嫌われ者の長男

りんか

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「嫌、嫌よ!ロミオ、ロミオ!」
僕は沙羅を抱き上げた
「なんで、ねえ、ロミオ。起きて。血が、なんでこんなことに。ねえ、ロミオ、ロミオ。」
僕は沙羅を揺さぶった。大丈夫かな?痛くないかな?
「せっかくうまくいったのに。なんで私を置いて行っちゃうの。起きてよロミオ。一緒にどこまでも行こうって、いつまでも2人で暮らそうって約束したじゃない。さよならの挨拶もなしで私を残して行かないで。ねえ、私、薬まで飲んで、あなたと会うために、心細いの我慢して、懸命に飲み干して、目が覚めたら幸せが待っているって、それだけを信じて眠りについたのに。なんで、なんでこんなに歯車が狂うの。私、何か悪いことしたの。醜い啀(いが)み合いさえなければ、2人で手を取って抱きしめ合えたのに。もう、こんな世界なんていらない。もっと綺麗な世界がいい。ロミオ、ねえロミオ、置いてかないで。私も一緒に行く。あなたの妻だもん。あなたと一緒に行く。争いのない綺麗な空の上で、2人でいつまでもどこまでも歩いていくの。ロミオ、ロミオ、私に最後の勇気を。」
僕はダミーの剣をとると自分の胸に突き刺した。中に血糊を入れてたから本当に刺したみたいになってる
「痛い、痛いよ、ロミオ。ああ、まだ体が温かい。小さく言葉を交す、あなたを想って心膨らみ、頬に手を当てるとぬくもりが暖かい。ああ、ロミオ、唇が温かい。私の感じていること、すべてなくなっても、2度と帰ってこなくても、私はきっとあなたのそばに居るの。ずっと、ずっとあなたのそばに居るの。お休み、お休みなさいロミオ。」
僕は沙羅にキスを(する振り)して首元に倒れる演技をした。その後も劇は続いていった。そして全ての劇が終わって。クラスの全員でステージに立った
クラス委員「ありがとうございました」
全員「ありがとうございました!」
教室
先生「お疲れ様!良かったぞ!!特に主役二人!」
「ありがとうございます。ちゃんとできてました?」
女1「もちろん!!すごい感動した!」
女2「凄かったよ!」
「良かった。じゃあ僕きがえ」
全員「ダメ!!」
女3「まだ写真撮ってない!」
「え、写真撮るの?」
女4「当たり前です!なので着替えちゃダメです!てか今日の文化祭中2人は脱いじゃダメです」
「え?やだよ?」
女1「終わるまで服没収です」
「え、ちょ」
女1「没収です」
「はい....」
結局文化祭までこの格好(女装姿)でいることが決定した
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