88 / 109
第七章
四分の三
四分の三の龍人形態。
両足を包む鱗の装甲。その脹脛部分がガパッと開くと、黄金の闘気が噴射。リュウキは超高速で拳を振りかぶり、エキドナを狙う。
だが、エキドナは避けなかった。
代わりに、テュポーンが動き、リュウキの巨大化した右拳を受け止めた。
「よくできました」
「おま、避けるなり受け止めるなりしろよ」
「いいじゃない。あなたがいるんだもの……ねぇ、テュポーン」
「へいへい」
そして、テュポーンの左腕が巨大な《蛇》となり、リュウキの身体を弾き飛ばす。
リュウキは宮殿に激突。再び貫通し、反対側へ吹き飛んだ。
そして、テュポーンの左腕の《蛇》が大きな口を開ける。
テュポーンは宮殿の屋上へ飛び、そこから《蛇》をリュウキが吹き飛んだ場所へ向けた。
「『ヴェノムブレス』」
口から濃い紫色の猛毒ブレスを吐きだす。
濃い紫色の霧が、リュウキのいる周囲の森を包み込んだ。
木々が枯れ、大地が腐り、魔獣、動物たちが紫色の泡を吹いて倒れ、そのままグズグズに溶けて液状になり、最後は腐った地面と同化する。
リュウキも例外ではなかった。
「グハッ!? ガハッ、ガハッ……う、ゲェェッ!!」
吐血、嘔吐を繰り返した。
闘気で辛うじて身を守っているが、毒の浸食が早く闘気で相殺できない。それだけじゃない、鱗の鎧に亀裂が入り、龍人形態が解除される寸前だった。
そして、テュポーンとエキドナが何事もなく、毒霧の中を歩いてくる。
「御父上の力でも、オレの毒は相殺できないみたいだな。ははは、なんか嬉しいぜ」
「調子に乗らない。それで……?」
「ま、一番弱い毒でこのありさまだ。どんなに頑張っても、オレらに傷一つ付けられねぇだろうさ。エキドナ、楽にしてやれよ」
「えー? この子で遊びたいわ」
「やめとけって。こいつの《核》奪って、御父上の力を手に入れようぜ。上のクソ兄貴とクソ姉貴に一泡吹かせてみるのも、面白そうかもよ?」
「…………確かにねぇ」
「グ、ゥゥ……」
リュウキは、ガクガク震え吐血し、真っ赤に充血した眼から血の涙を流す。ヨダレも、流れ出る全ての液体が血になっていた。
内臓も、機能が停止しつつある。心臓の鼓動も弱く、今にも止まりそうだ。
せっかく『四分の三』に進化しても、まるで歯が立たない。
これが、ドラゴン。
世界を壊し、世界を変える力を持つ、偉大なる生物。
ちっぽけな人間が力を手にし、身体を鱗で覆ったところで、辿り着けない境地だ。
「ゥ、ぐ……」
意識が朦朧となり、ようやく頭が落ち着き……リュウキの意識が、戻ってきた。
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
頭が痛かった。
喉が痛かった。
お腹も、腰も、背中も、何もかも痛い。
目がかゆく、擦ると真っ赤な血で染まった。
目がほとんど見えない。だが、エキドナとテュポーンが何やら話しているのは聞こえた。
「頭に《核》があるんだっけ?」
「そうみたい。普通は心臓なのに、変な子ねぇ」
「あっちの人間とリンドブルム、どうする?」
「始末していいわよ。この子が使えないなら、イザベラで遊ぶからいいわ」
「はいよ」
毒、か。
まったく……とんでもないドラゴンだ。
ほんの少し毒を吸っただけなのに、もう身体がガタガタだ。
力を75%まで解放したのに、歯が立たない。
所詮、俺じゃあ……エンシェントドラゴンの力を、引き出せないのか。
『───、───』
「……?」
何かが、聞こえたような気がした。
眼は見えない。耳からも血が出ている。でも……やけにはっきり聞こえた。
まるで、耳に直接、声が届いているような。
『いいの?』
「……?」
『諦めたら、そこでおしまい』
「…………」
『あがく? ふふ、あがくなら……手を貸してあげる』
「…………っ」
