愛玩は夜になく

山代裕春

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忌子

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……とある教会

正しく陳列された椅子、重苦しくも安心する空間、大きく掲げられた十字架。
エデルヴァ「我、罪を償い神の御心に従…」
シミア「神父様!!!」
荒々しくドアが開き祈りが中断される、立ち上がり振り向くと白髪の青年と薄幸少年。
エデルヴァ「お祈りの時は静かになさってくださいね?」
シミア「…申し訳ありません」

……神父の部屋

エデルヴァ「どうぞ…」
ティーカップに注がれた熱い紅茶、芳醇で甘い香りが広がる。
エデルヴァ「ヴァン君はシスター達に預けました、これで気兼ねなく話せるはずです」
シミア「……あいつが来ました」
エデルヴァ「…」
シミア「今朝、息子が教えてくれたんです」
エデルヴァ「…」
シミア「神父様、無理を承知で申し上げます!ヴァンフィルを守ってください…!」
エデルヴァ「……君…俺が誰かわかってて言っているのか?」
シミア「エデルヴァ・ハイン…歴史上類を見ない冷徹なヴァンパイアハンター…杭打ちのエデルヴァ」
エデルヴァ「そうだ」
シミア「お願いです…あなたにしか頼めないのです…」
エデルヴァ「……」
シミア「お師匠!!」
エデルヴァ「………大馬鹿野郎」
シミア「…」
エデルヴァ「12年前…君を行かせるべきではなかった…」
神父は立ち上がると部屋から出ていった。

……裏庭

エデルヴァ「……」
爽やかな風、柔らかな陽射し、無邪気に遊ぶ忌子。
ポケットに入れていたタバコを取り出し火をつける。
エデルヴァ「ふー…」
視線に気づいた、忌子が笑いかけ神父は手を振る。
エデルヴァ「ダンピールめ…」
タバコの煙が風に乗り消える、殺意に満ちた言葉が葉擦れでかき消され、灰が音もなく落ちていった。
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