶスキルや鳥に変身する『獣化』スキルはある。だが、どのスキルも希少なのだ。
現在、上空にいるのはアピアのみ。
アピアは安心して弾丸を生成。
「『散弾』」
弾丸の中に、小さな粒状の弾丸がいくつも入っている『散弾』を生成。スナイパータイプ魔導銃に込め、照準をギガントマキアの構成員たちに合わせる。
構成員たちが一塊になったところを狙い発射。粒状の弾が爆ぜ、四人同時に倒せた。
「よし」
幼いころから、目が良かった。
父の趣味である狩猟で、初めて銃を持たせてもらった。
外したのは、初めて撃った一発目だけ。それだけで銃を理解し、指定された的のド真ん中を連続で命中させ、周囲の度肝を抜いた。
アピアは、「狙ったところを撃っただけ」と言った。それを聞いた父はアピアのことを「天才」と呼び、銃の知識や射撃、狙撃の訓練をさせた。
父も貴族にして冒険者、母は元S級冒険者ということもあり、娘が社交界ではなく冒険者になることに肯定的だった。だが、冒険者になるには「学園に入学してから」ということになったのは、ちょっとだけ残念だった。
学園に入学し、仲間ができた。
その仲間と共に、今は戦っている。
それが───……アピアにとって、何よりも大事なことだ。
「ふふ……」
アピアは笑う。
スキル『水魔法』を発動。薄く伸ばし、水で巨大なレンズを作る。
アピアの『鷹の眼』が、水のレンズを通して敵を見る。
まるで、エモノを狙う鷹のように。
「レノくんも苦戦していますし……そろそろ、ケリを付けましょう」
敵の残りは、あと二十人。
アピアは弾丸を生成。ロングマガジンに二十発の弾を込め、魔導銃に装填。
「───……」
呼吸を整え、水のレンズで敵の位置を確認。
そして───連続で引金を引いた。
弾丸の雨が、上空から降り注ぐ。
全ての弾丸が、敵の頭部に命中。一発も外すことなく、全員がほぼ同時に倒れた。
「なにぃ!?」
「マジで!?」
シモンとレノが同時に叫ぶ。
アピアは、ライフルを肩から外して「ふぅ」とため息を吐いた。
「残り、一……」
のちに、伝説の狙撃手と呼ばれることになる『必中姫』の覚醒であった。
◇◇◇◇◇
「おらぁぁぁぁぁぁっ!!」
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
「くっ……」
レノ、レイの連続攻撃に、シモンは防戦一方だった。
正直、個人としての能力は高くない。レノもレイも、一対一ならシモンは負けることがない。
だが……二人、いや四人そろった時、非常に厄介な敵となった。
「レノ、レイさん、回復と支援!!」
回復、支援に特化した魔術師のサリオ。
まず、こいつはおかしい。戦闘が始まってから、途切れることなく支援と回復を繰り返している。まず、魔力が持たない。
大賢者レベルの魔力。それがサリオだ。
「───……ぐっ!?」
頭部に何か命中した。
それが弾丸だとすぐに気付いた。
狙撃手のアピアによる支援。
こいつが非常に厄介だった。二人を殴ろうとすれば両腕に弾丸が命中し、回避しようとすれば足に弾丸が命中する。
冷静沈着、冷酷無比な狙撃。こんな狙撃手は、シモンがこれまで戦った人間でも、そうはいない。
「『クリティカルブロー』ぉぉぉぉぉっ!!」
「っ!!」
油断。
レノの一撃が、『鋼鉄化』していない脇腹に直撃。
内臓に少なくないダメージを受け、シモンは初めて膝をつく。
鋼鉄化が解除された。集中が途切れたのだ。
「金属精製、『ハンマー』!!」
「オォォォォォッ!!」
レイが両手持ちのハンマーを、レノが硬く拳を握る。
そして、ハンマーと拳が、同時にシモンの顔面に叩きつけられた。
「ぐぶぇ!?」
鼻血が噴き出し、歯が折れ……シモンの意識は刈り取られた。
「っしゃぁ!!」
「チーム『エンシェント』の勝利!! やったわ!!」
どこか嬉しそうな、年相応の勝ち鬨が聞こえたような気がした。
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