俺は、小さく頷いた。
まだ、死ねない。
死にたくないし、仲間たちと冒険だってしたい。
それに、アキューレを助けなきゃ。
こんな連中に、負けたくない。
『大きく口を開けて……あなたに、《力》をあげる』
「…………」
『この力でも、エキドナとテュポーンを倒せる保証はない。でも、完全に油断している今なら、どちらかに致命傷を与えることができるかもしれない』
「…………」
『あとは───わかるわね?』
俺は小さく頷き、最後の力を振り絞って大きく口を開けた。
「ぷっ……何? どうしたの? お腹減ったのかしら」
「ハハハっ、そろそろ死んどけ」
テュポーンの手が伸びてくる。
そして───俺は、見た。
上空から、何かが落ちてきた。
エキドナたちは気付いていない。
それは───小さな、指のような肉の塊。
それが、俺の空いた口の中に落ちた。
「「……?」」
俺は咀嚼することなく飲み込み───気付いた。
これは、ドラゴンだ。
ドラゴンの肉を、俺は食った。
そして、緑色の闘気が俺の全身を包み込む。
スキルイーターのレベルが上がり、新しいスキルをセットした。
「『嵐龍闘気』───『女神の嵐槍』!!」
「えっ?」
創造するのは、嵐。
その嵐を突っ切るのは、槍。
嵐を纏う突撃槍を一本作り立ち上がる。油断しているエキドナの心臓目掛けて突き刺した。
胸に槍が刺さったエキドナは大量に血を吐き吹っ飛ぶ。
俺は全ての力を振り絞り、唖然としているテュポーンの顔面めがけて槍を突き刺す。
「ごぇ!?」
頬に槍が刺さり、口を貫通。
俺は右手を巨大化させ、テュポーンの腕に右手を喰らいつかせ食い千切った。
「スキルイーター、『咀嚼』……『反芻』!!」
レベルが上がり、テュポーンのスキル『毒龍闘気』を手に入れた。
同時に、テュポーンの毒を無毒化。倒れたテュポーン、エキドナに向かい、俺は両手に槍を作り、何度も何度も二人の身体に突き刺した。
「う、ォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」
刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す!!
死ぬまで刺す。胸にも、心臓にも、足にも腕にも手にも、頭にも刺す。
殺すしかない。今しか殺せない。
俺はメチャクチャに槍を刺し続けた。そして、二人の原型がなくなった時、ようやく変身を解除し、エキドナの肉片を喰らう。
右手で肉片を咀嚼し、反芻……再び、レベルが上がった。
スキルイーターのレベルが6になり、ストックできるスキルも六つ。
新しく、『水龍闘気』を手に入れた。
「はぁ、はぁ、はぁ……は、ははは……か、勝った」
槍がカランと落ち、俺は崩れ落ちる。
原型のなくなった肉片。
エキドナとテュポーンは、完全に油断していた。
「……何だったんだ?」
俺に話しかけてきた声……女のような、声。
上空から落ちてきた、ヒトの指のような肉。それを食ったら風が操れるようになり、テュポーンとエキドナが硬直した。
よくわからない。だが……助けられた。
「…………」
なんとなく、空を見上げるが……そこには、誰もいなかった。
◇◇◇◇◇◇
ボロボロの身体を引きずり、レイたちの元へ。
「リュウキ!! あんた、無事なの!?」
「あ、ああ……身体、重いけどな」
「リュウキ、お前……あの二人、倒したのか?」
「なんとかな」
「リュウキくん、怪我を治すよ」
「頼む、サリオ」
「リュウキくん……心配、しました」
「ごめんな、アピア」
「リュウキ……」
リンドブルムが、信じられないような眼で俺を見ていた。
「ふぁ、ファフニールお兄さまの力……ど、どこで?」
「……わからん」
「ファフニールお兄さま、ずっと行方不明なの。わたしも、他のお兄さまやお姉さまも、一度くらいしか会ったことないの」
「そうなのか?」
「う、うん……リュウキ、すごい」
「…………」
本当に───わけ、わからん。
誰かに救われたのは間違いない。でも……それが誰だかわからない。
どこどなく、気味の悪い勝利だった。
「と、ともかく。脅威は去ったようね、早くアキューレを助けに行くわよ」
「「「「了解」」」」
「はーい」
俺たちは、宮殿に向かって歩き出し───。
◇◇◇◇◇◇
次の瞬間、エキドナとテュポーンがいた腐った大地が爆発した。
◇◇◇◇◇◇
『『やぁぁってくれたなぁぁぁぁ~~~ッ!!』』
現れたのは、双頭の大蛇。
頭が二つある大蛇だ。尻尾がない、一本の長い身体に、頭が二つ付いている。
水色の、ウミヘビのようなドラゴン、毒々しい紫色の、マムシのようなドラゴン。
宮殿を簡単に丸呑みできそうな、あまりにも長く巨大な蛇だった。
ミドガルズオルムの数倍の大きさを誇る蛇は、俺たちを見下ろす。
『『許さん!! 貴様ら全員、丸呑みにしてくれるわ!!』』
エキドナとテュポーン、双子龍の、本来の姿だった。
俺は意を決し、全員に向かって叫ぶ。
「みんな!! こいつは俺が足止めする……アキューレを助けて、ここから離脱してくれ!!」
「ちょ……本気!? あんなバケモノ、あんたでも」
「わかってる!! でも、やるしかない!! 『龍人変身』!!」
俺は変身し、翼を広げ飛び立つ。
ばかばかしいサイズ差だ。あまりにも、テュポーンとエキドナは巨大すぎる。
『『この、人間ガァァァァァァーーーーーーッ!!』』
「来い!! こうなったら……やってやる!!」
俺と双子龍、最後の戦いが始まった。
両足を包む鱗の装甲。その脹脛部分がガパッと開くと、黄金の闘気が噴射。リュウキは超高速で拳を振りかぶり、エキドナを狙う。
だが、エキドナは避けなかった。
代わりに、テュポーンが動き、リュウキの巨大化した右拳を受け止めた。
「よくできました」
「おま、避けるなり受け止めるなりしろよ」
「いいじゃない。あなたがいるんだもの……ねぇ、テュポーン」
「へいへい」
そして、テュポーンの左腕が巨大な《蛇》となり、リュウキの身体を弾き飛ばす。
リュウキは宮殿に激突。再び貫通し、反対側へ吹き飛んだ。
そして、テュポーンの左腕の《蛇》が大きな口を開ける。
テュポーンは宮殿の屋上へ飛び、そこから《蛇》をリュウキが吹き飛んだ場所へ向けた。
「『ヴェノムブレス』」
口から濃い紫色の猛毒ブレスを吐きだす。
濃い紫色の霧が、リュウキのいる周囲の森を包み込んだ。
木々が枯れ、大地が腐り、魔獣、動物たちが紫色の泡を吹いて倒れ、そのままグズグズに溶けて液状になり、最後は腐った地面と同化する。
リュウキも例外ではなかった。
「グハッ!? ガハッ、ガハッ……う、ゲェェッ!!」
吐血、嘔吐を繰り返した。
闘気で辛うじて身を守っているが、毒の浸食が早く闘気で相殺できない。それだけじゃない、鱗の鎧に亀裂が入り、龍人形態が解除される寸前だった。
そして、テュポーンとエキドナが何事もなく、毒霧の中を歩いてくる。
「御父上の力でも、オレの毒は相殺できないみたいだな。ははは、なんか嬉しいぜ」
「調子に乗らない。それで……?」
「ま、一番弱い毒でこのありさまだ。どんなに頑張っても、オレらに傷一つ付けられねぇだろうさ。エキドナ、楽にしてやれよ」
「えー? この子で遊びたいわ」
「やめとけって。こいつの《核》奪って、御父上の力を手に入れようぜ。上のクソ兄貴とクソ姉貴に一泡吹かせてみるのも、面白そうかもよ?」
「…………確かにねぇ」
「グ、ゥゥ……」
リュウキは、ガクガク震え吐血し、真っ赤に充血した眼から血の涙を流す。ヨダレも、流れ出る全ての液体が血になっていた。
内臓も、機能が停止しつつある。心臓の鼓動も弱く、今にも止まりそうだ。
せっかく『四分の三』に進化しても、まるで歯が立たない。
これが、ドラゴン。
世界を壊し、世界を変える力を持つ、偉大なる生物。
ちっぽけな人間が力を手にし、身体を鱗で覆ったところで、辿り着けない境地だ。
「ゥ、ぐ……」
意識が朦朧となり、ようやく頭が落ち着き……リュウキの意識が、戻ってきた。
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇◇
頭が痛かった。
喉が痛かった。
お腹も、腰も、背中も、何もかも痛い。
目がかゆく、擦ると真っ赤な血で染まった。
目がほとんど見えない。だが、エキドナとテュポーンが何やら話しているのは聞こえた。
「頭に《核》があるんだっけ?」
「そうみたい。普通は心臓なのに、変な子ねぇ」
「あっちの人間とリンドブルム、どうする?」
「始末していいわよ。この子が使えないなら、イザベラで遊ぶからいいわ」
「はいよ」
毒、か。
まったく……とんでもないドラゴンだ。
ほんの少し毒を吸っただけなのに、もう身体がガタガタだ。
力を75%まで解放したのに、歯が立たない。
所詮、俺じゃあ……エンシェントドラゴンの力を、引き出せないのか。
『───、───』
「……?」
何かが、聞こえたような気がした。
眼は見えない。耳からも血が出ている。でも……やけにはっきり聞こえた。
まるで、耳に直接、声が届いているような。
『いいの?』
「……?」
『諦めたら、そこでおしまい』
「…………」
『あがく? ふふ、あがくなら……手を貸してあげる』
「…………っ」
俺は、小さく頷いた。
まだ、死ねない。
死にたくないし、仲間たちと冒険だってしたい。
それに、アキューレを助けなきゃ。
こんな連中に、負けたくない。
『大きく口を開けて……あなたに、《力》をあげる』
「…………」
『この力でも、エキドナとテュポーンを倒せる保証はない。でも、完全に油断している今なら、どちらかに致命傷を与えることができるかもしれない』
「…………」
『あとは───わかるわね?』
俺は小さく頷き、最後の力を振り絞って大きく口を開けた。
「ぷっ……何? どうしたの? お腹減ったのかしら」
「ハハハっ、そろそろ死んどけ」
テュポーンの手が伸びてくる。
そして───俺は、見た。
上空から、何かが落ちてきた。
エキドナたちは気付いていない。
それは───小さな、指のような肉の塊。
それが、俺の空いた口の中に落ちた。
「「……?」」
俺は咀嚼することなく飲み込み───気付いた。
これは、ドラゴンだ。
ドラゴンの肉を、俺は食った。
そして、緑色の闘気が俺の全身を包み込む。
スキルイーターのレベルが上がり、新しいスキルをセットした。
「『嵐龍闘気』───『女神の嵐槍』!!」
「えっ?」
創造するのは、嵐。
その嵐を突っ切るのは、槍。
嵐を纏う突撃槍を一本作り立ち上がる。油断しているエキドナの心臓目掛けて突き刺した。
胸に槍が刺さったエキドナは大量に血を吐き吹っ飛ぶ。
俺は全ての力を振り絞り、唖然としているテュポーンの顔面めがけて槍を突き刺す。
「ごぇ!?」
頬に槍が刺さり、口を貫通。
俺は右手を巨大化させ、テュポーンの腕に右手を喰らいつかせ食い千切った。
「スキルイーター、『咀嚼』……『反芻』!!」
レベルが上がり、テュポーンのスキル『毒龍闘気』を手に入れた。
同時に、テュポーンの毒を無毒化。倒れたテュポーン、エキドナに向かい、俺は両手に槍を作り、何度も何度も二人の身体に突き刺した。
「う、ォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」
刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す、刺す!!
死ぬまで刺す。胸にも、心臓にも、足にも腕にも手にも、頭にも刺す。
殺すしかない。今しか殺せない。
俺はメチャクチャに槍を刺し続けた。そして、二人の原型がなくなった時、ようやく変身を解除し、エキドナの肉片を喰らう。
右手で肉片を咀嚼し、反芻……再び、レベルが上がった。
スキルイーターのレベルが6になり、ストックできるスキルも六つ。
新しく、『水龍闘気』を手に入れた。
「はぁ、はぁ、はぁ……は、ははは……か、勝った」
槍がカランと落ち、俺は崩れ落ちる。
原型のなくなった肉片。
エキドナとテュポーンは、完全に油断していた。
「……何だったんだ?」
俺に話しかけてきた声……女のような、声。
上空から落ちてきた、ヒトの指のような肉。それを食ったら風が操れるようになり、テュポーンとエキドナが硬直した。
よくわからない。だが……助けられた。
「…………」
なんとなく、空を見上げるが……そこには、誰もいなかった。
◇◇◇◇◇◇
ボロボロの身体を引きずり、レイたちの元へ。
「リュウキ!! あんた、無事なの!?」
「あ、ああ……身体、重いけどな」
「リュウキ、お前……あの二人、倒したのか?」
「なんとかな」
「リュウキくん、怪我を治すよ」
「頼む、サリオ」
「リュウキくん……心配、しました」
「ごめんな、アピア」
「リュウキ……」
リンドブルムが、信じられないような眼で俺を見ていた。
「ふぁ、ファフニールお兄さまの力……ど、どこで?」
「……わからん」
「ファフニールお兄さま、ずっと行方不明なの。わたしも、他のお兄さまやお姉さまも、一度くらいしか会ったことないの」
「そうなのか?」
「う、うん……リュウキ、すごい」
「…………」
本当に───わけ、わからん。
誰かに救われたのは間違いない。でも……それが誰だかわからない。
どこどなく、気味の悪い勝利だった。
「と、ともかく。脅威は去ったようね、早くアキューレを助けに行くわよ」
「「「「了解」」」」
「はーい」
俺たちは、宮殿に向かって歩き出し───。
◇◇◇◇◇◇
次の瞬間、エキドナとテュポーンがいた腐った大地が爆発した。
◇◇◇◇◇◇
『『やぁぁってくれたなぁぁぁぁ~~~ッ!!』』
現れたのは、双頭の大蛇。
頭が二つある大蛇だ。尻尾がない、一本の長い身体に、頭が二つ付いている。
水色の、ウミヘビのようなドラゴン、毒々しい紫色の、マムシのようなドラゴン。
宮殿を簡単に丸呑みできそうな、あまりにも長く巨大な蛇だった。
ミドガルズオルムの数倍の大きさを誇る蛇は、俺たちを見下ろす。
『『許さん!! 貴様ら全員、丸呑みにしてくれるわ!!』』
エキドナとテュポーン、双子龍の、本来の姿だった。
俺は意を決し、全員に向かって叫ぶ。
「みんな!! こいつは俺が足止めする……アキューレを助けて、ここから離脱してくれ!!」
「ちょ……本気!? あんなバケモノ、あんたでも」
「わかってる!! でも、やるしかない!! 『龍人変身』!!」
俺は変身し、翼を広げ飛び立つ。
ばかばかしいサイズ差だ。あまりにも、テュポーンとエキドナは巨大すぎる。
『『この、人間ガァァァァァァーーーーーーッ!!』』
「来い!! こうなったら……やってやる!!」
俺と双子龍、最後の戦いが始まった。
あなたにおすすめの小説
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~
リーフレット
ファンタジー
「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」
帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。
アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。
帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。
死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。
「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。